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この検査は何のための検査?

腹部CT/3D-CT検査

上腹部検査における腹部CT/3D-CT検査とは?

腹部CTとは、肝臓、腎臓、膵臓などの腹部臓器や、その血管の状態を調べることのできる検査です。造影剤を使わない単純CT撮影と、造影剤を使う造影CT撮影の2種類があります。

腹部3D-CT検査とは腹部のCT検査ではありますが、通常のCT検査との違いは、撮影されたあとの画像が3D画像となり、立体的に体内の状態を確認できることです。

腹部CT/3D-CT検査の目的

腹部CT検査を行う目的は、臓器や血管の状態を詳しく観察することです。とくに造影CTの場合、静脈に造影剤を注入すると全身に広がっていきます。炎症や腫瘍など、血流が豊富な部分に多くの造影剤が集まっていくため、炎症や腫瘍などの正確な位置を把握することができます。

3D-CT検査の場合、3D画像を作成することにより、骨や血管の位置などを立体的に観察できるため、より正確な診断をする目的で行われます。また、病気を見つける以外にも術前検査で3D-CTを使用し、手術のシミュレーションを行うために活用している医療施設もあります。

腹部CT/3D-CT検査で見つけられる病気

腹部CTおよび3D-CT検査にて見つけられる腹部の病気は、肝臓や胆のう、膵臓、腎臓、脾臓における病気です。具体的には次のような病気が該当します。

 ●がん:肝臓がん、胆のうがん、膵臓がん、腎臓がんなど
 ●炎症性疾患:肝炎、膵炎、腎炎

 など

腹部CT/3D-CT検査の結果の見方

腹部CT/3D-CTは、撮影する際にX線を使用します。

そもそも人の身体に吸収されるX線量は、 組織の組成や透過圧の違いによって異なっています。これは各物質によりX線吸収係数(X線の吸収の度合いを示す数値)が決まっているためです。腹部CT/3D-CTの画像では、たとえば、骨や石灰化している組織、軟部組織は見えやすくなりますが、その一方でガスや空気は見えにくくなっています。水分が多いところは黒色に、骨や血液は白色に映し出されます。3D-CTでは、映し出された臓器や血管の走行を、立体的な3D画像で見ることができます。

腹部CT/3D-CT検査の長所/短所

腹部CTおよび3D-CT検査の長所は、検査時間が短いというところです。10秒程度息を止めるだけで撮影が完了し、画像が作られますので受診者の身体的負担は非常に少ないです。

また、とくに3D-CTでは正確な像が映し出されるため、検査としてだけではなく、手術前後における医師の手技確認にも活用されています。たとえば、血管の走行が見やすくなるという点から、がんの手術における血管の処理やリンパ節郭清の計画が立てやすくなり、患者がより安全に治療を受けられる、ということもメリットとなります。

一方、腹部CTおよび3D-CTにおける短所は、ペースメーカーなど体内に埋め込んでいる機器の調子が悪くなる可能性があるという点です。また、X線を使用しますので、妊娠中であったりや妊娠の可能性があったりする場合は、胎児への影響が懸念されるため、受けることができません。

ほかにも、造影剤を使用した場合、造影剤の副作用が出現する可能性があります。たとえば、造影剤に対するアレルギーがある方は、造影剤を使用しない検査は受けることができますが、造影下での腹部CT/3D-CT検査を受けることはできません。また、一部の糖尿病治療薬を内服している場合は休薬の必要があります。なお、検査前には飲食や水分の制限もありますが、検査後はとくに制限がありません。

腹部CT/3D-CT検査の流れ

腹部CT/3D-CTの検査の流れは、下記の通りです。

1.事前に、医師より検査の説明と造影剤使用の有無についての面談が行われる。
2.造影剤を使用する場合は検査4時間前の飲食を控える。造影剤を使用しない場合は検査前の準備はなし。
3.当日は検査着に着替え、身につけている金属類を外す。
4.造影剤を使用する場合には、検査室に入ってから、血管に点滴用の針を挿入する。
5.必要に応じて造影剤を注入し、撮影。撮影時にはアナウンスに従って息を止める。
6.検査後は、着替えて終了。

なお、造影剤を使用した場合には、造影剤を速やかに体外へ排出するために、普段よりも多くの水分を摂取するようにします。

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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