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この検査は何のための検査?

更新日: 2025.07.09

新型コロナウイルス抗原検査

新型コロナウイルス抗原検査とは?

新型コロナウイルス抗原検査とは、ウイルスがもつ特徴的なタンパク質(抗原)を検出する検査です。現在その病気にかかっているかどうかを調べます。検体の採取方法は、鼻を細い棒でぬぐう方法、または唾液を採取する方法があります。

新型コロナウイルス抗原を調べる目的

新型コロナウイルス抗原検査の目的は、現在感染している可能性があるかを調べることです。とくに、発症初期にウイルス量が多い期間に有効な検査です。ただし、ウイルス量が少ない場合や検査のタイミングによっては、正確な結果が得られないこともあります。

新型コロナウイルス抗原検査には「抗原定量検査」と「抗原定性検査」の2種類があり、前者はコロナウイルスの抗原の量、後者は抗原の有無を調べます。それぞれの特徴や異なる点を下表にまとめました。

抗原定量検査 抗原定性検査
調べるもの 抗原の量 抗原の有無
対象 ・発症から9日目以内
・発症から10日目以降
・無症状の濃厚接触者
・発症から9日目以内
・発症から10日目以降(※)
特徴 ・クリニックなど検査機器がある施設で検査可能
・精度は簡易的なPCR検査と同等
・簡易キットにより自宅等で検査可能
・抗原が一定以上でないと検出されないことがある
検査方法 ・鼻に細い棒を入れてぬぐう方法が主流(鼻咽頭ぬぐい液・鼻腔ぬぐい液)
・発症から9日以内、無症状者には唾液による検査も可能
・鼻に細い棒を入れてぬぐう方法が主流(鼻腔ぬぐい液)
・唾液による検査は研究中
・無症状者には推奨されない
判定時間 約30分(+検査機関への搬送時間) 約15~30分

※検査可能だが、陰性の場合は必要に応じてPCR検査や抗原定量検査の実施が推奨される

定量検査は、定性検査より少ない量のウイルスを検出でき、検査精度は簡易的なPCR検査(等温核酸増幅法)※と同等とされています。一方の定性検査は、薬局などで購入可能な簡易キットによって自宅等で検査が可能です。ただし、ウイルスの量が少ないと陰性になる(偽陰性)こともあります。また、無症状の方への使用は、偽陰性のリスクが高いため基本的には推奨されていませんが、公的なスクリーニング目的などで実施されることもあります。検査結果は、ウイルス量や症状の有無に左右されるため、単独での判断は避け、医師による総合的な評価が推奨されます。

※新型コロナウイルスのPCR検査(ウイルスの遺伝子を調べる検査)には大きく「リアルタイムRT-PCR」、「等温核酸増幅法」があり、リアルタイムRT-PCRは最も信頼性が高い検査。PCRと同様にウイルスの遺伝子を増幅して検出する等温核酸増幅法(例:LAMP法)はリアルタイムPCRと比べると感度※は落ちるものの、簡便に検査でき、結果が出るまでの時間が比較的短い利点があり、実用範囲とされている。PCRより短時間で結果が出るため、一部のクリニックや検査センターで導入されている。

新型コロナウイルス抗原検査で見つけられる病気

新型コロナウイルス抗原検査により、現在新型コロナウイルスにかかっているかどうかがわかります。

新型コロナウイルス抗原検査結果の見方

新型コロナウイルス抗原検査の結果は陰性・陽性で示されます。ただし、偽陰性(陽性なのに陰性になること)となる可能性もあり、陰性結果は必ずしも感染を否定するものではありません。また、偽陽性(陰性なのに陽性になること)となる場合もあります。

偽陰性は、感染初期や検体の採取不良、ウイルス量が少ない場合などに起こることがあります。偽陽性は、まれに試薬の反応性や他のウイルスとの交差反応により生じることがあります。いずれの場合も、症状や接触歴とあわせた慎重な判断が必要です。

新型コロナウイルス抗原検査結果の注意点

新型コロナウイルス抗原検査のうち定性検査は、リアルタイムRT-PCRと比較し、ウイ
ルス量が少ない場合の検出感度は低いとされています。また、簡易キットにより自身での検査が可能なため、正しい方法で検査が行われなかった場合は偽陰性となったり、判定不能となったりする場合があります。粘性の高い検体や小児において偽陽性の報告があります。

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この記事の監修ドクター

この記事は、以下の医師による監修を受け、MRSO編集部が作成しています。

上 昌広(かみ まさひろ)
この記事の監修ドクター
医療ガバナンス研究所 理事長
マーソ株式会社 顧問
1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
山本 佳奈(やまもと かな)
この記事の監修ドクター
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)
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