2016.12.15
人間ドック前日の食事

人間ドックの前日、食事は自由に食べていいのか?【人間ドック前日シリーズ Vol.2】

人間ドック前日の食事の摂り方とは?

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人間ドックは、食事や飲酒、運動、入浴などさまざまな項目に関して、前日から制限が必要になるケースがある。「人間ドック前日シリーズ」第2回は、人間ドック前日の食事について解説する。

食事は人間ドック前日に最も配慮すべき点だ。そもそも、食事を摂ってよいのか? 摂ってよい場合は何時までなら検査に影響が出ないのか? なんでも食べていいのか? など、人間ドック前日における食事の摂り方について紹介しよう。

人間ドック前日の食事は、21時までに!

人間ドック前日は、21時までに食事を摂るよう指示される。21時以降に時間に食事を摂取すると、胃や腸に消化中の食物が残留してしまう可能性が高まるためである。一般的な人間ドックでは、胃や腸の画像検査を実施するが、食物などが残留していると臓器の状態を観察しにくくなる。

ただし、これはあくまで人間ドックの開始時間が午前の場合であり、午後から検査が始まるのであれば、前日の21時以降に食事を摂っても構わないという指示が出ることもある。

食べるなら、消化によい食べものを

人間ドック前日の食事では、摂取する時間以外にも、食事の内容にも気を配る必要がある。例えば、脂身の多い肉を大量に摂取すれば消化に時間がかかり、体調や体質によっては、21時以前に摂取しても、検査時間までに消化しきれない可能性が出てくる。それだけでなく、血液中の脂質などの値も上昇する可能性が高い。

また、食物を消化する際には消化管のみならず、遠隔の臓器からも消化に関与する酵素などが産生される。これらが血中に流れることによって、血液検査に悪影響を及ぼすことも考えられる。そういったことから、人間ドック前日の食事は、できるだけ消化によい食べものを摂取することが望ましい。

食事を極端に制限する必要はない

ここまでの流れでは、人間ドック前日は21時までに食事を済ませ、なおかつできる限り消化によいものを摂るのが望ましいということになる。すると、前日の21時以前であっても水やスープだけ摂取するなど、極端に食事を制限する人も出てくるが、極端な制限は必要ない。

もちろん、人間ドック前日に水やスープのみを口にしておけば、画像検査や血液検査に与える影響は非常に小さくなる。ただ、そうすると体調が悪くなったり、普段の消化管機能とは異なる動きが見られたりすることもあるため、人間ドック前日の食事は、

  • 21時までに摂取する
  • 普段通りの重すぎない食事を摂る

の2点を考慮すれば十分といえる。

安里 満信(あさと みつのぶ)
この記事の監修ドクター
あさと医院 院長
医学博士、日本救急医学会専門医

Colorda編集部