心エコー検査
心エコー検査とは？
心エコー検査とは、心臓に超音波を当て、臓器や組織から跳ね返った超音波から画像を作る検査で、心臓超音波検査とも言います。超音波を発するプローブ（探触子）と呼ばれる機器を胸に当てながら、心臓の様子をリアルタイムで観察します。心臓の動いている画像を元に診断できる検査はそうありません。
心臓は血液を全身に送り出すポンプのような働きをしています。心エコー検査では、心臓の中を流れている血液の速度や流れている方向を診ることができるため、心臓の機能判定に活用されています。
心エコー検査の目的
心エコー検査は、心臓の大きさ・形・動き方を診ることが目的です。
また、心エコー検査は乳幼児にも適用できるため、心房中隔欠損や心室中隔欠損などの先天的な疾患の有無にも活用されています。
心エコー検査で見つけられる病気
成人：弁膜症、心肥大、心筋梗塞など
乳幼児：先天性心疾患（心房中隔欠損、心室中隔欠損）など
心エコー検査の見方
基本的に、白黒の濃淡のついた画像を得られます。心臓が肥大化している場合は心臓の働きが弱くなっていることを表します。心臓全体の大きさだけでなく、心臓壁の厚さを見ても心肥大の有無について判断できます。また、小さな心筋梗塞が起きている場合は心臓の動きが悪くなります。心臓の弁が機能していない場合は心臓弁膜症の疑いが強くなります。
心エコー検査の長所／短所
リアルタイムで観察できるため、心臓の大きさや形以外にも、一定のリズムを保っているかどうか、心臓弁の働き、血液の逆流が起きてないかどうかなど、心臓が正常に機能しているかを判断することができます。また、体動の影響を受けないため適用できる年齢層が広く、被曝の心配がありません。
心エコー検査の流れ
1. 検査ベッドに仰向けになる
2. 胸にゼリーを塗る
3. プローブ（探触子）を胸に当てる
4. 画面が見やすいように少し部屋を暗くする
5. 医師の指示で、必要に応じて息を吸う・はく等の運動をする
この記事の監修ドクター
マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム（現・先端医療社会コミュニケーションシステム）を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院（福島県いわき市）・ナビタスクリニック（立川・新宿）内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』（光文社新書）
