香川県高松市郷東町134-1西高松メディカビルイーア2階
香川県高松市高松町2310-2
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高松市は香川県の県庁所在地で、1890年に全国40番目の市として誕生しました。大正昭和平成を通じて8回にわたる合併により市域を広げ、2005年に塩江町が、2006年に牟礼町、庵治町、香川町、香南町及び国分寺町が合併し、現在の高松市となりました。古くから四国の中枢管理都市として発展してきましたが、1999年には中核市に移行しています。中核市とは地方自治法にもとづき、政令によって指定される人口20万人以上の市を指します。2021年現在、62市が指定されています。
2021年9月現在の人口は約42.5万人(住民基本台帳による)です。国勢調査および国勢調査をもとにした推計人口によれば、高松市の人口は2015年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、香川県全体のピークは1999年です(いずれも推計人口)。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、高松市の人口は現状のままでは2035年には約39.9万人に減少すると推計されています。2021年4月現在における65歳以上の高齢者人口は約11.9万人で、高齢化率は28.1%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、高松市の高齢化率は全国よりもやや低いと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、高松市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2010年 | 2015年 | 増減 | 2010年 | 2015年 | 増減 | |
平均寿命 | 80.10歳(79.64歳) | 81.3歳 | +1.2 | 86.15歳(86.39歳) | 87.3歳 | +1.15 |
健康寿命 | 78.30歳(70.42歳) | 79.58歳 | +1.28 | 82.42歳(73.62歳) | 83.47歳 | +1.05 |
不健康である期間 | 1.79歳(9.22歳) | 1.72歳 | -0.05 | 3.73歳(12.77歳) | 3.83歳 | +0.1 |
2015年現在の健康寿命は、男性79.58歳、女性83.47歳です。2010年時点では、全国平均と比較すると、男女とも健康寿命が長いため、不健康である期間が短くなっています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、高松市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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高松市※2017年 | 悪性新生物(がん)25.7% | 心疾患17.6% | 脳血管疾患8.1% | 老衰7.9% | 肺炎3.7% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
高松市の死因順位は日本全体と一部異なるものの、ポイント数で見ると生活習慣病が全体の5割を占める傾向については全国と同様です。また、5位の肺炎のポイント数が日本全体よりも少なく、3.2ポイント低い数値になっています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
高松市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、高松市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 【集団】問診、胃部X線間接検査(バリウム)【個別】問診、胃部X線間接検査(バリウム)または胃内視鏡検査※同一年度の集団・個別の重複受診は不可 | 【集団】40歳以上の方【個別】50~69歳で偶数年齢の方 | 【集団】年1回【個別】2年に1回 | 【集団】バリウム1,400円【個別】バリウム3,600円、胃内視鏡4,200円 |
子宮頸がん | 問診、視診、子宮頸部細胞診、内診 | 20歳以上で偶数年齢の女性 | 2年に1回 | 2,200円※個別のみ |
結核・肺がん | 胸部X線間接検査、(必要な方は)喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 | 無料※集団のみ※喀痰検査は800円 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ(乳房X線撮影) | 40歳以上で偶数年齢の女性 | 2年に1回 | 40歳代2,500、50歳以上2,000円※個別のみ |
大腸がん | 問診、免疫便潜血検査2日法 | 40歳以上 | 年1回 | 500円※個別のみ |
前立腺がん | 問診、血液検査 | 50歳以上男性 | 年1回 | 70歳未満 1,200円、70歳以上600円※個別のみ |
高松市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。指針にはない前立腺がん検診を運用しているのが特長です。
高松市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 20歳の女性 | 問診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | 乳房X線写真(マンモグラフィ) |
また、下記いずれかに該当する方は受診費が減額または無料になります。 ・市民税非課税世帯に属する方 ・後期高齢者医療制度に加入している方 ・生活保護法による保護を受けている方 ・中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている方
下記は、高松市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 9.5% | 48.3% | 20.4% | 48.2% | 38.3% |
2016年度 | 5.3% | 17.6% | 6.1% | 20.6% | 10.3% |
