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この検査は何のための検査?

血清アミラーゼ

血清アミラーゼとは?

血液検査における血清アミラーゼとは、血清アミラーゼの数を調べるものです。アミラーゼは、糖質(でんぷん)を分解する消化酵素のひとつです。そのうち血液中に含まれるアミラーゼを、血清アミラーゼと呼びます。

血清アミラーゼを調べる目的

アミラーゼは、おもに膵臓、唾液腺、耳下腺で分泌されます。血清アミラーゼは、これらの部位に問題があると増加、あるいは減少します。そのため、膵臓や唾液腺、耳下腺の状態をみるのに役立つ検査です。また、膵管の異常でも増加するため、膵臓の腫瘍マーカーとしても用いられます。

血清アミラーゼの血液検査で見つけられる病気

血液検査で血清アミラーゼを調べることは、次のような病気の診断に役立ちます。

 ●急性膵炎
 ●慢性膵炎
 ●膵癌
 ●慢性腎不全
 ●耳下腺炎
 ●膵のう腫  など

血清アミラーゼの結果数値の見方

血液検査における血清アミラーゼの基準値は、44~132 IU/L(IUはinternational unitの略で国際単位の意)です(国立がん研究センターより)。

血清アミラーゼが基準値よりも高い場合は、膵臓や唾液腺、耳下腺の炎症や異常が疑われます。

血清アミラーゼの血液検査の長所/短所

血清アミラーゼの血液検査は、採血で手軽に検査することができます。医療機関によって前後しますが、採血から検査の確認まで通常1時間程度です。

膵臓は異常があっても自覚症状が少なく、病気の早期発見が困難な臓器です。そのため採血検査では、今まで気づかなかった異常を発見することにもつながります。しかし数値の異常がないからといって、膵臓の異常がないということではありません。あくまで可能性が分かるということです。

採血検査は注射器を使用するため、注射針を刺す痛みが苦手だと感じる人もいるかもしれません。そういった苦手な人が採血検査を受けると、極度のストレスからまれに冷や汗、低血圧、顔面蒼白、吐き気などの症状を感じることがあります(「迷走神経反射」といいます)。以前に気分が悪くなった経験のある人は、採血前に伝えておくようにしましょう。

また、採血にはアルコール消毒やラテックスの手袋が使用されます。これらにアレルギーを持つ場合、かゆみや発疹等のアレルギー症状が出ることがあります。そのため、アレルギーに心当たりのある人は担当するスタッフに伝えるようにしましょう。

採血の手技によっては注射針で神経を損傷し、採血後も手指に痛みやしびれが残ることがあります。採血時にしびれるような痛みを感じたら、採血を行うスタッフに伝えるようにしましょう。この痛みやしびれは、数ヶ月で自然に治まります。

人によっては、採血後の止血に時間がかかったり、青いアザ(皮下出血)できたりすることがあります。青いアザは、数日以内に自然に吸収されます。

血清アミラーゼの血液検査の流れ

血清アミラーゼ検査は、採血で行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立研究開発法人国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧」2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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