静岡県富士市永田町2丁目62番地
静岡県静岡県焼津市小川新町5-2-3
静岡県浜松市北区三方原町892-1
静岡県三島市幸原町2丁目3番1号
静岡県函南町仁田楠台777-4
静岡県静岡市駿河区小鹿1-1-1
静岡県焼津市大覚寺2-30-1
静岡県駿東郡長泉町本宿411-5
静岡県湖西市鷲津2259-1
静岡県静岡市清水区桜ヶ丘町5番25号
静岡県磐田市中泉御殿703番
静岡県沼津市下香貫石原1282-2
静岡県浜松市浜北区平口5000浜松ホトニクス中央研究所内
静岡県静岡市駿河区下河原南11-1
静岡県浜松市西区入野町19954-550
静岡県富士宮市杉田270-12
静岡県浜松市東区小池町1790
静岡県浜松市東区神立町570
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浜松市は東京と大阪のほぼ中央に位置し、陸路と空路に恵まれ、古くからものづくりが盛んなまちとして発展してきました。静岡県の県庁所在地は静岡市ですが、人口や面積では浜松市が県内最大です。2005年7月1日に浜松市、浜北市、天竜市、舞阪町、雄踏町、細江町、引佐町、三ヶ日町、春野町、佐久間町、水窪町、龍山村の12市町村が合併し、天竜川や浜名湖などの豊かな自然と都市部が共存する新「浜松市」が誕生しました。その後、2007年に政令指定都市へ移行しました。政令指定都市とは、地方自治法にもとづき政令によって指定される、人口50万人以上の市を指します。2021年現在、20市が指定されています。
2021年9月1日時点の浜松市の人口は約79.7万人(住民基本台帳による)です。国勢調査をもとにした推計人口によれば、浜松市の人口は2008年をピークにその後はゆるやかな減少傾向なっています。なお、日本全体のピークは2008年、静岡県全体のピークは2007年です(いずれも推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年の浜松市の人口は約70.4万人に減少すると推計されています。
2021年4月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約22.3万人で、高齢化率は約27.9%です(住民基本台帳による)。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、浜松市の高齢化率は全国よりもやや低いと言えます。しかし傾向としては多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、浜松市の平均寿命と健康寿命、およびその差です(カッコ内は全国平均)。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
平均寿命※2015年 | 健康寿命※2016年 | 不健康である期間 | |
---|---|---|---|
男性 | 81.6歳(80.8歳) | 73.19歳(72.14歳) | 8.41年(8.66年) |
女性 | 87.6歳(87.0歳) | 76.19歳(74.79歳) | 11.41年(12.21年) |
2016年現在の浜松市の健康寿命は男性73.19歳、女性76.19歳で、これは政令指定都市20市のなかで男女ともに1位です。2010年、2013年に引き続き3期連続で健康寿命日本一の都市となっています。「浜松市総合計画」では、2024年度の健康寿命の目標値を男性73.98歳、女性76.94歳と明記しています。
また、浜松市健康増進計画「健康はままつ21」では、健康づくりに取り組んでいる人の割合という目標が設定されています。2017年度の中間評価では目標値40.0%に対して、2016年度時点の現状値は40.8%と達成されており好調です。最終目標値45.0%を目指し、誰もが取り組める多種多様な健康づくりを推進しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、浜松市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
浜松市※2019年 | 悪性新生物(がん)23.7% | 老衰14.5% | 心疾患14.5% | 脳血管疾患14.1% | 肺炎4.8% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
浜松市の死因上位5つの項目は日本全体と同じですが、順位に違いがあります。最も特徴的なのは、老衰と脳血管疾患の割合が日本全体と比較してそれぞれ約6ポイントも大きく上回っていることです。老衰について、厚生労働省の死亡診断書記入マニュアルでは「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死」と定義されていることから、老衰による死因割合が高い理由は浜松市の健康寿命の高さゆえと捉えることができます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
浜松市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、浜松市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
---|---|---|---|---|
胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ) | 35歳以上 | 年1回 | 3,100円 |
子宮頸がん | 問診、子宮頸部細胞診 | 20歳以上女性 | 年1回 | 1,700円 |
肺がん | 問診、胸部X線検査※問診の結果、必要な方のみ喀痰細胞診を実施 | 40歳以上※65歳以上は結核検診(喀痰細胞診)あり | 年1回 | 500円※痰細胞診実施の場合は別途1,000円を自己負担 |
乳がん | 問診、マンモグラフィ、視触診※マンモグラフィのみの検診も可 | 40歳以上で偶数年齢になる女性 | 2年に1回 | 1,600円 |
大腸がん | 問診、便潜血反応検査(2日法) | 40歳以上 | 年1回 | 300円 |
前立腺がん | 問診、PSA検査(血液検査) | 50歳以上男性 | 年1回 | 900円 |
浜松市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っていますが、胃がん検診の対象年齢は指針よりも早い35歳からです。また、指針にはない前立腺がん検診を実施しています。
浜松市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 20歳の女性 | 問診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 40歳の女性 | 問診、マンモグラフィ、(視触診) |
