検査結果に「再検査」の文字。受けなければいけない?
すみやかに再検査を受診しましょう。疾患につながる要因が潜んでいる可能性があります。
「再検査」と診断された場合はすみやかな対応を
人間ドックは、隠れた病気を未然に防ぐために受ける検査です。そのため、「再検査」の記載があった項目は、なんらかの病気につながる要因が潜んでいることが考えられるため、すみやかに医療施設での再検査を行いましょう。再検査では、検査結果が本当に異常であるか、もう一度検査して、再現性を確認します。再検査の結果が異常値でなければ、一時的なものとして判断されます。再度異常値が出た場合は「要精密検査」となります。
「要精密検査」では、血液検査や画像診断などを組み合わせたり、人間ドックの検査よりも高度な検査をしたりして、異常値の原因を探り、病気の有無を確認します。
またそのほか、「要治療」の場合も医療施設を受診しましょう。「要治療」は、明らかに病気と考えられるので治療が必要です。3〜6ヶ月の定期的な経過観察が必要な場合も、「要治療」と評価される場合があります。病気が進行してから治療を行うと、それだけ命の危険が伴い、金銭的な負担もかかってしまいます。早期発見、早期治療でどちらも軽減させることができるため、面倒に思わずすみやかな対処を心がけましょう。
疾患ではないのに「再検査」になってしまうことも
規定時間外に食事を摂ってしまうと「再検査」になってしまう可能性があります。人間ドックの前日は21時までに食事を済ませることが基本です。しかし、間違えて検査当日の朝に朝食をとってしまう人もいます。検査が受けられなくなるからといって、その事実を申告しないまま検査を受けると、血液検査で高い数値が出てしまうことがあります。もし朝食を食べてしまった場合は、必ず医師や看護師に申告をしましょう。
■「再検査」の場所は任意
「再検査」でも「精密検査」でも受診する医療施設はどこでもかまいません。
人間ドックを受けた医療施設で「再検査」を受けた場合は、紹介状が不要になります。一方、別の医療施設で「再検査」を受けると紹介状を取りに行く必要があります。ですが、セカンドオピニオンとして別の医師の説明が受けられるメリットもあります。どちらを選択するかは自由です。
■「再検査」の費用は保険適用
通常の人間ドックは保険適用外ですが、「再検査」や「要精密検査」の場合は保険が適用されます。勤めている会社によっては「再検査」や「要精密検査」の費用も負担してくれる場合があるため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)