2016.10.27

Vol.9 もしも子宮頸がんになったら…気になる治療内容と後遺症のこと

進行の度合いによって、手術内容や治療の成功率は変わる?


はい、進行期が早いほど、治療効果は格段に良好です。

子宮頸がんの進行期と治療成績0期~Ia期の子宮頸がんは、ほとんどの場合治すことができますので、通常「早期がん」と呼んでいます。0期であれば、子宮を摘出しない円錐切除術で治療できることも多いため、治療後に妊娠や出産をすることも可能です。しかし、進行期が進んでしまうと、大がかりな手術や放射線療法、化学療法などの治療が必要になり、十分な治療を行っても5年生存率(診断から5年後の生存率)は低くなってしまいます。

子宮頸がんになったら、どんな治療をするのか?

がんの進行の状態によって、治療内容も変わります。

がんになる前の前がん状態、もしくはがんが上皮内にとどまっているごく初期のがんの場合は、子宮頸部の一部を切除する「円錐切除術」が行われます。円錐切除術は開腹(お腹を切ること)をせずに、腟側から行い、子宮体部を残す手術です。個人差はありますが、出血が少ない短時間の手術です。入院期間も短期間で、病院によっては日帰り手術で行っています。がんが粘膜より奥の組織にまで広がった浸潤がんになると、一般に子宮の摘出が必要になります。子宮周囲の摘出範囲が大きくなると、骨盤内のリンパ節まで摘出する「広汎子宮全摘出術」という大がかりな手術が必要になります。若い患者さんの場合、なるべく卵巣を残すように治療することが多いのですが、頸がんの種類によっては卵巣の摘出も必要になります。手術の他に、浸潤がんに行われる治療として、放射線療法や抗がん剤を点滴する化学療法があります。これらは主として手術が不可能な場合に行いますが、手術可能な進行状態でも年齢や合併症を考慮して選択されることがあります。

子宮頸がんを治療すると、後遺症は残る?

後遺症は治療の種類によって異なります。

初期のがんに対して行われる「円錐切除術」であれば、後遺症はほとんどありませんが、まれに頸管が狭くなって月経痛の原因になったり、流早産の原因になることがあります。子宮と共に子宮周囲の組織や骨盤内のリンパ節まで摘出する「広汎子宮全摘出術」を行った場合は、排尿・排便障害、性交障害、リンパ浮腫などの後遺症が起こることがあります。「リンパ浮腫」は、リンパ節を摘出したためにリンパの流れが滞ることによって起こる後遺症です。足や外陰部が腫れて、感染すると高熱の原因になることもあります。また、卵巣を摘出した場合は、更年期のような症状が起こることもあります。


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Colorda編集部