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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー SCC

腫瘍マーカーSCCとは?

腫瘍マーカーSCCの血液検査は、血液中に含まれる「SCC抗原」という物質の量を調べる検査です。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカーSCCを調べる目的

腫瘍マーカーSCCの血液検査で調べるSCC抗原は、扁平上皮がんの発生によって産生されるタンパク質です。扁平上皮は、魚のウロコのような形をしており、皮膚、口腔内、食道、肺、子宮頸部などにみられる組織です。

血液検査でSCC抗原の量を調べることで、扁平上皮がんの有無の可能性を知ることができます。また、がんの治療中であれば、進行の度合い、治療効果、再発や転移の有無を確認するのにも役立ちます。

腫瘍マーカーSCCの血液検査で見つけられる病気

腫瘍マーカーSCCの血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。腫瘍マーカー自体、がん(悪性腫瘍)を見つけたり、病状を評価したりするための検査ですが、腫瘍マーカーSCCはアトピー性皮膚炎や腎不全など一部の良性疾患でも陽性(基準値を上回る)になることがあります。

●食道がん
●肺がん(扁平上皮がん)
●子宮頸がん(扁平上皮がん)
●頭頸部がん
●皮膚がん
●アトピー性皮膚炎
●天疱瘡・乾癬
●気管支喘息
●気管支炎・肺炎・結核 など

腫瘍マーカーSCCの結果数値の見方

腫瘍マーカーSCCの基準値は、1.5以下(ng/ml) です(国立がん研究センターより)。SCCが基準値よりも高い場合は、扁平上皮がんの可能性があります。

腫瘍マーカーSCCの血液検査の長所/短所

腫瘍マーカーSCCでは、扁平上皮から発生するがんの有無や治療効果について確認できます。血液検査によって調べるため、受診者の身体的負担が小さいことがメリットです。

一方で、扁平上皮がんは複数あるので、腫瘍マーカーSCCの血液検査のみではどのがんなのか特定できません。がんの部位を調べるために、その他の検査を行う必要があります。

また、受診者が皮膚の病気や肺炎、慢性腎不全にかかっている場合、扁平上皮がんではないのにSCCが上昇することがあります。

腫瘍マーカーSCCの血液検査の流れ

腫瘍マーカーSCCの血液検査では、採血を行います。具体的な流れは以下のようになります。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな 台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら 針を抜く
(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立研究開発法人国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧」2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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