ホルター型心電図検査
ホルター型心電図検査とは?
ホルター型心電図とは、およそ24時間をかけて心電図を測定する検査です。安静時心電図や運動負荷心電図では異常が見当たらないものの、不整脈や狭心症の疑いがある人、動悸や失神・めまい・胸痛・呼吸困難などの自覚症状がある人に行われる検査です。
ホルター型心電図検査の目的
ホルター型心電図検査は、ほぼ丸一日心電図を測定することで、安静時心電図や運動負荷心電図で発見できなかった心臓の異常を発見することを目的にしています。小型の記録装置を身につけて生活します。測定時間はおよそ24時間です。この間、電極をつけた状態で生活をしますが記録装置の小型化が進んでいるため日常生活に与える影響は少ないです。
心電図のデータは小型装置に取り込まれ、医療機関でデータ解析が行われます。1日を通して不整脈が起きた回数や時間・異常波形の有無を判断して診断します。データ解析には通常1週間程度かかります。
ホルター型心電図検査の注意点
検査中(測定中)はシャワーや入浴ができません。また、記録装置のずれを防ぐため、服装はゆったりしたものがよいです。小型記録機械にはボタンがついているため、検査中(測定中)に自覚症状がある際に押すと、有効な解析につながります。
ホルター型心電図検査で見つけられる病気
不整脈、狭心症、睡眠時無呼吸症候群など
ホルター型心電図検査の見方
24時間の中で何回不整脈が起きたか、異常波形が見られたかを見ます。たとえば、就寝中に不整脈が起きて起床後は正常な拍動をする場合は、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
ホルター型心電図検査の長所/短所
日常生活を送りながら検査を受けることができます。また、継続的な測定ができるため、より正確な検査結果が期待できます。記録装置についているボタンがついています。自覚症状がある際にボタンを押すと、情報が反映され解析に応用されます。 大きなデメリットは、入浴やシャワーができないことです。記録装置を外せないため、過敏な人や就寝前は気になることがあります。
ホルター型心電図検査の流れ
1. みぞおち(1ヶ所)・両乳首下部(2ヶ所)・みぞおち上部(2ヶ所)に記録装置をつける
2. 24時間計測する
3. 終了時刻になったら自分で外してもよい。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)