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この検査は何のための検査?

LAP

LAPとは?

LAPとは、ロイシンアミノペプチターゼ(Leucine Aminopeptidase)の略称です。LAPは肝臓や腎臓、腸などに多くあるタンパク質を分解する酵素で、血液検査で血液中にあるLAPの数を調べることで、肝臓や胆道、腎臓などに異常がないかを調べることができます。

LAPを調べる目的

LAP検査は、肝臓や胆道に異常がないかを調べることが目的です。肝臓や胆道に異常が起こり、胆汁の流れが阻害されると血液中にあふれ出ることで、LAPの値が上昇します。そのため肝臓や胆道、腎臓、膵臓などの多くの病気の可能性の有無を調べることができます。また、妊娠後期でもLAPが高値になり、子宮がんや卵巣がんの発見にも用いられることがあります。

LAPの血液検査で見つけられる病気

LAPを血液検査で調べることは、次のような病気の診断に役立ちます。

●胆管がん、胆道がん、胆道狭窄、胆石
●急性肝炎、肝がん、アルコール性肝障害、肝硬変
●急性膵炎、膵がん
●ネフローゼ症候群
●悪性リンパ腫、白血病
●子宮がん、卵巣がん    など

LAPの結果数値の見方

血液検査におけるLAPの基準値は、30~70Ul/Lです(国立がん研究センターより)。LAPの値が基準値より高いと、胆汁の流れに関わる臓器の病気が疑われます。

LAPの血液検査の長所/短所

LAPの血液検査は、採血のみで行えます。医療機関やその他の検査項目にもよりますが、1時間程度で結果も出る手軽な検査です。しかし、LAP検査のみでは、疑われる病気を確定することは困難です。なので、数値に異常がみられた場合は腹部超音波検査やレントゲン、CT検査などが必要となる可能性があります。

採血は、針を刺しますので痛みを伴います。先端恐怖症の方や痛みが苦手な方は苦痛が大きいでしょう。針を刺す前のアルコール消毒で肌が荒れてしまう人もいます。アルコールアレルギーがある方は、非アルコール性の消毒がある場合もあるので事前に伝えておきましょう。

また、針を刺すことで、神経損傷を起こしてしまうこともあります。頻度として1万回から10万回に1回と言われており、大抵の方は2~3ヶ月ほどで自然治癒します。万が一採血時にピリッとした痛みがあればその場で伝えましょう。

なお、採血後に青くアザになってしまったりすることがありますが、数日で消失します。

LAPの血液検査の流れ

LAPを調べる血液検査では、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1.ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2.上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3.アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4.シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5.注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6.完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立研究開発法人国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧」2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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