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この検査は何のための検査?

HPV検査

HPV検査とは?

HPV検査とは、子宮頸部の細胞を採取し、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染について調べる検査です。HPVに感染していると、子宮頸がんのリスクが高まります。

HPV検査の目的

HPV検査は、HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染しているかどうかを調べることが目的です。HPVには100種類以上のタイプが存在するといわれており、そのうち約15種類は発がん性が強いハイリスク型に分類されています。また、100種類以上のHPVのうち、2種類は低リスク型と分類され、良性腫瘍や性器の外側にできるイボの一種である尖頭コンジローマの原因になります。ハイリスク型の一部が、子宮頸がんの原因になることがわかっており、HPVに感染しているかどうかを知ることは、子宮頸がんの発症リスクを把握することにつながります。陽性の場合(感染している場合)、子宮頸がんになる前段階である前がん病変の発見にも役立ちます。

日本産科婦人科学会によると、発症した子宮頸がんのうち、ごく一部を除きほぼ100%にハイリスク型HPVが検出されています。そのなかでも、約65%はHPV16型・18型という種類のHPVです。16型と18型のHPVは、子宮頸がんワクチンの標的となっているウイルスです。

さらに、子宮頸がんは2種類のタイプに分けることができます。腺がんと扁平上皮がんです。扁平上皮がんは子宮頸がん検診で見つけやすく、腺がんは見つけにくい傾向があります。これは、腺がんの発生する部位が扁平上皮がんの発生する部位よりも、身体の奥にあるため細胞診で採取する細胞が取りづらくなっているからです。

子宮頸がんは20歳代以降から発症が見られるため、20歳を超えた女性はHPV検査をおこない、子宮頸がんのリスクを調べることが推奨されています。HPVは性交渉で感染するため、性交渉の経験がある人はHPVに感染しているリスクがあることを理解しておきましょう。

HPV検査で見つけられる病気

HPVの感染の有無により、子宮頸がんの発症リスク、尖圭コンジローマの発症リスクを把握できます。

HPV検査の見方

HPV検査でHPVの感染が見られた場合は、ハイリスク型のHPVかローリスク型のHPVかを追加検査で調べることが推奨されています。子宮頸がん検診の結果で異常所見がなくても、HPVの感染が見られた場合は、2年に1回ほどの間隔で定期検診を受けるようにしましょう。陽性だった場合でも、HPVが自然に排出されることがあるため、必ずしも子宮頸がんを発症するわけではありません。

また、HPV検査で陰性だった場合でも、性交渉のパートナーが変わると感染する可能性があります。3年に1回程度の間隔で定期検診を受けるようにしましょう。

HPV検査の長所/短所

子宮頸がんのリスクを調べる子宮がん検診には、細胞を採取して調べる子宮頸部細胞診と、HPVの感染の有無を調べるHPV検査とがあります。一般的な子宮がん検診は子宮頸部細胞診だけなので、オプションでHPV検査を追加するか、子宮頸部細胞診とHPV検査がセットになった検診を選ぶとよいでしょう。どちらも子宮の入り口をブラシや綿棒でこするだけで細胞を採取できます。そのため、痛みを感じることが少ないのが長所です。

子宮頸部細胞診では、採取した細胞の形に異常がないかを判断し、がんになる前の段階の細胞を評価します。一方、HPV検査は、HPVの感染の有無を確認できます。HPV検査を併用したほうが、子宮頸がんリスクにおける異常発見率が高まります。

また、HPVの種類を調べる検査方法もあります。ただし、月経直前や直後など出血があると、子宮頸部の目的としていた細部の採取ができない場合があります。

HPV検査の流れ

1. 子宮入り口の細胞をブラシや綿棒でこすって採取する。
2. 顕微鏡で細胞を観察する。
3. HPVの存在の有無を確認する。

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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