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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー – p53

腫瘍マーカーp53とは?

腫瘍マーカーp53の血液検査は、血液中に含まれる「抗p53抗体」という物質の量を調べる検査です。p53はがん抑制遺伝子のひとつで、正常な細胞を守るための司令塔のような役割があります。

p53遺伝子が変異すると、発がんリスクが高まることがわかっています。抗p53抗体は、変異したp53遺伝子の産生にともなって作られる抗体です。抗体は、がんなど体内にある異物である抗原に対抗する物質のことをいいます。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。

腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカーp53を調べる目的

抗p53抗体は、早い段階で食道がん、大腸がん、乳がんで数値が高くなることがわかっています。腫瘍マーカーp53の血液検査は、診断が難しかったこれらの早期がんを診断するために行われます。

腫瘍マーカーp53で見つけられる病気

腫瘍マーカーp53の血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。

●食道がん
●乳がん
●大腸がん など

腫瘍マーカーp53の結果数値の見方

腫瘍マーカーp53の基準値は、1.3以下(U/ml)です(京都大学医学部病院より)。

腫瘍マーカーp53の血液検査の長所/短所

腫瘍マーカーp53の長所は食道がん、大腸がん、乳がんを早期の段階で検査できる点です。また、血液検査によって調べるため、受診者の身体的負担が小さいこともメリットがあります。

一方で、がん罹患者によっては、検査が陰性になるケースもみられるため、その他の検査と組み合わせて行います。また、検査は食道がん、大腸がん、乳がんが疑われる場合のみ、保険が適用されます。

腫瘍マーカーp53の血液検査の流れ

腫瘍マーカーp53の血液検査は採血によって行われます。具体的な流れは以下のようになります。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな 台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら 針を抜く
(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
京都大学医学部病院検査部 検査項目情報(一時サンプル採取マニュアル)

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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