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この検査は何のための検査?

内臓脂肪CT(ファットスキャン)

上腹部検査における内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査とは?

CT検査はエックス線を使って身体の断面を撮影することができる検査です。内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査では、最新マルチスライス CT を用いて、へその位置の内臓脂肪面積および皮下脂肪面積、全脂肪面積などを測定することにより、内臓脂肪型肥満や皮下脂肪型肥満の有無を判定します。また、CT画像から、体周囲長(へそ周りの長さ)やBMIも調べることができます。

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査の目的

内臓脂肪CT(ファットスキャン)は、肥満症の診断のために用いられる機会の多い検査です。人間ドッグで用いられることも多く、とくに近年注目されている隠れ肥満の発見、診断に有用な検査であると考えられています。隠れ肥満は内臓脂肪型肥満ともいい、BMIも正常値であるため気付きにくく、肥満であるかどうかがわかりません。内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査により内臓脂肪、皮下脂肪、全脂肪などを測定することで、内臓脂肪型肥満の早期発見につながります。

厚生労働省の全国調査によると日本人の中高年(40~74歳)のうち、男性で2人に1人、女性で5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)あるいは予備軍であることが発表されています。メタボリックシンドロームであることがわかっていない人は、すでにわかっている人と同じくらいいると推測されています。

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査で見つけられる病気

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査では、おもに肥満に関係する病気を見つけることができます。
●メタボリックシンドローム
●内臓脂肪型肥満
●皮下脂肪型肥満

これらを見つけられずに放置してしまうと以下の病気を発症する可能性が高くなります。
●2型糖尿病、耐糖能障害
●脂質代謝異常
●高血圧症
●高尿酸血症、痛風
●冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
●脳血管障害(脳梗塞、脳血栓、一過性脳虚血発作)
●睡眠時無呼吸症候群
●脂肪肝
●整形外科的疾患(変形性関節症、変形性脊椎症など)
●月経異常、不妊 など

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査の結果からは、理想の体重と内臓脂肪による現在の身体の状態を知ることもできます。

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査の結果の見方

ファットスキャンは、内臓脂肪CTの撮影データと、ファットスキャンの専用ソフトウェアを使用して、画像化することができます。パソコンの画面上で確認できますが、皮下脂肪と内臓脂肪とを、瞬時に色分けをして表示されます。内臓脂肪は赤、皮下脂肪は青、骨などは白で表示され、これによって内臓脂肪面積を測定することができます。

ほかにも測定したデータはすべてパソコン上に表示されるとともに、検査表として見やすい形で渡されます。明確に色分けされているため、内臓脂肪の蓄積状況が一目でわかります。

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査の長所/短所

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査は検査時間が非常に短く、3~5分程度で終了します。検査のために必要な処置などもないため、痛い思いをせずに検査を受けることができるという長所があります。また、メジャーを当てずに腹囲を測定することもできるので、メジャーを使用した腹囲測定が苦手という方にも負担なく腹囲の測定ができます。人の手による腹囲測定は若干誤差が出ることもありますが、CTの撮影データを用いているため、正確な腹囲を知ることができます。

ただし、CTを用いた検査であるため、妊娠中の方は受診できません。ペースメーカーを挿入されている方は、医師と相談のうえで検査を受けるかどうか決める必要があります。また、内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査は、健康診断などのオプションとして受けることができますが、基本的には自費で受けることになります。CT検査時には検査着への着替えが必要となるうえに金属類を外す必要があります。

内臓脂肪CT(ファットスキャン)検査の流れ

上腹部MRI検査の流れは、以下の通りです。

1.医師から検査の説明があります。安全に検査を受けられるようにいくつかの質問もあります。
2.検査着に着替えます。CT検査室には金属を持ち込むことができないので、アクセサリーやヘアピン、入れ歯は外します。下着に金具がついている場合は、下着も外します。また、補聴器、眼鏡、ボタンといった硬質性のプラスチックも外します。
3.検査室へ入室し、検査台の上にあおむけで横になります。
4. 放送にて検査の担当者からガイダンス(指示)がありますので従ってください。動いてしまうと正確な撮影ができませんので、なるべく身体を動かさないようにします。検査中に気分が悪くなったりした場合は、動かずに声を出すか手を挙げるなどして合図します。
5. 検査終了後、医師から検査結果についての説明を受けます。

<参考>
厚生労働省「メタボリックシンドローム該当者・予備軍の状況」

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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