検査前日はサプリメントも飲まないほうがいい?
念のため医療施設に確認を。サプリメントのなかでも、とくにビタミンサプリメントは検査結果を左右することがあります。
ビタミンサプリメントは2〜3日前から中止を
普段から大量のビタミンサプリメントを飲んでいる人は、検査前に注意が必要です。
還元作用が強いビタミンCは、尿検査用の試験紙で酸化により発色する糖の反応を抑えてしまいます。そのため、尿糖検査の結果で陽性(疑いあり)と出るべきところを陰性(問題なし)に変えてしまう可能性があります。
尿糖検査とは、尿中の糖分を調べる検査で、糖尿病の有無を診断するのに有効な手段です。この検査で陽性(+)がでたからといって糖尿病が確定されるわけではありませんが、早期発見や早期治療につなげるためにも、正確に行う必要があります。
ビタミンサプリメントの影響で糖尿病を発見できないという事態を防ぐために、ビタミンサプリメントは検査の2〜3日前から内服を中止しなければならないとされています。
ビタミンCは多くの健康食品に添加されています。普段よく口にする、プロテインや美容ドリンク、その他サプリメントなどにも含まれていることも多いので、注意しましょう。
ビタミンサプリメント以外のサプリメントの摂取は、検査当日は控えて
先述の通り、ビタミンサプリメントは「2〜3日前から中止をしなければならない」とされていますが、そのほかのサプリメントに関しては、検査当日は中止しなければならないとされています。ただし、前日に対しては決まりがありません。
なぜなら、サプリメントは「食品」として扱われているからです。検査前日は21時から食事制限されているので、サプリも食事と同じように21時までに飲み終えておくとよいでしょう。ただし、睡眠前に内服しているサプリがあり、21時以降の入眠時にどうしても必要であれば、事前に検査先の医師に確認してください。
検査や施設によっては、制限の基準も若干違いがあります。ここで取り上げているのは、一般的に言われている検査の決まりですので、基本的に検査先の決まりを優先して守ってください。また、自分で判断が難しいことは、必ず医師の指示を仰いでください。
正しく正確な結果が得られるように、各個人が医師の指示に従って事前に準備することが重要です。
漢方、貼り薬は確認が必要
医師から処方されている漢方に関しては、前日は通常通り内服することができます。しかし、個人的に健康のために飲んでいる漢方は医師への確認が必要です。
湿布に関しては、前日に使用してはいけないという決まりはありません。ただし、検査当日に湿布や磁気絆創膏などはすべて取り除かなくてはいけませんので、つけたら忘れずに外すようにしましょう。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)