2015.4.21

なぜ受けたほうがいいの? 人間ドックの基礎知識

人間ドック受診者の9割に「異常あり」

ThinkstockPhotos-525918123
日本人間ドック学会の調査によると、2013年の人間ドック受診者は306万人(※)。このうち「異常あり」と診断された人は受診者全体の93.8%にものぼり、過去最高となった。

人間ドックで発見されたがんの症例数は、男性5,042例、女性3,214例、計8,256例。最も多かったがんは、男性は胃がんで1,747例、女性は乳がんで1,331例だ。年齢別に見ると、胃がん、大腸がん、肺がんの60歳以上の症例数は全世代の50~60%を占める。

一方、乳がんと子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん合計値)は40歳代での発見が最多で、乳がんは全体の34.5%、子宮がんは36.8%。40歳未満でも多く発見され、乳がん6.0%、子宮がん29.4%だ。

がんをはじめとした生活習慣病の早期発見・治療のためには、人間ドックでの定期的なチェックは欠かせない。特に女性は、30代になったら乳がんと子宮がんの検査も加えたい。

専門ドックで人気なのはやっぱりあの部位

人間ドックには、「半日ドック」「1日ドック」「2日ドック」の3種類がある。「半日ドック」は午前で終わる。「1日ドック」は午前に検査、午後に結果の説明がある。「2日ドック」は1泊2日で行い、1日ドックの検査内容に糖尿病検査(糖負荷試験)などが加わる。

「基本ドック」では主要検査項目を検査し、「専門ドック」では特定の部位や疾患を重点的に検査する。「専門ドック」で人気の「レディースドック」では、乳がんの検査(乳腺超音波検査、マンモグラフィー撮影等)や、子宮がんの検査(子宮頸部細胞診、経膣超音波検査等)などを行うことで、早期発見を実現している。また「脳ドック」では、MRIなどで脳を検査する。30~40代で増えている「隠れ脳梗塞」も見つけることができる。

人間ドック受診で健康寿命を延ばす

今、「健康寿命」が注目されている。「健康寿命」とは、介護の必要がなく健康的に生活できる期間をいう。日本人の健康寿命と平均寿命との差、つまり要介護期間は男性で約9年、女性で約12年である。

要介護の主な原因は脳卒中や認知症だ。これを防げば、健康寿命を延ばせる可能性は高い。脳卒中や認知症の原因である動脈硬化や高血圧などの生活習慣病は、人間ドックで見つけることができる。

がんや高血圧などの生活習慣病は、予防と早期発見が大切だ。健康寿命を延ばすためにも、人間ドックを受けたいものだ。

※日本人間ドック学会「2013年『人間ドックの現況』」より

以外と知らない!人間ドックの詳細

人間ドックについて知りたい方はこちら

Colorda編集部