結果表の「基準範囲」って何?
「基準範囲」とは、受診者の検査値が正常かどうかを確認する指標です。
「基準範囲」はあくまで診断の補助的な材料
受診結果票に記載されている検査値の横には、必ず「基準範囲」が載っています。この「基準範囲」というのは、その項目において異常かどうかを確認するための指標です。
各検査項目の「基準範囲」内に、検査数値が入っていれば現状「異常なし」と判断されます。しかし「基準範囲」を明らかに上回っていたり、下回っていたりすると、その検査項目の「異常」を表します。その場合「再検査」もしくは「要精密検査」と判断されるでしょう。
ただし、「基準範囲」を超えていても、確実に病気というわけではありません。検査項目の「基準範囲」はあくまで診断の補助的な材料であるため、検査値だけで疾患を特定することはできません。異常な数値のほかに、受診者の身体的特徴、調子の悪い部位、痛みや腫れの具合といった身体的所見や画像検査の結果などを総合的に見て、診断が下されます。
検査値が異常でも身体的所見や画像検査に問題が見られない場合は、「異常なし」と判断され、経過観察になる場合が多いです。検査項目の「基準範囲」を逸脱していたからといって一喜一憂する必要はありませんが、「再検査」や「要精密検査」などの通知が来た場合はすみやかに医療機関を受診しましょう。
医療施設ごとに「基準範囲」が違う場合も
「基準範囲」は医療施設によって異なる場合があります。そのため、検査項目の数値が異常かどうかは医師の判断に委ねられることも多いです。ただし「基準範囲」が大きく違うことはないため、ほぼ同じ診断が下されると思ってよいでしょう。心配であれば、人間ドックを受診した施設に問い合わせてみることをおすすめします。
この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)