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骨粗しょう症

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症とは、骨量が減って骨が弱くなってしまい骨折しやすくなる骨の病気です。少しつまずいたり、尻もちをついたりしただけで骨折を起こしてしまうこともあります。骨粗しょう症によって骨折しやすい箇所は、手首、腕のつけ根、足のつけ根、背骨です。

骨の強さには、骨密度と骨質が深く関わっています。骨密度とは骨に含まれるミネラル量のことで、骨質は骨の構造や代謝の状態をさします。骨粗しょう症は、骨折を起こしてしまうと背骨の変形や腰痛、寝たきりなどの原因になるため早期発見、早期治療が大切な病気として知られています。日本は高齢化が進んでおり、骨粗しょう症の罹患者は今後増えていくと考えられています。

骨粗しょう症の症状

骨粗しょう症だけは症状がないことが多いですが、骨折を起こすと以下のような症状が出る可能性があります。
●腰痛
●背中や腰の変形
●歩行困難
●身長の低下

骨粗しょう症の原因と予防法

原因

骨粗しょう症の原因はさまざまです。代表的なものは、閉経による女性ホルモンの変化や、運動不足や栄養不足、過剰なダイエット、加齢、喫煙、アルコールの過剰摂取などです。

疾患やそのための治療が骨粗しょう症を引き起こすこともあり、ステロイド薬の投与や抗がん剤の投与、胃切除後などの医療行為が原因となることがあります。また、糖尿病や慢性腎臓病、関節リウマチ、コルチゾールというホルモンが過剰に分泌されるクッシング症候群、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され血液中のカルシウム濃度が高くなる原発性副甲状腺機能亢進症などが原因になることもあります。

予防法

骨粗しょう症の予防には、おもに食事と運動がよいといわれています。薬や病気が原因の場合は、治療や服薬の調整によって骨粗しょう症が改善することもあります。

●食事
カルシウムやビタミンD、ビタミンKなど、骨を作るために必要な栄養素を積極的に摂ることが大切です。また、タンパク質も強い骨を維持するためには重要な栄養素です。カルシウムは、牛乳などの乳製品、小魚、チンゲン菜、大豆製品などに多く含まれます。ビタミンDは、卵やサケ、メカジキ、シイタケなどに、ビタミンKは納豆やニラ、ブロッコリーなどに多く含まれます。

食事の基本は、これらの栄養素を積極的にバランスよく食べることです。また、スナック菓子やインスタント食品、アルコールの多飲、カフェインを多く含む飲み物の多飲などは避けたほうがよいでしょう。

●運動
骨は負荷がかかるほど強くなることがわかっているので、適度な運動は骨粗しょう症予防になります。具体的には、ウォーキング、ジョギング、エアロビクスなどが挙げられますが、階段の昇り降りを増やしたり、家事の合間に交互に片足立ちをしたりするだけでもよいです。

●日光浴
骨の形成に必要なカルシウムの吸収を助けるビタミンDは、紫外線を浴びると体内で作られます。夏は木陰で30分程度、冬であれば30分から60分程度の散歩をするとよいでしょう。

●禁煙
タバコはカルシウムの吸収を妨げるため、禁煙も骨粗しょう症の予防に効果的です。

骨粗しょう症になりやすい人

次の項目に当てはまる人は骨粗しょう症になりやすいといえます。

●閉経後の女性
●高齢者
●過度なダイエットをした人
●運動不足
●喫煙者
●過度の飲酒
●糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病がある
●家族に骨粗しょう症を発症した人がいる

骨粗しょう症の種類

大きく分けて2種類あります。

原発性骨粗しょう症

加齢やホルモン変化、生活習慣、遺伝的素因などが原因で起こる骨粗しょう症のことです。

続発性骨粗しょう症

病気や薬、栄養障害などが原因で起こる骨粗しょう症のことを続発性骨粗しょう症と言います。例えば、糖尿病、関節リウマチ、慢性腎臓病、ステロイド薬の投与、がんに対する化学療法、アルコールの飲み過ぎなどが続発性骨粗しょう症の原因として挙げられます。

骨粗しょう症の罹患率

日本骨粗鬆症学会の「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015年版」によると、日本の骨粗しょう症患者は、1,280万人で男性は300万人、女性は980万人と推計されています。国内外の報告では、骨粗しょう症があると死亡リスクが上昇することが明らかになっています。

骨粗しょう症を調べる検査

骨粗しょう症を調べる検査に、以下のようなものがあります。

問診

今までの病気や内服歴、食事や運動を含めた生活習慣、症状、閉経時期(女性の場合)などに関する問診は、骨粗しょう症の診断に重要といわれています。

身長測定

骨粗しょう症では身長の低下を認めることがあります。

骨密度検査

骨密度検査では、骨の強さを判定します。X線を使用して検査するデキサ法やエムディ法、超音波を使用する超音波法があります。
「骨密度検査」についてもっと詳しく見る→

レントゲン検査

おもに背骨のエックス線写真を撮影し、骨折や骨の変形、骨の密度の様子を観察します。

骨代謝マーカー

骨の代謝に関わるマーカーを血液や尿検査で調べることができます。BAP(骨型アルカリフォスファターゼ)などの骨形成マーカーと、CTX(I型コラーゲン架橋C-テロペプチド)などの骨吸収マーカーの2種類を調べます。

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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