2017.1.16
人間ドック前日の服薬

人間ドックの前日、薬は飲んでいいのか?【人間ドック前日シリーズ Vol.5】

人間ドック前日の服用について

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人間ドックは、食事や飲酒、運動、入浴などさまざまな項目に関して、前日から制限が必要になるケースがある。「人間ドック前日シリーズ」第5回は、人間ドック前日の服薬について解説する。

サプリメントをはじめ、高血圧や糖尿病、そのほかさまざまな疾患の治療薬を習慣的に服用している人は少なくない。人間ドックを受けるうえで、検査結果に影響する薬剤はあるのだろうか? 今回は人間ドック前日に服用しても問題ない薬剤や、服用してはいけない薬剤について、その理由も踏まえながら詳しく解説する。

処方薬は、人間ドック前日も普段通りに服用OK

人間ドック前日は、基本的に薬剤の服用を止める必要はない。とくに降圧剤や抗けいれん薬、精神安定剤などは、現在かかっている疾患の症状を抑えるためのものであり、無闇に止めてしまうと病状が悪化する恐れがある。

ただ、サプリメントには注意が必要だ。とりわけビタミン剤に関しては尿検査に影響が出る場合があるため、前日に服用は医師と相談しておきたい。

人間ドック当日は服用できる薬剤が限られる

普段服用している薬剤が問題となるのは、人間ドック当日である。例えば、検査当日の朝に糖尿病の治療薬を服用すると、インスリンの分泌が促されたり、腸管からの糖の吸収が抑制されたりするなど、身体本来の機能とは異なる状態へと変化してしまう。その結果、血液検査で正確な結果が得られなくなることがあるのだ。

けれども、心臓病や脳梗塞、それから高血圧やけいれん発作といった重体を引き起こすような疾患の予防薬であれば、人間ドック当日でも服用を止めなくともよい場合もある。

日常的に服用している薬がある人や、人間ドック受診時に服用しなければならない薬がある人は、事前に医師に申告し、服用の停止や継続に関しても指示を仰いでおいたほうが賢明だ。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

Colorda編集部