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この検査は何のための検査?

RPR検査

RPR検査とは?

RPR検査とは、血液中の非トレポネーマ脂質抗体という物質の量について、血液検査で調べる検査です。非トレポネーマ脂質抗体とは、性感染症の一種である梅毒の活動性をあらわす指標です。

RPR検査の目的

RPR検査は、性感染症の一種である梅毒の感染の有無と、その活動性を確認するために行う検査です。梅毒の症状が出ている人への確定診断のためだけではなく、入院や検査の際も、感染の確認をするために行われています。

梅毒に感染しているかどうかを調べる検査は、STS法(脂質抗原を調べる方法)とTPHA法(梅毒病原体の抗体を調べる方法)との大きく2つに分類されます。STS法における具体的な検査方法のひとつがRPR検査であり、STS法のことをRPR検査と呼ぶことがあります。STS法(RPR検査)では梅毒に感染した際につくられる脂質「カルジオリピン」の抗体の有無を調べます。なお、TPHA法では梅毒病原体そのものに対する抗体の有無を調べます。

また、梅毒の検査では、まずSTS法を行い、陽性であった場合にTPHA法を行うという流れになるのが一般的です。これは、TPHA法は感染初期には陰性を示してしまうからです。

RPR検査で見つけられる病気

RPR検査では、以下の病気を見つけることができます。
●梅毒

RPR検査は感度の高い検査のため、比較的早い段階から陽性反応が出る一方で、梅毒に感染していなくても陽性反応が出ることもあります。

RPR検査の見方

RPR検査の検査結果は+と-で表記されることが多く、+なら陽性、-なら陰性です。

RPR検査単独で検査値を見て病気を診断することはほとんどなく、もうひとつの梅毒感染の指標となるTPHA検査とあわせて検査値を読み、感染の有無、活動性の状況を確認していきます。

梅毒への感染は、いくつかの病期に分けて考えられます。まず、感染から通常 1ヶ月くらいの「早期梅毒1期」では、梅毒トレポネーマが侵入した箇所(口唇、口腔咽頭粘膜、陰部周辺、肛門周辺など)に症状が現れます。RPR検査は陰性となることがあります。

次に、感染からおおむね 1~3ヶ月の「早期梅毒第 2 期」では、体内に拡がった梅毒トレポネーマによる、さまざまな症状が現れます。RPRは通常高値(16 倍、16RU 以上)を示します。

その後、後期梅毒、第3期梅毒と続きますが、いずれもさまざまな症状が現れる一方で、活動性は低いとされます。ただし、これらの時期でも活動性が高い場合は、「潜伏梅毒」に分類されます。潜伏梅毒は感染から1年以内を早期、1年以降を後期といい、TPHA、RPRともに高値を示します。

RPR検査の長所/短所

PRP検査は感度が非常によいという特徴があります。そのため、TPHA検査では見つけられない早期に梅毒の感染を発見できるという長所になる一方で、感染していなくても陽性反応が出ることもあります。その場合は再検査が必要になります。

RPRを調べる血液検査結果が出るまでの時間は、検査を行う医療施設によって変わります。RPR検査は、採血から2~4日で結果を確認することができます。

採血による血液検査となりますが、人によっては採血の際に注射針による痛みや、ストレスを感じる人もいるかもしれません。採血のときに冷や汗や吐き気を感じたり、血圧低下、顔面蒼白がみられたりした場合は、副交感神経の緊張で起こる「迷走神経反射」が原因です。

また、採血で使用する物品に対するアレルギー反応を起こすことがあります。とくに、感染予防で使用するアルコール綿には、アルコールが含まれています。アレルギーが心配な人はあらかじめ、採血を担当する医療スタッフに伝えておきましょう。

また、注射針の先が神経に触れると、神経障害が生じる可能性もあります。針を刺したときにピリッとした刺激を感じたときは、我慢をせずに採血を担当する医療スタッフに伝えましょう。

採血後、場合によっては皮下血腫やアザができることがありますが、数日以内で自然に吸収されます。

RPR検査の流れ

血液中のRPRを調べるには、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
一般社団法人日本性感染症学会「梅毒診療ガイド」

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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