健診や人間ドックの結果の見方がわからない。
おもに、自身の数値と基準範囲数値の比較、各項目の特記事項と判定を確認しましょう。
自身の検査値が基準範囲内かをチェック
血液検査や尿検査を行うと、さまざまな項目の結果を出すことが可能です。検査数値は、身体の正常や異常を判断する材料になります。検査結果票を受け取ったら、まずは数値が基準範囲内かどうか確認しましょう。基準範囲は、自身の数値の近く、もしくは裏や別紙に一覧で記載されています。
検査項目の数値が基準範囲内だった場合は、今のところ異常は見られないという判断で構わないでしょう。数値が低すぎたり、高すぎたりして基準範囲外だった場合は、その項目に関係する部位に異常があるかもしれません。あくまで数値上の異常のため、正確な診断は、画像診断などより精密な検査を行うことで判断します。
「再検査」、「要精密検査」、「要治療」はすみやかに対応を
「再検査」、「要精密検査」、「要治療」と診断された項目は、すみやかな対応を心がけましょう。
医師は、人間ドックを受診した人の状態を総合的に見て「再検査」、「要精密検査」、「要治療」を判断します。そのため、検査結果票に上記3つの診断が出ている部位は、異常がある可能性が高いことを示しています。
「再検査」、「要精密検査」、「要治療」の診断が出ているにもかかわらず、医療施設へ受診をしない人もいますが、進行してしまってからでは手遅れになる可能性も否定できません。検査結果票を見て上記3つの診断がないか、必ずチェックしてください。
「経過観察」は「異常なし」ではない
ほとんどの医療施設では、アルファベットで判定基準を表しています。細かい違いはありますが、以下のように示されています。
A:異常なし
B:健康上の問題なし
C:経過観察
D:再検査もしくは要精密検査
E:要治療
ここで重要なのは、Cの経過観察です。経過観察は決して異常なしというわけではなく、再検査一歩手前の状態を表しています。とくに、生活習慣病に関係する「尿糖」の値がC判定だった場合、生活習慣を改善させないと、糖尿病などの重篤な生活習慣病を発症させる恐れがあります。「再検査」や「精密検査」の対象にならなかったからといって油断をしないようにしましょう。
数値の細かい内容は、「検査項目」の各ページをご確認ください。
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この記事の監修ドクター

マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)