2017年度 | 5.9% | 17.4% | 5.7% | 20.6% | 9.7% |
2018年度 | 6.0% | 17.5% | 5.4% | 20.9% | 8.7% |
2019年度 | 5.9% | 18.1% | 4.8% | 21.6% | 8.4% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
高松市のがん検診受診率は、2015年度までは日本全体をすべて上回っていましたが、胃がん・肺がん検診については、2016年度以降は全国の受診率を下回ってしまいました。子宮頸がん・乳がん・大腸がん検診は日本全体の受診率を上回っていますが、日本全体と同様、年々低下する傾向にあります。
とくに受診率が大きく低下したのは2016年度以降の子宮頸がん検診と乳がん検診です。2015年度には半数近くが受診していましたが、2016年度には2割程度まで大きく落ち込みました。2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
高松市では、がん検診受診率の向上を総合計画のなかで成果指標として位置づけ、2016年の受診率24.9%を大幅に上回る50%を2023年度までに実現することを目指しています。がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、高松市では次のような取り組みを行っています。
・かがわマンモグラフィサンデー 県との連携により、乳がん月間である10月に、休日の検診を実施。検診車では、乳がんと子宮頸がんの検診を同時受診することも可能。事前申込制で、受診費は高松市実施のがん検診と異なるため、要確認。
・乳がん・子宮頸がんでの女性医師・女性技師による対応 乳がん検診・子宮頸がん検診では、女性医師や女性技師が対応する日程を設け、お知らせに明示。
・精密検査の重要性に関する啓発 精密検査の必要性について周知するため、はがき等による再勧奨を実施。がん検診のお知らせ内でも、保険診療であること、がんではないことも多いことを明示。
・肝炎ウイルス検診の実施 B型及びC型ウイルスはおもに血液を介して感染する病気で、自覚症状のないことが多く、気づかないうちに病気が進行し、肝臓がんにつながる可能性がある。高松市では、高松市に住民票がある40歳以上の検査希望者は無料で検査を受けることができる。
高松市では、高松市在住の国民健康保険被保険者および後期高齢者医療被保険者を対象に、人間ドック・脳ドック・歯科ドックの費用の一部が助成されます。
高松市の人間ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 高松市在住の国民健康保険被保険者(35歳以上75歳未満)および後期高齢者医療被保険者(75歳以上)
【助成額】
検査項目 | 助成額(円) |
---|---|
1日コース | 10,000 |
1泊2日コース | 16,000 |
助成対象となるには、いくつかの条件があります。 ・申請後、市の指定医療機関にて実施 ・「1日コース」と「1泊2日コース」のいずれか1回 ・同一年度内に「特定健康診査」「後期高齢者医療健康診査」「40歳未満の被保険者の健康診査」「脳ドック」を受診した場合は助成対象外
高松市の脳ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 高松市在住の国民健康保険被保険者(40歳以上75歳未満)および後期高齢者医療被保険者(75歳以上)
【助成額】
検査項目 | 助成額(円) |
---|---|
脳ドック | 13,000 |
簡易脳ドック | 7,000 |
助成対象となるには、いくつかの条件があります。 ・申請後、市の指定医療機関にて実施 ・「脳ドック」と「簡易脳ドック」のいずれか1回 ・「人間ドック」を受診した場合は助成対象外 ・「脳ドック」は同一年度内に「特定健康診査」「後期高齢者医療健康診査」「40歳未満の被保険者の健康診査」を受診した場合は助成対象外
高松市の歯科ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 高松市在住の国民健康保険被保険者(40歳以上75歳未満)および後期高齢者医療被保険者(75歳以上)
【助成額】
項目 | 検査内容 | 助成額(円) | 自己負担額(円) |
---|---|---|---|
標準コース | 問診、歯周病基本検査、唾液検査、口腔衛生指導 | 2,600 | 2,400 |
精密コース | 問診、歯周病基本検査、唾液検査、口腔衛生指導、パノラマX線撮影、フッ素塗布 | 5.200 | 4,800 |
助成対象となるには、いくつかの条件があります。 ・申請後、市の指定医療機関にて実施 ・「精密コース」と「標準コース」のいずれか1回 ・市が行う「成人歯科検査」または香川県後期高齢者医療広域連合が行う「歯科健康診査」との重複受診は不可
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち高松市内の機能評価認定施設は2021年9月時点で4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
・のびのび元気体操 2008年につくられた、高齢者の健康づくりのための、高松市オリジナルの体操。安全に運動できるように考えられている。2017年には「お口の体操」も追加された。「元気を広げる人」による普及活動のほか、体操を収録したDVD1,000枚の限定無料配布や地域図書館での貸し出しも行われている。
・瀬戸の都・高松が誇るビジネスアワード〜健幸経営企業表彰〜 市内の企業を対象に、健康づくりに積極的に取り組む企業を表彰する制度。これまでには年間目標の設定やポイントプログラム、フィットネスの利用補助等で社員の健康づくりを支援する企業やコロナウィルス感染対策やがん検診への取り組みを行った企業が表彰されている。
・ヘルシーたかまつ協力店 栄養成分表示やポスター掲示等、市が定める9条件のうち2条件以上を満たした企業に登録証を交付。特に、健康に配慮したランチメニューを提供する「三つ星ヘルシーランチ店」や、企業協賛を得て実施するスタンプラリーなど、登録制度を活用した仕組みもある。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。