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この検査は何のための検査?

梅毒検査

梅毒検査とは?

梅毒検査とは、血液中の梅毒に対する抗体を調べることで感染しているか判断します。梅毒に対する抗体は大きく2種類あります。ひとつは、梅毒に感染すると産生されるカルジオリピンというリン脂質に対して攻撃する脂質抗体です。もうひとつは、梅毒の病原菌(トレポネーマ・パリダム)に対して攻撃を行うTP抗体です。

2種の抗体は、それぞれ梅毒に感染してから増える時期が異なります。
また、TP抗体は梅毒を治療後も抗体が残り続けるため、2つの抗体を検査することで、感染時期や治療の経過を知ることができます。

梅毒検査の目的

梅毒検査は、梅毒に感染しているかどうかを判断する目的で行われます。脂質抗体は治療により低下するため、治療の進み具合を調べるために用いられます。

梅毒検査で見つけられる病気

梅毒

ただし、膠原病や抗リン脂質抗体症候群などでも陽性になる可能性があります。

梅毒検査の結果の見方

梅毒検査の判定は、以下のようになっています(大阪大学医学部附属病院より)。

  ●脂質抗体、TP抗体ともに陰性→非梅毒(ごく稀に梅毒感染初期の場合がある)
  ●脂質抗体が陽性でTP抗体が陰性→大部分は脂質抗体検査の偽陽性(稀に梅毒初期)
  ●脂質抗体、TP抗体ともに陽性→梅毒、梅毒治癒後
  ●脂質抗体が陰性でTP抗体が陽性→梅毒治癒後(ごく稀に脂質抗体検査の偽陰性)

梅毒検査の長所/短所

梅毒検査は、血液検査で簡単に行えます。しかし、ごく稀にですが偽陰性、偽陽性となり検査結果が正しくない可能性もあります。もしも、不安であれば医師に相談することで、梅毒の症状の有無などから多角的に判断してくれるので不安を抱え込まず伝えるようにしましょう。

血液検査については、針を刺しますので痛みを伴います。先端恐怖症の人や痛みが苦手な人は苦痛が大きいでしょう。針を刺す前のアルコール消毒で肌が荒れてしまう人もいます。アルコールアレルギーがある方は、非アルコール性の消毒がある場合もあるので事前に伝えておきましょう。

また、針を刺すことで、神経損傷を起こしてしまうこともあります。頻度として1万回から10万回に1回と言われており、大抵の方は2~3ヶ月ほどで自然治癒します。万が一採血時にピリッとした痛みがあればその場で伝えましょう。

なお、採血後に青くアザになってしまったりすることがありますが、数日で消失します。

梅毒検査の流れ

梅毒検査は、採血を行います。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
大阪大学医学部附属病院 臨床検査部 感染微生物免疫検査部門 梅毒概説

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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