佐賀県杵島郡白石町戸ヶ里1811
佐賀県佐賀市高木瀬町長瀬1167-2
佐賀県小城市小城町1000番地1
佐賀県唐津市千代田町2566-11唐津地域医療総合保健医療センター4階
佐賀県佐賀市木原1-24-38
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佐賀市は佐賀県の県庁所在地で、2005年に諸富町、大和町、富士町、三瀬村と合併し、2007年には川副町、東与賀町および久保田町と合併し、現在の佐賀市になりました。「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」のひとつとして、世界文化遺産に登録された「三重津(みえつ)海軍所跡」や、ラムサール条約湿地に登録された「東よか干潟」があるなど、さまざまな魅力をそなえたまちです。
2021年9月現在の人口は約23.1万人(住民基本台帳による)です。国勢調査によれば、佐賀市の人口は1995年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、佐賀県全体の直近のピークは1988年です(いずれも国勢調査をもとにした推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所によれば、現状のままでは2045年には約21.0万人に減少すると推計されています。2021年9月現在における65歳以上の高齢者人口は約6.6万人で、高齢化率は28.7%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、佐賀市の高齢化の状況は日本全体とほぼ同じと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、佐賀市の平均寿命と健康寿命を示した表です。佐賀市の健康寿命は、介護保険要介護認定に基づいて要介護2〜5以外の状態として算出されています。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2012年 | 2017年 | 増減 | 2012年 | 2017年 | 増減 | |
平均寿命(歳) | 79.38 | 81.31 | +1.93 | 86.82 | 86.65 | -0.17 |
健康寿命(歳) | 78.29 | 80.18 | +1.89 | 84.02 | 84.17 | +0.15 |
不健康である期間(年) | 1.09 | 1.13 | +0.04 | 2.80 | 2.48 | -0.32 |
2017年現在の佐賀市の健康寿命は、男性80.18歳、女性84.17歳です。2012年と比べると男性は1.89歳、女性は0.15歳延伸しています。佐賀市健康づくり計画「いきいきさがし21(第2次)」では、健康寿命の延伸を目標として明記しています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、佐賀市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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佐賀市※2019年 | 悪性新生物(がん)26.7% | 心疾患12.6% | 脳血管疾患7.9% | 肺炎7.7% | 老衰(同率4位)7.7% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
佐賀市は日本全体とくらべ、心疾患の死亡割合が2.3ポイント低い値となっています。しかしながら、日本全体で3位の老衰は佐賀市では同率4位で、ポイントで見ると日本全体を1.1ポイント下回っています。佐賀市の高齢化率は日本全体と同程度ですが、老衰よりも疾患で亡くなる方が多いという結果になっています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
佐賀市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、佐賀市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
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胃がん | 胃部X線(バリウム)もしくは胃内視鏡(胃カメラ) | ・バリウム:40歳以上・胃カメラ:50~64歳の偶数年齢 | ・バリウム:年1回・胃カメラ:2年に1回 | ・バリウム:無料・胃カメラ:5,000円 |
子宮がん | 視診、内診、子宮頸部細胞診、子宮体部細胞診※30歳以上希望者はHPV検査を同時実施※子宮体部細胞診は医師の判断によって実施 | 20歳以上女性 | 年1回※子宮体がん検診とHPV検査を受け、結果が「両方とも異常なし」だった方の次回の子宮がん検診は、受診から3年後 | ・子宮頸部集団:500円個別:1,300円・子宮頸部+子宮体部個別:2,100円※HPV検査は別途1,000円 |
肺がん | 胸部X線、痰の検査※痰の検査は喫煙者に対し、医師の判断によって実施 | 40歳以上 | 年1回 | 無料 |
