「いつまでも若々しく、健康でありたい」という願い。
実は昨今、アンチエイジング研究が進み、
その願いを叶える夢のようなメソッドが続々と明らかになってきている。
今回は、運動に注目。働き盛り、忙しい毎日を過ごしている人にこそ知ってほしい、
老けない、ボケない、病気にならない...そんな運動法を紹介する。

2016.10.6

認知症を予防する食事、運動、脳トレ方法が判明!?

認知症は生活習慣の改善で予防できることが判明

Man doing fitness test on exercise bike at the medical centre
認知症が生活習慣の改善により予防可能であることが示されて以来、各国でさまざまな認知症予防プログラムが試されている。そんななか、フィンランドの国立衛生研究所とスウェーデンのカロリンスカ研究所の共同研究が注目を集めている。

研究グループは、フィンランド高齢者認知機能障害身体障害者予防介入研究(GINGER)に参加した60〜77歳のフィンランド人高齢者1260名を介入群と対照群の2群に分けた。介入群には2年以上にわたり、定期的に医師、看護師、理学療法士、作業療法士による食事、運動、脳トレ介入を行った。一方、対照群には一般的な健康アドバイスのみを与えた。

2年後、参加者の認知機能が標準的検査(NTB)によって評価された結果、全体スコアは、介入群が対照群に比べて25%高いスコアを示した。研究を総括したキヴィペルト教授は認知機能のなかでも、処理速度は150%アップ、実行機能は83%アップしたが記憶スコアは有意の上昇を認めなかった点を強調する。つまり記憶力を維持するためには、更なるプログラムの改善を必要とするが、今回の試験で認知症予防の有効性は実証されたと考えられる。

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認知症を予防する食事、運動、脳トレはコレだ!

今回の食事指導では、タンパク質10〜20%、脂質25〜35%、炭水化物45〜55%(砂糖10%以下)、オメガ3脂肪酸2.5〜3g/日、食物繊維25〜35g/日、塩分5g/日以下、アルコールは総カロリーの5%以下で実施された。

一方、運動プログラムでは、理学療法士により週に1〜3回の筋トレと週に2〜5回の有酸素運動とバランス訓練が指導された。脳トレセッションではコンピュターを使った1回10〜15分の脳トレセッションを週に3回、6ヶ月間で72回のセッションを2回繰り返した。それに加え、参加者は介入期間中に積極的に社会活動プログラムに参加するように指導された。日本でも本格的な認知症予防プログラムの実証研究が必要だろう。


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Colorda編集部