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2017.1.23

管理栄養士が教える「便秘を解消する野菜の食べ方」と知っておきたい「食物繊維の種類」

「野菜を食べているのに、便秘が治らない」そんなことはありませんか? それは食物繊維の摂り方を誤っているからかもしれません。実は食物繊維には2種類あり、それぞれ違う働きを持っています。正しい食物繊維の摂取方法を学び、腸を健康に整えましょう。

食物繊維には2種類ある! 片方の摂り過ぎは逆効果

「食物繊維」と一口に言っても、水に溶けない「不溶性食物繊維」と、水に溶ける「水溶性食物繊維」の2つの種類があります。一般的にイメージされる食物繊維は、サツマイモやゴボウなどに含まれるスジがある不溶性食物繊維というものです。「便秘といえば、食物繊維」と言われていますが、この不溶性食物繊維だけをむやみに摂り過ぎると、便秘が悪化する可能性もあるのです。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維はどちらも便秘を改善する効果がありますが、それぞれ異なる特徴を持っているため、役割を理解し、両方をバランスよく摂る必要があるといえます。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のはたらき

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、水に溶けず腸の中で水分を吸収してふくれます。そして腸壁を刺激して腸のぜん動運動を盛んにし、食べ物の残りかすをすみやかに体の外に排出させる働きがあります。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、腸内で水に溶け、ゼリー状になって他の食品と混ざり合い消化管をゆるやかに移動しながら、便を体外に出す働きを持っています。つまり、便の量を増やしたい、腸を動かして便秘を解消したいなら「不溶性食物繊維」便を軟らかくしたいと思ったら「水溶性食物繊維」をそれぞれ摂る必要があるということです。

それぞれの食物繊維が多く含まれる食品とは?

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維はスジっぽくて歯ごたえのあるような、穀類、豆類、野菜類などの食品に多く含まれています。とうもろこし、ブロッコリー、ライ麦パン、納豆、インゲン豆、サツマイモ、ゴボウなどがその例です。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、ネバネバ、ヌルヌルした特徴を持っています。海藻、果物類、きのこ類などに多く含まれます。わかめ、りんご、バナナ、しいたけ、えのき、こんにゃくなどがその例です。

便秘のお悩み別! 効果的な食物繊維のタイプはどっち?

便秘にも種類があります。腸の調子に合わせて、食物繊維を摂ることで便秘解消により効果が期待できます。

便の回数を増やすには不溶性食物繊維を摂ろう!

便の回数が少ない、排便後にすっきりとしない、お腹が張るという人は、「弛緩性便秘」の可能性があります。このタイプは、筋力の低下や食事制限によって引き起こされることがあります。弛緩性便秘の人は腸の働きが低下気味のため、便の量を増やし腸の活動を盛んにする働きを持つ不溶性食物繊維を摂るのがおすすめです。

便秘と下痢を交互にする人は水溶性食物繊維を摂ろう!

お腹がゴロゴロ鳴る、便秘と下痢を交互にする人は、「痙攣性便秘」の可能性があります。このタイプは、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因となって引き起こされます。痙攣性便秘の場合は刺激を与えず、便を適度なやわらかさにしてスムーズに排出させる働きを持つ水溶性食物繊維を摂るのがおすすめです。

不溶性食物繊維だけを摂り過ぎるとよくないというのは、この痙攣性便秘の人です。腸が弱っている人にとっては、不溶性食物繊維は腸でガスを発生させ、お腹を張らせることがあるほか、便をふくらませ詰まらせる場合があるので注意が必要です。また、水分補給も十分に行われていないと便秘になることがあります。ちなみに水溶性食物繊維の摂り過ぎによる有害事象については、個人差が大きいため一概には言うことができません。

食物繊維を効率的に摂るための、3つの基本

1. スープや味噌汁などと一緒に摂る

食物繊維の効果を活かすには、充分な水分が必要です。水分不足の状態で大量の食物繊維を摂取すると、便が硬くなり、逆に便秘を招く恐れも。いろいろな食材を使って味噌汁やスープにすると、一石二鳥です。また、生のサラダで食べるよりも加熱したほうが、消化も良くなります。

2. ヨーグルトなど他の食品とあわせて食べる

食物繊維はあくまでも、お腹のお掃除屋さん。いくら体に良いからといって食物繊維だけを摂取すると、栄養バランスが崩れることは言うまでもありません。たとえば、ヨーグルトなど乳酸菌を多く含む発酵食品を一緒に摂ると、腸内環境が整いやすくなりおすすめです。

3. サプリメントなどでの摂り過ぎは禁物

食物繊維を過剰に摂取しすぎると、鉄分やカルシウムなどの吸収を妨げミネラル不足になる恐れがあります。極端にサプリメントなどで摂取をすることは避けましょう。

文/Dr.Note
参考記事:【絶対保存版】管理栄養士が教える便秘を解消する野菜の食べ方
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Colorda編集部