2016.10.24

知らないうちに食べている!? プリン体の多い食品16選

プリン体はどうして身体に悪いの?

dried sea tangle,dried sardine,dried bonito過剰に摂取し続けると、痛風や高尿酸血症を引き起こしてしまうプリン体。通常、体内で分解、尿酸になって排出されるが、大量に摂取すると排出能力を超えてしまい、体内に蓄積されて高尿酸血症をおこし、痛風の原因となる。よく、ビールを飲むと痛風になるといわれているが、実は、ビールや発泡酒に含まれるプリン体はそれほど多くはない。しかし、ビールを毎日飲み続けると、6年間に血清尿酸値が0.5~1.0mg/dL上昇し、さらにアルコールの作用が加わって尿酸値が上がるという。

実は、ビール以上に気をつけてほしいものは、普段食べている食品だ。意外な食品にプリン体が多く含まれている場合があるのだ。そこで今回は、ビール以外にも気をつけたい食品16選を紹介する。

知らなかった! プリン体が極めて多い食品8つ

100g当たり含有量300mg以上の、プリン体が極めて多い食品は次のとおり。

食品 プリン体含有量
煮干し 746mg
かつお節 493mg
アンコウ肝(酒蒸し) 399mg
干し椎茸 380mg
鶏レバー 312mg
マイワシ干物 306mg
イサキ白子 306mg
クロレラ 3183mg

煮干し、かつお節に多く含まれているということで驚くかもしれないが、おもに出汁に使ったり、かつお節は冷奴やおひたしなどに少量をかけたりする程度。一般的に100gを口にする機会はないだろう。また、アンコウの肝やイサキの白子も、時々、少量なら問題はない。クロレラは、健康食品やサプリメントが市販されているが、規定の量を摂取しても、1日に1~3g程度なので、こちらも心配はないといえる。だだし、含有量は多いことは肝に銘じておこう。

干物好きは要注意!? プリン体が多い食品8つ

100g当たり含有量200~300mgの、プリン体が多い食品は次のとおり。

食品 プリン体含有量
豚レバー 285mg
大正エビ 273mg
マアジ干物 246mg
オキアミ 226mg
牛レバー 220mg
カツオ 211mg
マイワシ 210mg
サンマ干物 209mg

こちらの食品は1回に食べる量が100g以上となる場合が多いので、気をつける必要がある。『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』では、「1日400mgを目安に」としているので、食べ過ぎに注意するとともに、きのこ類や海藻類など、尿をアルカリ化し、尿酸の排出を助ける食品と一緒に食べるなどの工夫をしたい。

ビールも同様。ビール1缶350mlあたりのプリン体含有量は12~25mg。飲み過ぎなければ、さほど厳しく制限する量ではない。しかし、ビール好きは1缶でとどまることができないのが問題だ。冷奴、オクラ、そら豆などプリン体が少ないものをおつまみに食べたり、定期的に休肝日をつくったりして、プリン体の体内蓄積を予防しよう。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

Colorda編集部