心拍数検査
心拍数検査とは?
心拍数検査とは、心拍数を測定することで健康状態を把握する検査です。心拍数は脈拍とも呼ばれ、1分間当たりの心臓が拍動する回数を指します。回数とともに脈拍のリズムも観察します。
心拍数検査の目的
1分間あたりの心拍数を測定することで、心臓疾患の可能性を判断します。リズムが不規則な場合は、不整脈の可能性を疑います。他疾患の影響でショック状態になっている場合や、高血圧・脂質異常症など生活習慣病が関係していると脈に変化が出ることもあり、健康のバロメーターの役割も果たしています。
心拍数検査で見つけられる病気
多い場合:発熱、貧血、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、不整脈など
少ない場合:脳圧亢進、甲状腺機能低下など
心拍数検査の見方
心拍数が1分間に100回を超えると頻脈を、50回を下回ると徐脈を疑います。
※公益社団法人日本人間ドック学会
また、心拍数の変動は不整脈でも起こるため、心電図検査を追加で行い、原因疾患を特定します。
心拍数検査の長所/短所
一般的な健康診断では、機械なしで測定することの多い、簡便な検査です。異常の検出と可能性のみ診断でき、具体的な疾患の特定は難しいため、追加検査が必要なことがあります。
心拍数検査の流れ
触診では、機械なしで測定します。左右どちらかの親指側を通る橈骨(とうこつ)の動脈上を指2本で抑えます。トクントクンと拍動が聞こえたら時計をみて数えます。多くの場合、60秒間数えるのではなく30秒間測定して心拍数を2倍にする方法を採用しています。
1. 左右どちらかの手で逆手の手首にある橈骨動脈を触る
2. 30秒間測定する
3. 測定した心拍数を2倍にする
心拍数検査を確実に行うには心電図モニターをつける必要があります。一般的には胸に電極をつけて測定するか、指先にクリップのような機械をつけて測定します。その他、電子血圧計に心拍数の測定機能がついていることもあります。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)