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この検査は何のための検査?

尿PH検査

尿PHとは?

尿検査における尿PHとは、試験紙を使って体内の酸塩基平衡(酸性とアルカリ性を保つバランス)を調べる検査です。

尿PHを調べる目的

腎臓には、血液のPH(水素イオン濃度)を弱アルカリ性に保つ働きがあります。尿PH検査は、腎臓がこの働きをきちんと行っているかどうかを調べる目的をもっています。

体内では、代謝によって酸がつくられます。そのままだと体内に酸が溜まって酸性になってしまうため、呼吸や排尿によって酸を排出してバランスをとっています。しかし腎臓の機能が低下しているとうまく酸が排出できなくなり、血液を弱アルカリ性に保つことができなくなってしまいます。

尿PHは食べ物の影響を受けるため、食生活が整っているかを知ることもできます。肉、魚、乳製品などの動物性食品を多く摂ると、尿PHは酸性に傾きます。低栄養、水分不足の状態でも、酸性となります。穀物、野菜、果実などの植物性食品を多く摂ると、尿PHはアルカリ性に傾きます。

尿酸が関節に溜まって強い痛みを引き起こす痛風や、血糖値が高くなってしまう糖尿病など、いろいろな病気を発見する目的もあります。尿路に感染があると、尿PHはアルカリ性に傾きます。

尿PHに異常があると尿路結石ができやすくなるため、尿路結石の予防にも役立ちます。尿PHが酸性だと尿酸結石、シスチン結石が、尿PHがアルカリ性だとリン酸カルシウム結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石ができやすくなります。

尿PH検査で見つけられる病気

尿のPHを調べることで、次のような病気の診断に役立てることができます。

尿PHが基準値より低い(酸性)場合

 ●高尿酸血症(痛風)
 ●糖尿病
 ●発熱をともなう病気
 ●低栄養
 ●脱水  など

尿尿PHが基準値より高い(アルカリ性)場合

 ●膀胱炎
 ●尿道炎
 ●腎不全
 ●嘔吐  など

尿PH検査の結果数値の見方

尿検査における尿PHの基準値は、PH4.6~7.5の弱酸性です(国立がん研究センターより)。PHが低いと酸性、高いとアルカリ性になります。

尿PH検査の長所/短所

尿PH検査のメリットは、少量の尿で手軽に検査できるところです。検査結果も数分で分かります。

デメリットは、尿の状態によって検査結果が変わってしまうところです。採尿した尿は、時間が経つごとに状態が変化していきます。時間の経った尿だと尿PHが高くなってしまうため、正確な結果を知るためにもできるだけ新鮮な尿を検査することが大切です。

採尿時の体調によっても、検査結果が変わることがあります。月経中には採尿に赤血球が混じってしまうため、正確な結果を知ることができません。薬を服用している場合にも、検査結果に影響を与えることがあります。月経中、服用している薬がある場合には、あらかじめスタッフに申し出てください。

食事も検査結果に影響します。動物性食品を多く摂ると酸性に、植物性食品を多く摂るとアルカリ性になりやすくなります。激しい運動をしたあとにも、酸性に近くなります。

尿PH検査の流れ

尿PH検査の流れは以下のようになっています。

1.採尿する。
2.試験紙に尿をつける。
3.試験紙の色の変化と判定表を照らし合わせて判定する。

<参考>
国立研究開発法人国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧」2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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