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この検査は何のための検査?

アミノインデックス®検査

アミノインデックス®検査とは?

アミノインデックス®検査とは、血液中のアミノ酸濃度のバランスの変動に着目し、健康状態や病気の可能性を知ることができるアミノインデックス®技術を利用した検査です。通常、身体の仕組みとして、健康な人のアミノ酸濃度のバランスは一定に保たれるようにできていますが、健康状態や病気によって変動することがわかっています。

アミノインデックス®検査は、アミノ酸濃度のバランスの変動が病気の種類によって違うため、そのパターンを統計的に解析することで、特定の病気にかかっている可能性や、将来的にかかる危険性を知ることができるという仕組みの検査です。

アミノインデックス®検査は、アミノインデックス®がんスクリニーング(AICS®)とアミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)があり、2つを合わせアミノインデックス®リスクスクリーニングと(AIRS®)呼ばれています。

体内のアミノ酸濃度はさまざまな要因で変化します。いずれもスクリーニング検査であり、確定診断のための検査ではありません。

アミノインデックス®検査の目的

人間の体内には、体重の約20%のタンパク質が存在しています。タンパク質の種類は膨大ですが、タンパク質の成分となるアミノ酸の種類はおもに20種類です。タンパク質は、身体を作ったり守ったり、ヘモグロビンとして物質輸送に関わったり、酵素やホルモンとしての働きを持つなど、ヒトが生きていく上で必要不可欠な栄養素です。その成分であるアミノ酸は体内で常に代謝を繰り返しながら、血液中には一定の濃度バランスで存在するように制御されています。

本来は一定に保たれているアミノ酸濃度のバランスは、健康状態によって変化し、消費されるアミノ酸と新たに作り出されるアミノ酸のバランスが崩れます。この濃度バランスの特徴的な変動を読取ることで、病気のリスクを見つけ出していきます。

【アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)】

アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)では、男性では胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、前立腺がんの合計5種のがんに対する可能性を評価し、女性では胃がん、肺がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、子宮がん・卵巣がんの合計6種のがんに対する可能性を評価します。

アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)には対象年齢があります。前立腺がんは40~90歳、子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんは20~80歳、他のがん種では25~90歳です。

検査結果に影響を与えるため、検査時に妊娠中である場合、授乳中である場合、がん患者(治療中含む)、先天性代謝異常の場合、透析患者は、検査対象外となります。

【アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)】

アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)は、10年以内に脳卒中・心筋梗塞を発症するリスク、4年以内に糖尿病を発症するリスク、血液中の必須アミノ酸と準必須アミノ酸レベルを判定する検査です。

身体の中で作り出すことができない「必須アミノ酸」と、作り出すことが難しい「準必須アミノ酸」は、食事によってバランスよく継続的に摂取することが必要な栄養素です。タンパク質をかたち作る20種類のアミノ酸のうち約半分は必須アミノ酸と準必須アミノ酸であり、これらの血中濃度から健康状態を知る指標とすることができます。

アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)には対象年齢があります。脳心疾患リスクは30~74歳、糖尿病リスクとアミノ酸レベル判定は20~80歳です。

こちらの検査も、検査結果に影響を与えるため、検査時に妊娠中である場合、授乳中である場合、がん患者(治療中含む)、先天性代謝異常の場合、透析患者は、検査対象外となります。

アミノインデックス®検査で見つけられる病気

【アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)】

罹患の可能性がある病気は次の7つです。だたし、性別によるがん種があり、男性は5つ、女性は6つとなります。また、子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんについては、個別の評価はなく、いずれかの可能性の評価となります。

●肺がん
●胃がん
●大腸がん
●膵臓がん
●前立腺がん(男性のみ)
●乳がん(女性のみ)
●子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん(女性のみ)

【アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)】

罹患の可能性や関連が考えられる病気や所見は次のとおりです。なお、脳卒中と心筋梗塞は個別の発症リスクではなく、合わせた発症リスクです。

●10年以内の脳卒中・心筋梗塞発症
●4年以内の糖尿病発症

また、上記の疾患との関連性がある次の疾患や所見で高値となることがわかっています。
●食後高血糖
●内臓脂肪型肥満
●高血圧
●脂肪肝
●脂質異常症
●肝機能異常
●メタボリックシンドローム
●高尿酸血症

