茨城県水戸市赤塚1-1赤坂駅北口地区「ミオス」内
茨城県水戸市赤塚1丁目197-1
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茨城県は関東地方の北東に位置する県で、県庁所在地は水戸市です。水戸納豆を名産とする水戸市のほか、日立製作所の創業地として知られる日立市、市の全域が日本最大のサイエンスシティ「筑波研究学園都市」となっているつくば市などがあります。
2021年9月1日現在の人口は約284.0万人(推計人口)です。茨城県の人口は、47都道府県のうち11位(2021年1月1日時点)です。茨城県は2001年に人口のピークをむかえ、その後緩やかながら減少傾向にあります。なお、日本全体の人口ピークが2008年であることから(いずれも推計人口)、日本全体よりも早くから人口減少が進んでいることがわかります。国立社会保障・人口問題研究所によれば、茨城県の人口は現状のままでは2045年には約223.6万人に減少すると推計されています。
2021年1月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約84.6万人で、高齢化率は30.0%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、茨城県の高齢化は全国よりも進んでいると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における茨城県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
---|---|---|---|
男性 | 72.50歳(72.14歳) | 8.04年(8.84年) | 80.3歳(80.8歳) |
女性 | 75.52歳(74.79歳) | 10.72年(12.34年) | 86.3歳(87.0歳) |
2016年現在の茨城県の健康寿命は、男性72.50歳、女性75.52歳で、これは47都道府県のうち男性9位、女性8位です。全国平均と比較しても、男女ともに長いことがわかります。また「日常生活に制限のある期間の平均」においても男女ともに短く、とくに女性は全国平均より1.62年短い結果となっています。「第3次健康いばらき21プラン」では、「健康寿命日本一」を目標に掲げ、県民の健康づくりのための具体的な取り組みを記載しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、茨城県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
茨城県※2020年 | 悪性新生物(がん)27.1% | 心疾患14.8% | 老衰9.3% | 脳血管疾患8.9% | 肺炎6.9% |
日本全体※2020年 | 悪性新生物(がん)27.6% | 心疾患15.0% | 老衰9.6% | 脳血管疾患7.5% | 肺炎5.7% |
茨城県の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数では、1位から3位までの項目は日本全体を下回っていますが、4位の脳血管疾患、5位の肺炎は日本全体を上回っています。とくに脳血管疾患は1.4ポイント高く、「第3次健康いばらき21プラン」では脳血管疾患を含めた循環器疾患で亡くなる方の割合の高さが指摘されています。茨城県は、毎年9月を「循環器疾患予防月間」と定め、予防に関する情報を集中的に普及啓発しています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診、マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診、便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。茨城県の県庁所在地である水戸市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 21歳女性 | 子宮頸部細胞診およびHPV検査 |
乳がん | 41歳女性 | マンモグラフィ |
無料クーポン券配布対象者は、受診する際に「無料クーポン券」と「水戸市がん検診等受診券」の両方を提示する必要があります。
また、次の方も各がん検診を無料で受診することができます。 ・胃がん検診を受ける51歳の方 ・肺がん検診を受ける41歳の方 ・大腸がん検診を受ける41歳の方
がん検診の詳細は各市区町村ページをご参照ください。
・茨城県水戸市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の茨城県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 7.7% | 21.2% | 17.4% | 2.7% | 14.6% |
2016年度 | 8.4% | 14.4% | 10.8% | 16.3% | 8.8% |
2017年度 | 7.4% | 14.3% | 10.1% | 16.4% | 8.1% |
2018年度 | 6.8% | 14.3% | 9.8% | 16.4% | 8.1% |
2019年度 | 6.5% | 14.1% | 9.3% | 16.9% | 7.7% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
