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結核

結核とは?

結核とは、結核菌が肺や肺以外の臓器に感染して起こる疾患のことです。肺結核は、人から人へと感染しますが、感染しても必ず発病するとは限りません。一般社団法人呼吸器内科学会によると、結核を発病する人は感染した人のうちの10%程度と言われており、多くの人は免疫力で対抗できます。しかし、高齢者や、免疫力が低下している人が感染すると発病することがあります。

結核の種類

結核には次の2種類があります。

肺結核

結核菌が肺に感染し、炎症を起こすと徐々に肺を破壊していきます。肺が破壊されていくと、咳や痰、血痰(血液が混じる痰)、呼吸困難などの症状が出ます。公益財団法人結核予防会によると、日本では結核の約80%が肺結核と言われています。

肺外結核

肺以外の臓器に結核菌が感染することもあります。腎臓やリンパ節、骨、脳などが挙げられます。

結核の症状

発熱、寝汗、倦怠感、体重減少、咳、痰、血痰(血液が混じる痰)、呼吸困難などが結核の主な症状です。咳や痰がある場合は、他人に感染させる可能性が高くなります。2週間以上続く咳があったり、咳に血液が混じったりしているようであれば早めに医療機関を受診しましょう。

結核の原因と予防法

結核の原因

結核は、結核菌という細菌の感染が原因で発病します。

予防法

結核は免疫力が低下すると発病するため、規則正しい生活を送り、免疫力が低下しないように日頃から心がけておくことが大切です。バランスのよい食事を摂る、適度な運動をする、十分な睡眠をとる、過労・ストレスを避けるなど、生活習慣や食習慣を整えましょう。

定期的な健康診断を受けることも有用です。また、BCGワクチンの接種で結核の重症化を防ぐことができます。

結核になりやすい人

次の項目に当てはまる人は、結核になりやすいといえます。

●乳幼児
●高齢者
●免疫力が低下している人(糖尿病、低栄養など)
●免疫力が低下する内服薬を飲んでいる(副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制剤など)
●慢性肺疾患や腎機能障害などの持病がある
●HIV/AIDS感染者

結核の罹患率と死亡数

厚生労働省が発表している平成29年の結核登録者情報調査年報集計結果によると、平成29年の結核罹患率は13.3(人口10万対)でした。

また、同年の結核による死亡数は2,303人(概数)とされています。

結核を調べる検査

結核を調べるためには次のような検査をします。

胸部レントゲン検査

肺結核の場合には、胸部エックス線検査で空洞病変や影を確認できることがあります。
「胸部レントゲン検査」についてもっと詳しく見る→

胸部CT検査

胸部エックス線検査で疑わしい影がある場合に、胸部CT検査で精密検査を行います。
「胸部CT検査」についてもっと詳しく見る→

ツベルクリン反応検査

ツベルクリンという液体を皮内に注射し、48時間後に反応を見る検査です。結核菌に感染している場合やBCGワクチン接種を受けた人は皮膚が赤くなります。

血液検査(QFT検査)

ツベルクリン反応検査では、結核に感染しているのか、ワクチンによる反応なのか判断が難しいことがあります。QFT検査では、血液を採取することによって現時点で結核に感染しているかどうか診断できます。ワクチンの影響を受けないので、ツベルクリン反応検査の代用として行われることが増えています。

喀痰検査

感染性のある結核菌を排菌しているかどうか確認できる検査です。喀痰検査で陽性の場合には、隔離入院が必要になることがあります。

この記事の監修ドクター

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 研究員
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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