アミノインデックス®検査の見方

【アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)】

がん種ごとに「AICS®値」というがんである可能性を数値化したもので結果が表されます。AICS値は0.0~10.0まであり、高値であるほど現在のがん罹患の可能性が高くなります。

さらに、現在がんである可能性を判断する目安として、A~Cまでのランクでも表され、これは各がんの罹患率を1とした場合の倍率です。ランクAは0.3~0.7倍、ランクBは1.3~3.1倍、ランクCは4.0倍~11.6倍とし、それぞれ、がんである可能性が低い状態、やや高い状態、高い状態を表しています。

アミノインデックス®がんスクリーニング(AICS®)はスクリーニング検査であり、あくまでも「採血時にがんである可能性を調べる検査」です。さまざまなアプローチの検査を組み合わせることで、より確実ながんの早期発見が可能になります。

【アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)】

各項目とも、項目ごとの発症リスクやアミノ酸レベルを数値化した「AILS®値」で結果が表されます。

脳心疾患と糖尿病項目では、AILS®値が0.0~10.0まであり、高値であるほど発症リスクが高くなります。あわせて、発症リスクの可能性を判断する目安としてA~Cまでのランクが表されます。AILS®値が0.0~4.9がランクA、5.0~7.9がランクB、8.0~10.0がランクCとなります。

なお、研究結果では、ランクAを1とした場合の各ランクの発症リスクが、脳心疾患ではランクBで3.9倍、ランクCで11.4倍、糖尿病ではランクBで7.8倍、ランクCで16.7倍と報告されています。

アミノ酸レベル項目では、AILS®値は0.0~100.0まであり、低値であるほど必須アミノ酸または準必須アミノ酸のレベルが低くなります。アミノ酸レベルの評価目安として、AILS®値0.0~29.9で低い、30.0~100.0で通常と判定されます。

さらに、糖尿病発症リスクとアミノ酸レベルの結果から、Ⅰ~Ⅳまでのタイプが判定されます。糖尿病リスク:ランクA・アミノ酸レベル:通常 のタイプⅠ、糖尿病リスク:ランクBまたはC・アミノ酸レベル:通常 のタイプⅡ、糖尿病リスク:ランクA・アミノ酸レベル:低い のタイプⅢ、糖尿病リスク:ランクBまたはC・アミノ酸レベル:低い のタイプⅣとなります。なお、脳心疾患発症リスクについてはランクCの場合に*マークがつけられ、タイプ判定とともに、「タイプ別AILS®生活改善ガイド」が提供されます。

アミノインデックス®生活習慣病リスクスクリーニング(AILS®)で、ランクAであっても10年以内または4年以内に100%発症しないというわけではありません。また、ランクBやCであっても、必ず発症するというわけではありません。スクリーニング検査の特性上、疾患の発症リスクはほかのさまざまなアプローチの検査との組み合わせによって総合的に判断されるものです。

アミノインデックス®検査の長所/短所

アミノインデックス®を調べる血液検査は、5ml程度の採血で手軽に行うことができますが、検査結果が出るまでの時間は検査を行う医療施設によって異なります。

正しい検査結果を得るため、検査前8時間以内には水以外は摂らず、午前中に採血します。検査前日の夕食は、肉、魚などの高タンパク質の食事は摂りすぎないようにすること、できるだけ検査当日朝の運動は控えることが必要です。検査当日の服薬ついては、事前に主治医またはアミノインデックス®検査を受診する医療施設の指示に従ってください。

採血による血液検査となりますが、人によっては採血の際に注射針による痛みや、ストレスを感じる人もいるかもしれません。採血のときに冷や汗や吐き気を感じたり、血圧低下、顔面蒼白がみられたりした場合は、副交感神経の緊張で起こる「迷走神経反射」が原因です。

また、採血で使用する物品に対するアレルギー反応を起こすことがあります。とくに、感染予防で使用するアルコール綿には、アルコールが含まれています。アレルギーが心配な人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えておきましょう。

また、注射針の先が神経に触れると、神経障害が生じる可能性もあります。針を刺したときにピリッとした刺激を感じたときは、我慢をせずに採血を担当する医療スタッフに伝えましょう。

採血後、場合によっては皮下血腫やアザができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。

アミノインデックス®検査の流れ

血液中のアミノインデックス®を調べるには、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

※アミノインデックス®、AIRS®、AICS®、AILS(エーアイエルエス)®は味の素株式会社の登録商標です。

<参考>
アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(医療関係者向け専用サイト)

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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