三重県四日市市下海老町平野52-1
三重県鈴鹿市庄野町字久保866
三重県津市観音寺町字東浦446-30
三重県桑名市中央町3-23桑名シティホテル2階
三重県津市半田206-1
三重県桑名市大字星川1011-1
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三重県は近畿地方に位置する南北に細長い県で、県庁所在地は津市です。伊勢神宮や、世界遺産にも登録されている熊野古道などが有名です。またリアス式海岸や伝統的な海女漁など、自然と信仰・文化が共存した魅力あふれる県です。
2021年10月1日現在の三重県の人口は約175.7万人(推計人口)です。人口規模は、47都道府県のうち22位(2021年1月1日現在)です。「三重県人口ビジョン」によると、三重県の人口は2007年をピークに減少に転じ、現在も減少傾向にあります。なお、日本全体のピークは2008年です(推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、三重県の人口は現状のままでは減少が続き、2045年には約143.1万人にまで減少するとされています。
2021年1月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約53.2万人で、高齢化率は29.6%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、三重県の高齢化率は全国平均よりやや高いと言えます。「三重県人口ビジョン」によれば、今後も総人口に対し年少人口や生産年齢人口の割合の減少が指摘されており、三重県の高齢化は進んでいくことが予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における三重県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
---|---|---|---|
男性 | 71.79歳(72.14歳) | 9.32年(8.84年) | 80.9歳(80.8歳) |
女性 | 76.30歳(74.79歳) | 10.94年(12.34年) | 87.0歳(87.0歳) |
2016年現在の三重県の健康寿命は、男性71.79歳、女性76.30歳で、これは47都道府県のうち男性31位、女性2位です。日常生活に制限のある期間の平均を見ると、女性は全国平均を1.4歳下回っていますが、男性は0.5歳ほど上回っています。三重県の女性は平均寿命、健康で過ごせる期間ともに全国平均より長い一方で、男性はいずれも全国平均より短く、男女で差がある結果となっています。「三重の健康づくり基本計画(平成25年度~平成34年度)」では、健康寿命の延伸と幸福実感を高めるための心身の健康感の向上を目標としています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、三重県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
三重県※2019年 | 悪性新生物(がん)25.3% | 心疾患15.0% | 老衰11.6% | 脳血管疾患7.9% | 肺炎6.7% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
三重県の死因順位は日本全体と同じですが、がんによる死亡数割合は日本全体よりも2.0ポイント低く、老衰の割合が2.8ポイント高い数値となっています。老衰の割合が日本全体より高い要因のひとつとして、三重県では健康的に長生きをしている女性が多い傾向にあること(「1-2.三重県の健康寿命」を参照)が影響していると考えられます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。三重県の県庁所在地である津市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳女性 | 子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | マンモグラフィ |
がん検診の詳細は各市区町村ページをご参照ください。
下記は、2015年度から2019年度の三重県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 3.6% | 22.6% | 9.2% | 17.3% | 11.9% |
2016年度 | 10.8% | 20.2% | 8.4% | 18.8% | 9.7% |
2017年度 | 12.3% | 20.4% | 8.0% | 18.0% | 9.2% |
2018年度 | 11.6% | 18.9% | 7.7% | 17.8% | 8.7% |
2019年度 | 10.9% | 19.2% | 7.4% | 18.3% | 8.5% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
三重県のがん検診受診率は、2015年度を除き全検診で日本全体を上回っており、とくに胃がん検診と子宮頸がん検診において高い受診率を推移しています。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
三重県では、2018年に「三重県がん対策推進計画(第4期三重県がん対策戦略プラン)」を策定し、がん検診の受診率向上やがん予防に向けて次のような取り組みを行っています。
・ウイルス性肝炎の相談と検査の実施 肝臓がんのリスク要因である肝炎ウイルス(B型またはC型肝炎ウイルス)に関し、県内の保健所ではウイルス性肝炎についての相談や検査を無料かつ匿名で実施している。また、適切な治療につなげるために陽性者へのフォローアップも行っている。
・乳がん検診と子宮頸がん検診の普及啓発および受診しやすい環境づくり 県内の市町やNPOなどが実施する健康まつりなどのイベントで、乳がんや子宮頸がんの検診の受診啓発を行っている。また、乳がん検診と子宮頸がん検診のセット検診や休日検診など、受診しやすい環境を整備している。
・禁煙治療支援と「たばこの煙のないお店」認証制度 県のサイトで禁煙治療が受けられる医療機関を紹介している。また、2006年度から「たばこの煙のないお店」認証制度を実施。終日完全禁煙の「たばこの煙の無いお店」を県サイトで公表しており、認証された店舗は認定プレートを提示している。
三重県では市町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。詳しくは各市町村のWebサイトをご参照ください。例として、四日市市、鈴鹿市、伊勢市の人間ドック費用補助を紹介します。
●脳ドック 【対象者】 四日市市国民健康保険の被保険者で、国民健康保険料を滞納していない世帯の方 【助成額】 上限10,000円 【助成条件】 ・必ず脳ドック受診前に申請(受診後の申請は受付不可) ・MRIを検査項目に含む
●脳ドック 【対象者】 下記の要件をすべて満たす方。 ・40歳以上74歳未満の方(当該年度4月1日時点) ・昨年度に鈴鹿市国民健康保険に継続して加入していて、その期間の国民健康保険料の滞納がない方 ・鈴鹿市国民健康保険に加入していて、受診時も継続して加入している方(当該年度4月1日時点) 【自己負担額】 14,400円
●人間ドック 【対象者】 下記の要件をすべて満たす方。 ・40~74歳の方 ・受診日の属する年度において伊勢市国民健康保険特定検診の対象者で、特定検診を受診していない方 ・助成金申請日に伊勢市の国民健康保険料を滞納していない世帯に属する方 ・人間ドックの結果を伊勢市および三重県国民健康保険団体連合会に提供することに同意する方 【助成額】 上限5,000円(自己負担額が5,000円未満の場合はその額)
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち三重県内の機能評価認定施設は2021年12月現在で8施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
三重県では、「健康寿命の延伸」と「幸福実感を高めるための心身の健康感の向上」を目標に県民の健康づくりを支援しています。「三重の健康づくり基本計画(平成25年度~平成34年度)」に基づいた取り組みをご紹介します。
・三重とこわか健康マイレージ事業 食生活や運動などの生活習慣改善の実施、健康診査の受診、地域活動への参加、「マイレージ取組協力事業所」の提供する健康づくり取組メニューなど、マイレージ事業を実施する市町の健康づくりメニューへ参加することにより、ポイントを獲得できる。一定のポイントを獲得すると「三重とこわか健康応援カード」が交付され、「マイレージ特典協力店」で提示するとさまざまな特典を受けることができる。
・とこわか県民健康news 企業や県民が主体的に健康づくりに取り組めるよう、健康づくりに関する情報や県が実施している取り組みなどを紹介するリーフレットを作成し、案内している。
・ヘルピー協働隊による健康情報の提供 「ヘルピー協働隊」とは、三重県の健康づくり総合計画「ヘルシーピープルみえ・21」を推進する目的で立ち上げられた、地域の団体や企業・グループなどによる有志の集まり。保健所が開催する各種研修会への参加や、健康に関する最新情報を提供するメールマガジン「ヘルピー協働隊通信」の配信などの活動を行っている。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。