2017.3.16
マンモグラフィーとエコー

マンモグラフィーとエコー、どっちを受けるべき? 【初めての乳がん検査 Vol.4】

有効性が証明されているのはマンモグラフィー

乳がん検査の代名詞であるマンモグラフィーとエコー(乳腺超音波検査)。それぞれ違う特色があり、乳がん発見に対する有効性も異なる。初めての乳がん検査シリーズ第4回は、女性の部位別がん罹患数ナンバー1の乳がんを早期発見するために受診したい、マンモグラフィーと乳腺超音波検査(エコー検査)の違いや、受けるべき人の特徴について詳しく解説する。

自治体が実施する乳がん検診は、マンモグラフィーが推奨されており、乳腺超音波検査が実施されることはほぼない。なぜなら、乳がんにおける乳腺超音波検査の診断基準が統一されていないからだ。現時点では、マンモグラフィーのほうが有効性を評価されている。しかし、マンモグラフィーと乳腺超音波検査とでは、検出しやすい病変に違いがあり、どちらが優れているとは簡単にはいえない。

マンモグラフィーについては、「乳がんを調べるマンモグラフィーとは?【初めての乳がん検査 Vol.2】」、乳腺超音波検査については、「乳がんを調べるエコー検査とは?【初めての乳がん検査 Vol.3】」をチェックしてほしい。

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マンモグラフィーは乳がんの早期発見に寄与

マンモグラフィーは、乳房にエックス線を当てる検査で、乳がん検診でも広く行われている。がんの疑いがある微細な石灰化物も検出できるため、乳がんの早期発見に大きく寄与する。レントゲンと同じ原理で、石灰化物は白く映る。

ただし、乳腺が発達ている10~30代の場合、乳腺が白く映りこんでしまうため、判別がしにくくなる場合がある。また、検査には低線量ながら放射線被曝を伴う。乳房を圧迫して検査するため、痛みを感じることもある。

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エコーは40歳以下に有効

乳腺超音波検査は、乳房に超音波を当てることで、リアルタイムで腫瘤(しゅりゅう)などの病変を検出する検査だ。マンモグラフィーとは異なり、検査に伴う放射線被曝はなく、痛みもほぼない。そのため、妊娠中も検査を受けることができるのも特徴だ。

エコーは、ごく細い糸上の構造をした線維性の組織を黒く映し出す性質があるため、がん組織がある場合、その形が黒く浮かびあがる。乳腺の影響を受けにくく診断できるため、乳腺組織が発達した40歳以下は受けたい検査だ。その一方で、乳腺の石灰化物を描画するのは不得意である。

このように、マンモグラフィーとエコーとでは、検出しやすい病変が異なるだけでなく、検査に適した年代も異なる。特性を踏まえたうえで、どちらの検査を優先的に受けるかを決めてみてもよいだろう。40歳以上は、自治体が実施している乳がん検診の対象なので、利用してみてほしい。

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山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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