三重県津市観音寺町字東浦446-30
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津市は三重県の県庁所在地で、2006年に久居市、河芸町、芸濃町、美里村、安濃町、香良洲町、一志町、白山町、美杉村の9市町村と合併し、現在の津市になりました。
2021年9月現在の人口は約27.5万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、津市の人口は2005年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、三重県全体のピークは2007年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約22.7万人に減少すると推計されています。
2021年9月現在における津市の65歳以上の高齢者人口は約8.2万人で、高齢化率は29.7%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、津市の高齢化は全国よりも進んでいると言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、津市の平均寿命と健康寿命、およびその差である障害期間を示した表です(カッコ内は三重県平均)。津市の健康寿命は、厚生労働省の算出方法と異なり、三重県独自の算出方法に基づいています。障害期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2015年 | 2019年 | 増減 | 2015年 | 2019年 | 増減 | |
平均寿命 | 80.8歳(80.8歳) | 82.1歳(81.7歳) | +1.3(+0.9) | 87.6歳(87.0歳) | 87.8歳(88.0歳) | +0.2(+1.0) |
健康寿命 | 77.6歳(77.9歳) | 78.7歳(78.8歳) | +1.1(+0.9) | 80.4歳(80.7歳) | 80.8歳(81.5歳) | +0.4(+0.8) |
障害期間 | 3.2歳(2.9歳) | 3.4歳(2.9歳) | +0.2(±0) | 7.2歳(6.3歳) | 7.0歳(6.5歳) | -0.2(+0.2) |
2019年現在の津市の健康寿命は、男性78.7歳、女性80.8歳です。2015年と比較すると男性は1.1年伸長していますが、障害期間も0.2年伸びています。一方で女性の健康寿命は0.4年伸長し、障害期間は0.2年短縮されています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、津市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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津市※2019年 | 悪性新生物(がん)24.1% | 心疾患14.6% | 老衰9.9% | 脳血管疾患8.5% | 肺炎7.1% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
津市の死因順位は日本全体と同じです。がんの割合が日本全体より3.2ポイントも下回っている点が特徴的です。後述するがん検診受診率の高さから、津市民のがん予防への意識は高いと考えられ、結果的にがんによる死亡割合の低さにつながっていると考えられます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
津市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、津市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
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胃がん | 胃部X線(バリウム)または胃内視鏡(胃カメラ) | ・バリウム:40歳以上・胃カメラ:50歳以上の偶数年齢 | ・バリウム:年1回・胃カメラ:2年に1回 | ●バリウム・集団:1,000円・個別:3,500円●胃カメラ・集団:3,000円・個別:4,800円 |
子宮がん | 子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診※子宮体部細胞診は医師の判断によって実施 | 20歳以上女性 | 年1回 | ●子宮頸部・集団:1,000円・個別:1,900円●子宮頸部+子宮体部・個別:2,900円 |
肺がん | 胸部X線、喀痰細胞診※喀痰細胞診は50歳以上で医師の判断によって実施 | 40歳以上 | 年1回 | ●胸部X線・集団:500円・個別:800円●胸部X線+喀痰細胞診・集団:1,200円・個別:2,000円 |
乳がん | 乳腺超音波検査(エコー)またはマンモグラフィ | ・エコー30~39歳女性、41~59歳奇数年齢女性・マンモグラフィ40~60歳の偶数年齢女性、61歳以上の前年度未受診女性 | ・30~60歳:年1回・61歳以上:2年に1回 | ●エコー・集団:1,000円・個別:1,600円●マンモグラフィ・集団:1,500円・個別:2,100円 |
大腸がん | 免疫便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | ・集団:500円・個別:1,000円 |
前立腺がん | 血液検査(PSA) | 55・60・65・70・75歳の男性 | 5年に1回 | ・集団:600円・個別:1,000円 |
津市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。乳がん検診は指針よりも10歳若い30歳から実施しており、60歳まで毎年受診できます。さらに指針にはない前立腺がん検診を実施しているのが特長です。
津市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 20歳の女性 | 子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診※子宮体部細胞診は医師の判断によって実施 |
乳がん | 40歳の女性 | マンモグラフィ |
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・生活保護受給世帯 ・市民税非課税世帯
そのほか、津市国民健康保険加入者や75歳以上の方はがん検診の費用が一部免除されます。詳しくは津市サイトで確認してください。
下記は、津市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 3.4% | - | 12.6% | 22.9% | 13.4% |
2016年度 | 13.8% | - | 11.7% | 22.1% | 11.8% |
2017年度 | 16.5% | 25.7% | 11.2% | 21.1% | 11.3% |
2018年度 | 15.9% | 20.8% | 10.5% | 20.7% | 10.8% |
2019年度 | 14.3% | 21.6% | 10.0% | 20.5% | 10.3% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
津市のがん検診受診率は、すべての検診で日本全体を上回っています。しかしながら、全検診とも年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、津市では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検診の実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。津市では40歳、もしくは過去に肝炎ウイルス検診を受けたことのない人を対象に肝炎ウイルス検診を実施。受診費は集団700円、個別1,200円。なお、40~75歳の5歳刻み年齢の人は受診費無料。
・津市ピンクリボン 乳がんの早期検診と早期発見を呼びかける10月のピンクリボン月間にちなんで、津市オリジナルのシンボルマークを作成。チラシなどに活用し、がん検診の受診を呼びかけている。
津市では、人間ドックの補助や助成は行っていません。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち津市内の機能評価認定施設は2021年10月現在で1施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
津市は、「津市第3次健康づくり計画」で、「食生活・栄養」「運動」「たばこ」「生活習慣病・がん」など10の分野ごとに健康づくりのための取り組みを行っています。
・津市健康マイレージ事業 各種検診や健康づくりを促進するための取り組み。がん検診、健康診査、人間ドック、歯科健康診査などを受けると10ポイント、自分で立てた健康づくりの目標を続けると1日1ポイントを受け取ることができる。20ポイントを貯めて市に申請すると、三重県内の協力店舗で特典を受けられる「三重とこわか健康応援カード」が進呈されるほか、抽選で津市の特産品が当たる。
・ちょい歩きマップ(ウォーキングマップ)の制作 ウォーキングを始めようとしている市民に向けて、津市の歴史や街並みを楽しみながら健康づくりができるウォーキングマップ「ちょい歩きマップ」を制作。1キロメートル未満から4キロメートルまでの16コースを設けている。
・若年層対象の健康診査 19歳から39歳までの若年層の市民を対象とした健康診査。問診、身体測定、診察、血圧測定、尿検査、血液検査、心電図検査が行われる。自己負担金は1,600円(津市国民健康保険加入者は500円)。
・歯周病検診 30歳、40歳、50歳、60歳、70歳の市民を対象に、歯周病検診を無料で実施している。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。