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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー PIVKA-Ⅱ

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱとは?

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの血液検査は、血液中に含まれる「PIVKA-Ⅱ」という物質の量を調べる検査です。PIVKA-Ⅱは、ビタミンKの吸収障害や肝細胞がんで増える異常なタンパク質です。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。

腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱを調べる目的

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの血液検査は、肝細胞がんの有無の可能性を知るために行われます。肝細胞がんは、肝臓の大部分にあたる肝細胞から発生するがんです。

また、がんの治療中であれば進行の度合い、治療効果、再発の有無を確認するのにも役立ちます。

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱで見つけられる病気

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。

●肝細胞がん

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの結果数値の見方

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの基準値は、40未満(mAU/ml)です(国立がん研究センターより)。PIVKA-Ⅱが基準値よりも高い場合は、肝細胞がんの可能性があります。

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの血液検査の長所/短所

肝細胞がんの腫瘍マーカーには、PIVKA-Ⅱ以外にも「AFP」があり、同時に行われるのが一般的です。通常、肝細胞がんでは両方の検査値が陽性になりますが、小さいがんの場合、一方だけ陰性になることがあります。PIVKA-ⅡはAFPと相関関係がないため、AFPが陰性となった肝細胞がんでも陽性となります。そのため、肝細胞がんのより正確な診断が可能になります。

また、血液検査によって調べるため、受診者の身体的負担が小さいこともメリットです。

ただし、具体的ながんの部位を調べるためには、その他の検査を行う必要があります。なお、腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱは、慢性肝炎、肝硬変、肝臓内での胆汁のうっ滞、ビタミンK欠乏症、血栓を防ぐ薬である「ワーファリン」の服用で数値が高くなることがあります。

腫瘍マーカーPIVKA-Ⅱの血液検査の流れ

抗DNA抗体を調べる血液検査は、採血が行われます。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立研究開発法人国立がん研究センター「臨床検査基準値一覧」2020年9月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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