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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー – ProGRP

腫瘍マーカーProGRPとは?

腫瘍マーカーProGRPの血液検査は、血液中に含まれる「ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)」という物質の量を調べる検査です。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。

腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカーProGRPを調べる目的

ProGRPは、中枢神経や消化管に分布するアミノ酸分子で、胃液を分泌するホルモン「ガストリン」の分泌を促進する働きがあります。近年になり、肺の小細胞がんにおいてガストリンが産生されることがわかりました。これは、肺小細胞がんが、神経の内分泌細胞に由来するためです。

ガストリンは血液中で分解されやすい特徴があります。前段階の物質にあたるProGRPの量を血液検査で調べることで、肺の小細胞がんの可能性を調べられます。

また、がんの治療中であれば、進行の度合い、治療効果、再発や転移の有無を確認するのにも役立ちます。

腫瘍マーカーProGRPで見つけられる病気

腫瘍マーカーProGRPの血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。

●肺がん(小細胞がん)

腫瘍マーカーProGRPの結果数値の見方

血液検査における腫瘍マーカーProGRPの基準値は、81未満(pg/ml)です(国立がん研究センターより)。

腫瘍マーカーProGRPの血液検査の長所/短所

腫瘍マーカーProGRPは、肺小細胞がんでは高い陽性率がでるので、早期のがんの発見に役立ちます。また、肺小細胞がんの治療効果や再発の有無についても確認できます。

腫瘍マーカーProGRPの血液検査は採血によって行うため、受診者の身体的負担が小さいこともメリットです。

一方で、ProGRPは腎臓で代謝されるため、腎臓の機能が低下していると、肺小細胞がんでなくても数値が高くなることがあります。また、まれですが肺炎でも数値が高くなる例がみられています。

腫瘍マーカーProGRPの血液検査の流れ

腫瘍マーカーProGRPの血液検査は、採血によって行われます。具体的な流れは以下のようになります。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな 台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら 針を抜く
(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立がん研究センター中央病院「臨床検査値基準値一覧」2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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