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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー – βHCG

腫瘍マーカーβHCGとは?

腫瘍マーカーβHCGの血液検査は、血液中に含まれる「ヒト絨毛性ゴナドトロピンβ鎖」という物質の量を調べる検査です。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。

腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカーβHCGを調べる目的

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は胎盤のひだ状の組織である「絨毛(じゅうもう)組織」で作られる物質で、妊娠の維持の働きをするホルモンです。妊娠以外にも、絨毛がんや、精巣がん、卵巣がんなどでも増えます。

hCGは、アミノ酸が鎖状に連なったα鎖とβ鎖に、糖が連なった糖鎖がついた構造をしています。このうち、hCGのβ鎖に区分されるものをβHCGといいます。βHCGの量は、絨毛がんをはじめ、いくつかのがんで数値が上昇することが分かっています。

腫瘍マーカーβHCGの血液検査は、これらのがんの有無の可能性や進行を確認するために行われます。

腫瘍マーカーβHCGで見つけられる病気

腫瘍マーカーβHCGの血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。

●絨毛がん
●精巣がん
●卵巣がん
●異常妊娠(自然流産、子宮外妊娠など) など

腫瘍マーカーβHCGの結果数値の見方

腫瘍マーカーβHCGは、血液検査における基準値が医療機関によって若干異なります。α鎖と結合していない「フリーβHCG」のみを検査対象にする場合があるためです。腫瘍マーカーとして用いる場合は、「トータルβHCG」を検査するのが一般的です。トータルβHCGの基準値の一例は以下になります(滋賀医科大学医学部付属病院より)。

基準値:男性          0.5未満(mlU/ml)
    女性(妊娠していない方)0.5未満(mlU/ml)
       妊娠4~7週間  590~187000(mlU/ml)
       妊娠8~11週間 17800~328000(mlU/ml)
       妊娠12~20週間 5380~183000(mlU/ml)
       妊娠21~40週間 3460~71500(mlU/ml)

腫瘍マーカーβHCGの血液検査の長所/短所

腫瘍マーカーβHCGの長所は、絨毛がんなどの有無や経過について確認できる点で、血液検査によって調べるため、受診者の身体的負担が小さいこともメリットです。

βHCGは腫瘍マーカーとしてはあまり一般的ではないため、絨毛組織や性腺などのがんの可能性がある場合に行われます。なお、妊娠中の女性は検査の数値が高くなります。

腫瘍マーカーβHCGの血液検査の流れ

腫瘍マーカーβHCGの血液検査は採血によって行われます。具体的な流れは以下のようになります。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな 台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら 針を抜く
(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
滋賀医科大学医学部付属病院 院内検査基準値一覧

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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