2017.4.24

浴びすぎは危険! 紫外線が原因で起こる病気

日焼けだけではない! 紫外線が人体に与える影響


紫外線は波長が長いほうよりUV-A、UV-B、UV-Cに大別され、波長が短いものほど人体への影響が大きいとされているが、UV-Cはオゾン層で遮られほとんど地表に到達しないため、紫外線による影響はほぼUV-A、UV-Bから受けている。とくにUV-Bに長年当たり過ぎると、傷つけられたDNAの修復機能が狂い、突然変異を起こすことがわかってきている。それが元で、病気や体質変異、身体の機能低下につながってしまうのだ。紫外線が人体に与える影響は、日焼け以外にどのようなものがあるのだろうか。

紫外線が原因で起こる病気は?

紫外線は、皮膚、目などに病気や症状を引き起こす。また、紫外線が原因で悪化する病気もあるので注意が必要だ。

皮膚がん

紫外線は皮膚がんの発症リスクを高める。日本人は皮膚がんの患者が少ないといわれているが、子どもの頃から長年にわたって紫外線を浴びすぎていると、歳をとってから皮膚がんが発症する可能性が高まる。また、足の裏にできる「悪性黒色腫」という日本人特有の腫瘍ができる可能性も高まる。

良性腫瘍

老人にできやすい黒褐色のイボのこと。顔、首、手の甲など普段露出している部位にできやすい。

日光アレルギー

慢性光線過敏症ともいわれ、紫外線が当たった部分に、500円玉ほどの大きさの紅斑ができる。

白内障

白内障のタイプは80以上あるが、日本人にもっとも多いのは水晶体の皮質が混濁する「皮質白内障」といわれるもので、紫外線の影響が関係している。

翼状片(よくじょうへん)

白目の表面を覆っている半透明の結膜が、目頭から黒目に向かって翼のような形状で侵入し、目にゴロゴロした違和感が起こる。屋外での仕事に従事する人が発症しやすい。

膠原病(こうげんびょう)の症状悪化

膠原病とは、全身の皮膚や血管、筋肉や関節が炎症を引き起こし、発熱や発疹などの症状が出る病気で、比較的女性が多く発症する。膠原病を持っている人が紫外線に当たると、皮膚に紅斑や水泡ができやすくなる。また膠原病のひとつである皮膚筋炎は、紫外線によって症状が悪化する。

免疫機能の低下

皮膚の表皮内には、ランゲルハンス細胞という免疫細胞が存在する。これは外部から異物が侵入した場合など、皮膚内部の情報を伝達する役目を持っている。このランゲルハンス細胞が紫外線に当たってダメージを受けると、情報伝達がうまく機能しなくなり、免疫力が低下し病原菌が体内に入ってしまう。

紫外線の影響による病気は、長年の蓄積によって発症するものが多い。日頃からむやみに日焼けをしないよう、UV対策が必要だ。

紫外線に当たるメリット

紫外線を浴びることが身体にとってメリットになることもある。たとえば、紫外線はビタミンDを作る手助けをする。ビタミンDは体内のカルシウム代謝をよくし、骨や歯を丈夫にする役割を果たしている。紫外線を浴びずにいると、ビタミンD量が不足して骨や歯が弱くなり、骨折をしやすくなったり、身体の歪みにつながったり、骨粗しょう症を引き起こしたりする。シミやたるみの原因になる日焼けは避けたいが、適度な日光浴は身体にとって必要なのだ。


Colorda編集部