乳がん | マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 年1回 | 500円 |
大腸がん | 便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 | 無料 |
前立腺がん | PSA検査 | 佐賀市国保の特定健診または後期高齢者健診を受診する50歳以上の男性 | 年1回 | 500円 |
佐賀市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。指針では2年に1回となっている子宮頸がん・乳がんの検診が年1回受診でき、指針にはない前立腺がん検診を実施しているのが特長です。
佐賀市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 30歳の女性 | 視診、内診、子宮頸部細胞診 |
乳がん | 41歳の女性 | マンモグラフィ |
下記は、佐賀市が実施した2015年度から2019年度の各がん検診の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 14.3% | 55.2% | 20.6% | 44.6% | 24.1% |
2016年度 | 7.7% | 21.7% | 7.1% | 18.7% | 8.1% |
2017年度 | 6.9% | 21.7% | 6.5% | 17.0% | 7.5% |
2018年度 | 6.4% | 21.2% | 6.4% | 15.9% | 7.4% |
2019年度 | 6.0% | 21.1% | 6.3% | 15.3% | 7.0% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
佐賀市の受診率で日本全体よりも上回っているのは子宮頸がん検診のみで、その他の検診は日本全体を下回っています。また子宮頸がん検診含め、全検診とも受診率は年々低下している傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去、国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
佐賀市では、がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝臓がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。佐賀市では、佐賀市国保の特定健診・30代の健診・後期高齢者健診を佐賀県健診・検査センターや各支所の会場で初めて受診する際に、肝炎ウイルス検査を無料で受けられる。精密検査が必要になった場合は、佐賀県の精密検査助成制度が利用できる。
・土日健診や女性検診の日の設定や託児所開設 佐賀県検診・検査センターでは平日に健診を受けにくい人のために、土日にも健診を実施している。また女性だけが健診を受けられる日や託児所を開設する日を設け、受診を呼びかけている。
佐賀市では、佐賀市在住の国民健康保険被保険者を対象に、一日人間ドック・脳ドックの費用の一部が助成されます。
佐賀市の一日人間ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 当該年度4月1日時点の国保加入者のうち、保険税の滞納のない世帯の35~74歳
【助成費用】 18,000円
受診は市内の契約医療施設のみで、年度ごとに助成定員があります。募集時期や詳細は佐賀市サイトで確認してください。
佐賀市の脳ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 当該年度4月1日時点の国保加入者のうち、保険税の滞納のない世帯の40~69歳
【助成費用】 25,000円
受診は市内の契約医療施設のみで、年度ごとに助成定員があります。募集時期や詳細は佐賀市サイトで確認してください。
佐賀市は、健康づくり計画「いきいきさがし21(第2次)」の中で市民の健康寿命の延伸のために、がん、糖尿病などの11の分野で目標項目を掲げ、目標の達成に向けた様々な取り組みを推進しています。ユニークな取り組みを紹介します。
・歯周病予防への取り組み 集団健診の会場で、20歳以上が無料で受診可能な歯科検診を実施するとともに、歯周病予防の重要性をウェブサイトやリーフレットで伝えている。
・生活習慣病の知識も得られてカロリー消費もできるオリジナル体操 市民に肥満度や適正体重などについて関心をもってもらうきっかけとして、生活習慣病予防に関する知識を歌詞に盛り込んだ佐賀市のオリジナルの「カロリーソング体操」を制作。軽快なリズムにのって体操する「基本バージョン」、柔軟性を高め筋トレにもなる「ストレッチバージョン」、「キッズカロリーソング体操」などの種類がある。DVDやCDを市民に無料で貸し出すほか、YouTubeで動画も公開している。
・健康づくりの輪を広める「健康ひろげ隊」 自分でも健康づくりを実践しながら、家族、近所などまわりの人にも健康づくりを広げる「健康推進員」のことを「健康ひろげ隊」と呼んでいる。健康ひろげ隊は、カロリーソング体操やラジオ体操を広めるほか、各地でウォーキンググループを主催しウォーキングをするなどの活動をおこなっている。
※本記事は2021年11月時点の情報を元に作成しています。