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この検査は何のための検査?

腫瘍マーカー リパーゼ

瘍マーカー・リパーゼとは?

腫瘍マーカー・リパーゼは、血液中に含まれるリパーゼという物質の量を調べる血液検査です。リパーゼはおもに膵臓で作られる消化酵素で、膵炎など膵臓に異常があると血中のリパーゼ量が増加します。また、膵臓がんでも血中リパーゼの値が上昇、減少することがあるため、膵臓の腫瘍マーカーとしても用いられます。

腫瘍マーカーは、がんにかかっているときに増えるタンパク質や酵素の量を調べる検査です。がんになると、がん細胞が特異的な物質を産生するようになり、血液や尿、体液に存在するようになります。腫瘍マーカーにはいくつかの種類があり、健康時でもみられる物質もあります。

腫瘍マーカー・リパーゼを調べる目的

腫瘍マーカー・リパーゼの血液検査は、おもに腹痛や下痢、体重減少などの消化器の異常やがんの可能性がある人に対して、病気を特定するために用いられます。

また、膵臓や肝臓に異常がみられる場合上昇することが多いですが、病気が進行し膵臓や肝臓の機能が落ちていくとともに血液中のリパーゼ量が減少するため病気の進行度を見るためにも用いられます。

腫瘍マーカー・リパーゼの血液検査で見つけられる病気

腫瘍マーカー・リパーゼの血液検査は、下記の病気の診断に役立ちます。

【基準値より高い場合】

●慢性膵炎
●急性膵炎
●膵管閉塞
●膵臓がん(初期)
●肝硬変
●腎不全
●糖尿病性ケトーシス など

【基準値より低い場合】

●ウイルス性肝炎
●急性肝壊死
●膵臓末期
●糖尿病 など

腫瘍マーカー・リパーゼ検査の結果数値の見方

血液検査における腫瘍マーカー・リパーゼの基準値は、13~55U/Lです(国立がん研究センター中央病院より)。基準値は、検査方法など医療施設により異なる可能性があります。

瘍マーカー・リパーゼの血液検査の長所/短所

腫瘍マーカー・リパーゼは、血液検査で簡単に調べることが可能です。血液検査については、針を刺しますので痛みを伴います。先端恐怖症の人や痛みが苦手な人は身体的苦痛が大きいでしょう。

針を刺す前のアルコール消毒で肌が荒れてしまう人もいます。アルコールアレルギーがある方は、非アルコール性の消毒がある場合もあるので事前に伝えておきましょう。

また、針を刺すことで、神経損傷を起こしてしまうこともあります。頻度として1万回から10万回に1回と言われており、大抵の人は2~3ヶ月ほどで自然治癒します。万が一採血時にピリッとした痛みがあればその場で伝えましょう。

なお、採血後に青くアザになってしまったりすることがありますが、数日で消失します。

腫瘍マーカー・リパーゼの血液検査の流れ

腫瘍マーカー・リパーゼを調べるには、採血を行います。ここでは、腕からの採血の具体的な流れについて説明します。

1. ひじの内側など血管がはっきりと確認できる部分を露出させ、専用の小さな台に腕を乗せる。
2. 上腕部を「駆血帯」と呼ばれるひもやベルトで締める。
3. アルコール綿で消毒し、注射針を刺す。
4. シリンジ内の検体が血液でいっぱいになったら、アルコール綿で抑えながら針を抜く(ほかの項目の血液検査を行うために、複数の検体を取ることがある)。
5. 注射した部位に絆創膏を貼る。血が止まるまでの数分間、自身で圧迫しておく。
6. 完全に止血したら、絆創膏を剥がす。

<参考>
国立がん研究センター中央病院 臨床検査基準値一覧 2019年11月版

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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