和歌山県和歌山市堀止南ノ丁4-31
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和歌山県和歌山市小松原通4-20日本赤十字社 和歌山医療センター
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和歌山県は近畿地方に属する県で、紀伊半島の南西に位置しています。県庁所在地は和歌山市です。海や川、山といった自然資源に恵まれており、なかでも世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれる熊野古道は、パワースポットとしても知られています。また、みかんや梅の産地としても知られ、梅の収穫量は全国の約58%を占めています。
2021年10月1日現在の人口は約91.4万人(推計人口)です。和歌山県の人口は、47都道府県のうち40位(2021年1月1日現在)です。「和歌山県長期人口ビジョン(平成27年6月)」によると、和歌山県の人口は1985年の108.7万人をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年です(推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、現状のままでは和歌山県の人口は2045年には約68.8万人に減少するとされています。
2021年1月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約31.0万人で、高齢化率は32.8%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、和歌山県の高齢化率は全国平均を上回っていると言えます。また、多くの地方自治体と同様に、総人口は減少している一方で高齢者の人口は増加しており、今後さらに高齢化が進んでいくことが予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における和歌山県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
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男性 | 71.36歳(72.14歳) | 8.58年(8.84年) | 79.9歳(80.8歳) |
女性 | 74.42歳(74.79歳) | 11.87年(12.34年) | 86.5歳(87.0歳) |
2016年現在の和歌山県の健康寿命は、男性71.36歳、女性74.42歳で、これは47都道府県のうち男性43位、女性37位です。男女ともに全国平均を下回っており、とくに男性は下位に位置しています。一方で、「日常生活に制限のある期間の平均」は男性0.26年、女性0.47年全国平均を下回っています。「わかやま長寿プラン2021」では、介護予防と生きがいづくりの充実により、健康寿命を2023年度末までに男性74歳、女性77歳、2026年度末までに男性75歳、女性78歳にすることを目標として掲げています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、和歌山県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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和歌山県※2019年 | 悪性新生物(がん)25.7% | 心疾患17.7% | 老衰10.6% | 肺炎7.8% | 脳血管疾患6.2% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
和歌山県の死因順位をみると、1位から3位までは日本全体と同じですが、4位が肺炎、5位が脳血管疾患となっています。生活習慣病の三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)の割合は、日本全体が50.0%であるのに対し、和歌山県では49.6%と、ほぼ同水準です。死因の第1位は日本全体と同じく悪性新生物(がん)ですが、その割合は日本全体に比べて1.6ポイント下回っています。一方で老衰の割合は日本全国を1.8ポイント上回っており、高齢化の影響が伺えます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
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胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。和歌山県の県庁所在地である和歌山市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 20歳女性 | 問診、視診、内診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳女性 | 問診、マンモグラフィ |
無料クーポン券配布対象者が、クーポン券が届く前に「和歌山市の検診」を受診した場合、医療機関へ支払った自己負担金が返金されます。
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・生活保護受給世帯 ・市民税非課税世帯 ・重度心身障害児者医療費助成を受けている方 ・後期高齢者医療保険区分「1」あるいは「2」の方 ・和歌山県国民健康保険区分「オ」「低所得1」「低所得2」の方
がん検診の詳細は各市区町村ページをご参照ください。
