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この検査は何のための検査?

TTT/ZTT

TTT/ZTTとは?

TTT(チモール混濁反応)、ZTT(クンケル試験)は血液を分離したときの上澄みである「血清」のなかのたんぱく質を調べる検査です。主に、血清アルブミンの減少とγ-グロブリンの増加を反映する膠原反応をみます。TTT、ZTTは血液検査で調べることができます。

TTT/ZTTの検査の目的

TTT、ZTTの血液検査では、血液から採取した血清に試薬を入れて、混濁の度合いをみます。肝機能が低下すると、血清中のたんぱく質の比率が変化することにより、透明度が変わります。
混濁の程度を測定することで、TTTはγ-グロブリンの量を、ZTTはIgGの量を測定します。TTT、ZTTは肝臓の機能を確認したり、肝臓の病気の進行度をみたりするのに役立つ検査ですが、上昇しているからといって必ずしも肝疾患とは判定できません。他の検査と組み合わせ、総合的に判断します。

TTT/ZTTの検査で見つけられる病気

血液検査でTTT、ZTTを調べることは、次の病気や肝機能の低下を知ることができます。
●慢性肝炎
●自己免疫性肝炎
●肝硬変
●脂肪肝
●高γグロブリン血症
●多発性骨髄腫
●膠原病
●慢性感染症

TTT/ZTTの検査の見方

TTT、ZTTの基準値は、それぞれ以下のようになります。
●TTT 0~2クンケル単位
●ZTT 4~12クンケル単位
※日本臨床検査専門医会より

基準値よりも高い場合は、肝機能の低下や肝臓の病気などが疑われます。

TTT/ZTTの基準値

TTT/ZTTの長所/短所

TTT、ZTTは、採血で手軽に調べることができます。医療機関によっても異なりますが、検査結果は採血から通常1時間程度で確認することができます。

採血の際に注射針による痛みを苦痛に感じる人もいるかもしれません。採血で極度にストレスを感じると、副交感神経が緊張して、まれに冷や汗、低血圧、顔面蒼白、吐き気などの症状が現われることがあります(「迷走神経反射」といいます)。

また、採血の手技によっては神経損傷が生じることがあります。神経損傷は、注射の針先が神経に触れることで起こります。採血時にピリッとした刺激を感じたときは、採血の担当スタッフに伝えるようにしましょう。採血による神経損傷の多くは、2~3ヶ月で自然に治ります。

なお、採血後には、アザなど皮下血種ができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。

採血では、消毒綿や手袋、注射針のなどの物品を使うため、アレルギーを起こす可能性もあります。特に、アレルギーでよくみられるのが、感染予防に使用されるアルコール綿です。アレルギーに心当たりのある人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えるようにしましょう。

TTT、ZTTの血液検査は平成30年度より保険診療から除外されることになりました。ほかの検査でも代用できることから、多くの医療機関では積極的に行われていません。

TTT/ZTTの流れ

TTT、ZTTの検査では、採血を行います。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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