茨城県のがん検診受診率は、日本全体を下回っている検診がほとんどです。肺がん検診のみ、2015年度は6.2ポイント、2016年度以降も2.5〜3.0ポイント程度日本全体を上回っているものの、受診率は年々低下傾向にあります。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、茨城県では次のような取り組みを行っています。がん対策を一定の期間に集中して行う取り組みや肝炎ウイルス検査、女子大学生を対象とした子宮頸がんセミナーなどを実施しています。
・茨城県がん検診推進強化月間 茨城県では、10月を「茨城県がん検診推進強化月間」として、がん検診の推進、県民の参療の推進、がん対策の推進のための啓発活動を重点的に行っている。ポスター等啓発資材を配布するほか、関係機関と連携して講演会の開催やキャンペーンを実施。2021年は、参加者の中から抽選でプレゼントが当たるがん検診クイズを実施。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝炎ウイルスへの感染は、放置しておくと肝臓がんになるリスクが高まる。茨城県では、県内の各保健所で肝炎ウイルス検査を無料で実施している。
・肝炎治療費の助成 茨城県では、高額とされる肝炎の治療費を助成している。肝炎治療にかかる診察料、検査料、入院料、治療費などが対象であり、自己負担限度額20,000円(世帯の市町村民税課税年額が235,000円未満の場合は10,000円)を除いた患者負担額が全て助成される。
・大学での子宮頸がんセミナーの開催 子宮頸がん検診の20代女性の受診率が低い傾向にあることから、茨城県では県内の女子大学生を対象とした子宮頸がんセミナーを開催。セミナーでは、病院の産婦人科医師や子宮がんを経験された方を講師として、子宮頸がんの正しい知識の普及と検診の受診勧奨を呼びかけている。
茨城県では、市区町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。くわしくは各市区町村のWebサイトをご参照ください。例として、水戸市、日立市、土浦市での人間ドックの費用補助を紹介します。
●人間ドック、人間ドック婦人科検診つき、脳ドック(いずれか1つ) 【対象者】40歳以上の水戸市国民健康保険加入者、または水戸市内に住所を有する後期高齢者医療制度の加入者で、水戸市国民健康保険税または後期高齢者医療保険料を完納している世帯に属する方
【助成額】 検診費用(医療施設によって異なる)の5割 ※上限額は人間ドック21,000円、人間ドック+婦人科検診27,000円、脳ドック29,000円
【助成条件】 ・補助対象は、指定の医療施設のみ ・脳ドックの対象は、水戸市国民健康保険加入者(後期高齢者医療制度の加入者は対象外)であり、補助は2年に1度のみ
●人間ドック、脳ドック(いずれか) 【対象者】下記すべてを満たす。 ・日立市国民健康保険の資格があり、昨年度までの国民健康保険料を完納している40〜74歳の方 ・人間ドックを希望する場合は当該度特定健診を受診しない方 ・脳ドックを希望する場合は一昨年および昨年度に脳ドックの補助を受けていない方
【助成額】17,000円(一律)
●人間ドック(日帰り・宿泊)、脳ドック(いずれか) 【対象者】当該年度満40歳以上の土浦市国民健康保険の加入者で、国民健康保険税に滞納のない世帯に属する方。または、茨城県の後期高齢者医療制度の加入者で、後期高齢者医療保険料に滞納のない土浦市民の方。同年度内に医療機関検診および総合健診を受けていない方
【助成費用】20,000円(一律) ※昨年度に同世帯の全ての国保加入者が保険診療を受診していない場合、人間ドックの健診費用は40,000円を上限に全額助成
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち茨城県内の機能評価認定施設は2021年10月現在で4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
茨城県では、「健康寿命日本一」を目指すために、さまざまな取り組みを行っています。健康活動によりポイントが貯まり、抽選で景品が当たるアプリ「元気アっプ!リいばらき」や、減塩に関するイベントを開催する「いばらき美味しお(おいしお)Day」、茨城県内で指定されたウォーキングコース「いばらきヘルスコース」などがあります。
・健康活動アプリ「元気アっプ!リいばらき」の運用 県民の健康活動への取り組みの普及啓発を目的として開発されたスマートフォン用アプリ。アプリを通してウォーキングやランニング、健診受診などを行うとポイントが付与される仕組み。ポイントは、アプリ内で実施されるさまざまな景品の抽選イベントに使用できる。
・減塩の日「いばらき美味しお(おいしお)Day」 茨城県は、生活習慣病の要因のひとつである塩分摂取量が全国平均より多いことから、毎月20日を減塩の日「いばらき美味しお(おいしお)Day」と定めて、減塩に関するイベントを実施している。県内のスーパーでの減塩商品特設コーナーの設置や、減塩商品のポップの表示、県庁食堂カフェテリアでの適塩ランチの提供など、民間企業と連携し活動を行っている。
・いばらきヘルスロード 茨城県が指定したウォーキングコースで、2021年3月現在364コースが指定されている。ヘルスロードを活用したウォーキング教室の開催や、歩行距離などに応じてヘルスロードグッズが贈呈される「エンジョイウォーキング」などを実施している。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。