無料クーポン券が届く前に浜松市のがん検診受診券を使用して子宮頸がん・乳がん検診を受診した場合、医療機関で支払った自己負担金が払い戻しされます。自己負担金は子宮頸がん検診1,700円、乳がん検診1,600円です。ただし、全額実費で受診した方、会社の助成制度を利用して受診した方、健康保険証を使用して受診した方は払い戻しができません。
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・70歳以上の方 ・後期高齢者医療保険証を持っている方 ・生活保護受給世帯の方※ ・市民税非課税世帯の方※ ※医療施設を受診する前に無料受診券を発行してもらう必要あり
下記は、浜松市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 3.5% | 17.0% | 10.7% | 19.5% | 11.6% |
2016年度 | 10.1% | 13.6% | 10.1% | 16.0% | 9.8% |
2017年度 | 11.9% | 12.8% | 9.5% | 14.3% | 9.2% |
2018年度 | 11.4% | 12.6% | 9.0% | 14.0% | 8.6% |
2019年度 | 11.0% | 12.8% | 8.7% | 14.2% | 8.4% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
2019年度の浜松市のがん検診受診率は、胃がん・肺がん・大腸がん検診は日本全体の平均を上回っている一方で、子宮頸がん・乳がん検診といった女性特有の病気を対象にしたがん検診は受診率が低いです。浜松市と日本全体の近年の傾向として、自治体主導のがん検診受診率はほぼ横ばいで伸び悩んでいます。
過去の推移を見ると、受診率の低下が顕著なのは2016年度以降の大腸がん検診、子宮頸がん検診および乳がん検診です。また、2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これらが無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
浜松市では、がん検診の受診率向上やがん予防に向けて次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検診の無料受診券の配布 肝炎ウイルス検診の受診促進と正しい健康意識の普及啓発を目的として、対象となる市民へ無料受診券を送付。検診では問診、B型・C型肝炎検査(血液検査)が受けられる。対象は当該年度で浜松市に住民登録をしている40~65歳の5歳刻み年齢の方(対象年齢であっても過去に肝炎ウイルス検診受けた方は除く)。
・浜松市がん検診公式LINEアカウントの設置 がん検診の受診促進と正しい健康意識の普及啓発を目指し、市の健康福祉部健康増進課がLINEアカウントを設置。友だち登録することで、子宮頸がん、子宮頸がん検診、電子クーポン券の情報などの情報が得られる。
・企業とのがん検診推進協定 がん検診受診率向上などのがん検診推進について市と協定を結ぶ企業等を募集。互いの有する資源等を活用して効果的な啓発及び受診勧奨を行う。は2021年7月時点で浜松市がん検診推進協定締結企業20社以上。
なお、取り組み内容は年度ごとに異なる場合があります。詳細は浜松市サイトで確認してください。
浜松市では人間ドックの助成は行っていませんが、一部の医療機関では、人間ドックの際に市が発行する「特定健康診査受診券(国民健康保険加入者)」や「がん検診受診券」を同時利用して受診することで、人間ドックの自己負担額が軽減される場合があります。
なお、浜松市の特定健診(特定健康診査)の内容は次のとおりです。
【対象者】 浜松市国民健康保険に加入している40~74歳の方
【基本項目】 問診・診察・身体計測(身長・体重・腹囲及びBMI)、血圧測定、尿検査(尿たんぱく・尿糖・尿潜血)、脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)、肝機能検査(AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GT(γ-GTP))、血糖検査(HbA1cまたは空腹時血糖)、貧血検査(赤血球数・血色素量・ヘマトクリット値)、腎機能検査(クレアチニン)、痛風検査(尿酸)、心電図、眼底検査※ ※医師が必要と認めた場合に実施
浜松市より送付される「特定健康診査受診券」や「がん検診受診券」が手元に届いてから、健診を実施している医療機関で予約します。受診券を利用しての受診は年度内に1回のみです。受診券を利用せずに人間ドックを受診した場合、受診券利用分の払い戻しはできませんのでご注意ください。人間ドックのコースによっては受診券を利用できない場合もあります。必ず予約前に医療機関へ確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった人間ドックの健診施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
日本人間ドック学会が審査した機能評価認定施設は、全国で410以上の施設が認定されており、このうち浜松市内の人間ドック機能評価認定施設は2023年8月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
浜松市健康増進計画「健康はままつ21」では「市民一人ひとりが生きがいを持ち、いきいきと生活できる 健康都市 浜松」を基本理念として掲げています。健康寿命の延伸や生活の質向上などの目標を実現するために下記のようなユニークな取り組みを行っています。
・宿泊型の保健指導プログラム 糖尿病腎症重症化予防を目的とした新しい取り組み。市内ホテルで行う1泊2日の宿泊セミナーから始まり、約半年間、保健師、管理栄養士、健康運動指導士など専門家のサポートを受けながら生活習慣の改善に取り組んでいく。2019年度は約60名が参加(2020年度は中止)。
・健康ポイント「うごく&スマイル」 健康づくりを1回実践するごとにスマイルシートにポイントが溜まっていくキャンペーン。18歳以上の浜松市民(浜松在勤の方含む)が参加可能。貯まったポイントは「ふじのくに健康いきいきカード」と交換して、静岡県内の協力店で特典を受けることができる。
・ノルディック・ウォークを通じた健康増進の普及促進 ノルディック・ウォークとは北欧フィンランドで発祥した2本のポールを持って行うウォーキングのこと。全身運動となるため通常のウォーキングよりもカロリー消費が増え、4点歩行になることで膝や腰にかかる負担を軽減できるので、健康づくりや介護予防としても注目されている。浜松市では健康寿命の延伸のため、ノルディック・ウォークの普及を担う人材育成や、健康教室・体験会を開催。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。