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この検査は何のための検査?

PCR検査

PCR検査とは?

PCR検査はポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction)検査の略称です。ポリメラーゼとは、DNAやRNAといった遺伝子に含まれる酵素のひとつで、ウイルスや細菌の遺伝子を増幅させて検出するのがPCR検査です。PCR検査には、遺伝子を増幅する過程や遺伝子を観察する方法によって種類があります。そのため、PCR法と呼ばれることもあります。

PCR検査の目的

病原体は新型コロナウイルス(COVID-19)ならば「ABCD」、インフルエンザならば「1234」といったようにそれぞれ特徴的なDNAを持っています。PCR検査では、病原体の特徴的な遺伝子が唾液や血液に含まれているかどうかを判断することで、特定の病原体に現在進行形で感染しているか診断するのに役立ちます。

ウイルスや細菌などの病原体が身体の中に入りこむことで起こる病気を感染症と言います。ただし、病原体が体内に入った(感染した)=病気の発症とはなりません。たとえばHIVはウイルスですが、AIDSを発症していなければ感染という状態のみで、病気とは呼びません。しかし、HIVや新型コロナウイルス(COVID-19)を含め多くの感染症は、発症していなくても他人に感染させる場合があるため、現在感染しているかどうかを判断する検査が重要となります。

PCR検査で見つけられる病気

PCR検査を行うことは、下記の感染の診断に役立ちます。

●新型コロナウイルス(COVID-19)
●ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
●インフルエンザウイルス
●結核
●肝炎
など

PCR検査の結果の見方

検査結果は陰性(-)か陽性(+)で表されます。
陰性であれば感染していない、
陽性であれば感染している、ということになります。

PCR検査の長所/短所

PCR検査は特異度が高い、つまり偽陽性が出にくいという特徴があり、陽性が出ればほぼ確実に感染していると考えることができます。偽陽性とは、本来感染していない(陰性)であるのに陽性と判断されることです。

一方で、感度は100%でない、つまり偽陰性が出やすいという側面があります。偽陰性とは、本来感染している(陽性)であるのに陰性と判断されることです。そのため、検査結果が陰性だとしても必ずしも感染していないとは言えません。PCR検査は、微量の病原体でも増幅できます。しかし、身体の中の病原体数が少ない場合、身体の中には病原体が存在するが採取した唾液や血液には病原体が存在しない、ということがあります。そうなった場合に陰性と判断されてしまいます。

PCR検査は、検査技師が感染するリスクがあるなか、さまざまな薬品を用い、特殊な機械を用いてできる複雑な検査ですので、検査結果が出るまで数時間から1日かかります。また、PCR検査は、現在病原体が体内に存在するかを判断するため、過去の感染歴はわかりません。

PCR検査の方法

PCR検査は、ウイルスにより採取する検体が異なります。新型コロナウイルス(COVID-19)や結核の場合は痰咽頭ぬぐい液、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)や肝炎などでは、血液を採取します。ここでは、痰および咽頭ぬぐい液を採取する流れを説明します。

【痰の採取】

<自身で痰を出せる場合>
1. 食べかすなどが混入しにくいよううがいをする。
2. 唾液が入らないようにして、専用の容器に痰を吐き出す。
<自身で痰を出せない場合(吸引による方法)>
1. 2~3mm程度のチューブを鼻か口から喉の奥に入れていく。
2. 吸引圧をかけ痰を吸い出す。

【咽頭ぬぐい液の採取】

1.口を大きく開けて舌圧子(ぜつあつし・へら状の医療器具)で舌を押さえる。
2.綿棒を喉の奥にこすりつける

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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