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この検査は何のための検査?

喀痰細胞診

喀痰細胞診とは?

喀痰(かくたん)細胞診とは、痰を分析することで、肺や気管支などの細胞の悪性度を調べる検査です。痰のなかには、肺の肺胞や気管支の分泌物が含まれています。採取した痰に染色処理を行い、がん細胞が含まれている場合は色が染まる仕組みです。

肺がんは、肺の末端や気管支など太い管に発生します。喀痰細胞診はこの太い管に発生した肺がんの発見に有用です。3日間にかけて痰を採取するだけの簡単な検査のため、身体に負担が少ない検査と言えます。検査は1回ではなく、複数回繰り返すことで診断の精度が高まります。

喀痰細胞診の目的

喀痰細胞診は、肺がんを見つけることを目的にした肺がん検診の一環で、問診や胸部レントゲン検査と一緒に実施されている検査です。

喀痰細胞診は、肺がん検診でリスクが高い人に限定して行われます。具体的には、50歳以上で喫煙指数が600以上の人です。喫煙指数とは1日の喫煙本数×喫煙年数で計算されます。この数値が600以上の場合、肺がんのハイリスクと分類され、喀痰細胞診を含む3つの検査を行います。

この検査で異常が見られた場合は胸部CT検査や気管支鏡検査など精密検査を行います。

喀痰細胞診で見つけられる病気

喀痰細胞診は、次のような病気の診断に役立ちます。
●肺がん
●咽頭がん
●喉頭がん
●気管支炎
●肺炎
●肺結核  等

喀痰細胞診の見方

喀痰細胞診のクラス判別には、ABCDE分類やパパニコロウ分類と呼ばれる方法があります。パパニコロウ分類では、パパニコロウ染色という方法で細胞の形態を観察し、その後、下記のようなクラス判別を行います。

喀痰細胞診のクラス判別

クラスⅠとⅡは基準値、クラスⅢ以上になると内視鏡検査や画像診断など精密検査をする必要があります。

喀痰細胞診の長所/短所

喀痰細胞診では痰を吐き出すだけでがんを調べることがでます。胃がんや大腸がんなど、ほかの部位にできたがんの細胞を調べる場合は、身体に針を刺したり、内視鏡検査や開腹手術をしたりしてから細胞を採取する必要があることと比較すると、身体的苦痛が少ない検査です。 喀痰の保存状態によっては、観察しづらくなることがある点が短所です。

喀痰細胞診の流れ

1. 口をゆすぐなどして、口のなかをきれいにする
2. 咳払いや強い咳をして、痰を吐き出す
3. 採取容器に喀痰を入れる
4. 喀痰をスライドガラスにのせる
5. アルコールで固定
6. 染色して顕微鏡で観察

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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