和歌山県和歌山市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の和歌山県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 5.0% | 23.3% | 11.4% | 21.9% | 12.6% |
2016年度 | 11.4% | 21.5% | 10.4% | 21.5% | 10.4% |
2017年度 | 11.5% | 20.9% | 9.9% | 20.6% | 10.1% |
2018年度 | 12.8% | 20.6% | 9.7% | 20.2% | 9.8% |
2019年度 | 12.6% | 19.9% | 9.3% | 19.7% | 9.5% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
和歌山県のがん検診受診率は、2016年度以降全検診において日本全体を上回っています。なかでも子宮頸がん検診、乳がん検診の受診率はおおむね20%前後で推移しています。しかし、全検診とも年々受診率は低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、和歌山県では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝臓がんとの高い関連性が示されているB型・C型肝炎ウイルスの検査を県内の保健所や協力医療施設にて実施。対象者は和歌山県に住所があり(和歌山市在住の方は和歌山市の検査を利用)、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方。費用は無料。
・ピロリ菌検査を行う自治体への補助 ヘリコバクター・ピロリ菌は胃がんなどの発生原因のひとつであり、感染が確認された場合、除菌を行うことで胃がんなどのリスクを低減できる。和歌山県では県内の40・45・50歳を対象としたピロリ菌検査を実施する自治体に対し、補助を行っている。
・がん検診啓発漫画やセルフチェックリーフレットの作成 がん検診受診率の向上やがん予防に関する啓発活動の一環として、啓発漫画やセルフチェックリーフレットを作成・配布している。
和歌山県では、市区町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。くわしくは各市区町村のWebサイトをご参照ください。例として、和歌山市、田辺氏、橋本市の人間ドック費用補助・助成を紹介します。
●人間ドック 【対象者】 ・和歌山市在住の40~74歳の国民健康保険被保険者 ・和歌山市在住の75歳以上で当該年度内に偶数年齢になる後期高齢者医療保険被保険者
【助成額(いずれも上限)】 国民健康保険被保険者:22,400円 後期高齢者医療保険被保険者:12,940円
【助成条件】 国民健康保険被保険者:同一年度内の特定健康診査との重複受診は不可 後期高齢者医療保険被保険者:特定健康診査(無料)と人間ドックを同時に受診すること
●人間ドック 【対象者】 ・16歳以上の田辺市国民健康保険被保険者 ・加入保険者による人間ドックまたはそれに準ずる健診を受けることができない40歳以上の市民 ・後期高齢者医療保険被保険者 【自己負担額】 5,650円(実費の15%相当) 【補助条件】 ・申請には、健康保険証のほか、未使用の田辺市各種検診受診券および加入保険者発行の特定健康診査受診券が必要 ・受診は提携医療機関のみ
●脳検査(頭部MRI・MRA検査のみ) 【対象者】 市内在住で同一年度内の特定健康診査または国民健康保険の人間ドック受診者 【自己負担額】 3,450円(実費の15%相当)
●脳ドック、脳検査つき人間ドック 【対象者】 市内在住の後期高齢者医療保険被保険者 【自己負担額】 脳ドック:4,860円 脳検査つき人間ドック:9,100円 【補助条件】 ・同一年度内に補助を受けられるのは、人間ドック、脳ドック、脳検査つき人間ドックのいずれかひとつ ・和歌山県後期高齢者医療広域連合の健康診査との重複受診は不可
●脳ドック 【対象者】 40~74歳の橋本市国民健康保険被保険者もしくは橋本市の保険者番号を持つ和歌山県後期高齢者医療被保険者 【自己負担額】 10,000円 【助成条件】 ・各保険料を申請時に完納していること ・同一年度内の特定健康診査(国保被保険者)もしくは和歌山県後期高齢者医療健康診査(後期高齢者医療被保険者)との重複受診は不可 ・前年度および前々年度に脳ドックを受診していないこと
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち和歌山県内の機能評価認定施設は2021年10月現在で1施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
和歌山県では、生涯にわたり健康を維持して暮らすことができるよう、県民一人ひとりが健康長寿の3原則(運動・社会参加・食事)を実践することで、「健康長寿日本一わかやま」を目指しています。この目標に到達するため、県ではさまざまな取り組みが行われています。
・わかやま健康ポイント事業 専用のアプリなどを通して健康ポイントをためられるポイント事業。個人や自治会、グループなどで申し込みが可能で、獲得した健康ポイントに応じてランキングが公開されるほか、一定のポイントをためるとプレゼントの抽選に応募できるキャンペーンも実施している。
・健康教育教材冊子「わかやま健康ものがたり」 健康寿命の延伸を目指すには幼少期からの意識づけや教育が重要であるとし、子ども向けの健康教育教材冊子「わかやま健康ものがたり」を作成。小・中・高校生向け、乳幼児の保護者向けの4種類が用意されており、いずれも漫画などを織り交ぜながらわかりやすい内容となっている。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。