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2017.4.10

食欲コントロールはレプチン! 太るほど満腹感を感じにくい理由とは


私たちの体は太るほど満腹感を感じにくくなることを知っていましたか? 肥満な人ほど多く食べてしまうことは実は自然なことなのです。

それでは、なぜ肥満な人ほど満腹感を感じにくくなるのでしょうか。多くの人にとって「太るのは簡単で痩せるのは難しいこと」ですが、これは自分をコントロールする意志や気持ちだけの問題ではなく、実は体に脂肪が増えるほど満腹感を感じにくい体質になってしまうことにも原因があります。そうなれば当然、「痩せよう!」と思っていても空腹感でつい食べてしまったり、「昔より食べる量が増えたなぁ」と思うような食事量になったりして、体型を戻すのにとても苦労することになりますよね。

食欲をコントロールするレプチン

あなたはレプチンという名前を聞いたことがありますか? レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンの一種で、脳に作用して満腹感を生み、食欲を減らす働きを持っています。肥満というのは身体に脂肪細胞が多くなった状態ですが、脂肪細胞はただ蓄積されているだけでなく、実はホルモンなどの物質を作って分泌しているのです。このレプチンが増えるほど満腹感を感じ、食欲は減り、痩せやすくなるため「痩せ薬」としても期待されているホルモンです。

太った場合、レプチンの量は増えるけど…

先ほど言ったように「レプチンは脂肪細胞から分泌されているホルモン」なので、太って脂肪細胞が増えればレプチンの量も増えています。であれば食欲も減って、痩せやすい体になっているはずです。しかし、そう都合よくはいきません。なんと肥満になった人は「レプチン抵抗性」という特殊な状態になってしまうのです。

「抵抗性」とは何かというと、体にレプチンが効きにくい状態という意味です。つまり、太っていると脂肪細胞から分泌されるレプチンは増えますが、それに体があまり反応せず、食欲は減りにくくなってしまうのです。むしろ、なかなか満腹感が得られないので、痩せたいのについつい多食・過食してしまうことになります。これはまるでアリ地獄のような負のサイクルです。痩せたいと思っても食事制限がしにくい。我慢しなきゃいけないけどお腹が空くからつい食べてしまう。“太るほど太りやすくなる”というのはこのためです。

太ってない人へのアドバイス

解決策は「太ってない人は太らないようにすること」に限ります。どうしようもない解答ですが、一度太ってから痩せる方が苦労です。であれば今、それよりは軽い「少しの意志」を持って、日頃から「食べる量」と「動く量」に少し気を配り、太らないように予防することが実は一番楽な道でしょう。

太ってるかもと思う人へのアドバイス

精神論になりますが、まずは自分がどうなりたいのかを改めて明確にするのが良いと思います。やはり義務として痩せるのではなく、「こうなりたい!」という理想に向けて頑張れた方が、前向きな気持ちで健全に努力を続けることができるはずですよね。「〇〇kgくらいになりたい」「人前でも堂々と脱げるようになりたい!」「痩せマッチョになりたい!」でもなんでもOK! 自分がなれたら嬉しい姿を想像してみましょう。それが決まれば、それを実現するための計画を考え、急がず少しずつ現実のものにしていきましょう。その際、満腹感が得にくい「レプチン抵抗性」のことも踏まえ、完璧な食事制限ができなくても自分を責めず、少しずつ減量していくことを頑張りましょう。

意外と知られていないレプチンのメカニズム。知識を身につけたら、ダイエットしたいとき、すぐにでも参考になりそうですね。

文/Dr.Note
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Colorda編集部