高知県高知市上町1-7-1
高知県高知市塚ノ原37
高知県高知市桟橋通6-7-43
目次[非表示]
高知県は四国地方の南部に位置する県で、県庁所在地は高知市です。坂本龍馬や吉田茂など、多くの偉人を輩出してきた県として知られています。また、高知城などの歴史的建造物や四万十川に代表される雄大で美しい自然、北本町や玉水(たまみず)地域の古く情緒ある街並みなど多くの見所も有しています。
2021年11月1日現在の人口は約68.2万人(推計人口)です。高知県の人口は、47都道府県のうち45位(2021年1月1日現在)です。「第2期高知県まち・ひと・しごと創生総合戦略」によると、高知県の人口は1955年をピークに減少に転じています。その後1975年には再び上昇に転じていますが1985年を境に再度減少に転じ、現在も減少が続いています。なお、日本全体のピークは2008年です(推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、高知県の人口は、現状のままでは2045年には約49.8万人に減少するとされています。
2021年11月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約24.6万人で、高齢化率は36.1%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、高知県の高齢化率は全国平均を大きく上回っていると言えます。また、多くの地方自治体と同様に、人口は減少しているにもかかわらず高齢者の人口は増加しており、今後さらに高齢化が進んでいくことが予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における高知県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
---|---|---|---|
男性 | 71.37歳(72.14歳) | 8.67年(8.84年) | 80.3歳(80.8歳) |
女性 | 75.17歳(74.79歳) | 11.66年(12.34年) | 87.0歳(87.0歳) |
2016年現在の高知県の健康寿命は、男性71.37歳、女性75.17歳で、これは47都道府県のうち男性42位、女性18位です。「日常生活に制限のある期間の平均」は男女ともに全国平均を下回っています。とくに女性のほうが短く、男性よりも全国平均比において健康寿命が長いことと相関しています。「第4期よさこい健康プラン21」では、壮年期死亡率の改善を通した「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を目標としています。なお、高知県では40〜64歳を壮年期としています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、高知県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
高知県※2018年 | 悪性新生物(がん)24.9% | 心疾患16.8% | 肺炎8.7% | 脳血管疾患8.0% | 老衰7.0% |
日本全体※2018年 | 悪性新生物(がん)27.4% | 心疾患15.3% | 老衰8.0% | 脳血管疾患7.9% | 肺炎6.9% |
高知県の死因順位は1〜4位を疾患が占めています。老衰の死亡割合が日本全体よりも低く、高知県民は老衰よりも疾患で亡くなる方が多いと言えます。また死因の第1位は日本全体と同じく悪性新生物(がん)であり、全死亡者のおよそ4人に1人ががんで死亡していることになります。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。高知県の県庁所在地である高知市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
---|---|---|
子宮頸がん | 当該年度21歳になる女性 | 視診、内診、細胞診 |
乳がん | 当該年度41歳になる女性 | マンモグラフィ |
また、次の方は申請書の提出により、無料でがん検診を受診することができます。 ・生活保護等受給世帯の方 ・市民税非課税世帯の方
がん検診の詳細は各市区町村ページをご参照ください。
高知県高知市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の高知県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.5% | 15.2% | 12.2% | 7.3% | 10.4% |
2016年度 | 9.3% | 13.1% | 10.0% | 16.9% | 8.4% |
2017年度 | 8.7% | 12.9% | 9.7% | 17.2% | 8.3% |
2018年度 | 8.3% | 12.7% | 9.0% | 16.4% | 8.1% |
2019年度 | 7.7% | 12.3% | 8.3% | 16.0% | 7.8% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
高知県のがん検診受診率は、子宮頸がん、乳がんにおいて日本全体を下回っています。肺がんは例年日本全体を上回っており、胃がん、大腸がんはほぼ同水準です。2016年以降、受診率が最も高いのは乳がん検診ですが、いずれの年度も日本全体の受診率を下回っています。また、全検診とも年々受診率は低下しており、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40〜60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20〜40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、高知県では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝炎ウイルスは肝臓がんの主因のひとつであり、事前に適切な検査を受けることで肝臓がんのリスクを低減することができる。高知県では、県内5ヶ所の福祉保健所において肝炎ウイルス検査とウイルス性肝炎に関する無料相談を行っている。肝炎ウイルス検査の対象はこれまで一度もウイルス検査を行ったことがない人で、検査対象となるウイルスはB型・C型肝炎、検査費用は無料。
・がん検診個別通知にかかわる経費支援 高知県では、がん検診未受診者に対する個別通知を行う市町村に対して、通知にかかわる経費の支援を実施している。40代、50代に対する通知が対象で、高知県によれば、高知市の場合、この取り組みにより対象年齢の受診率が向上しているという。
高知県では、市町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。詳しくは各市町村のWebサイトをご参照ください。例として、高知市の人間ドック費用補助を紹介します。
高知市では、国民健康保険被保険者が人間ドックと特定健診をセットで受診すると、人間ドックの検査項目のうち、特定健診部分(基本項目のみ)が無料となります。特定健診にない項目は実費です。
●人間ドック 【助成対象者】 高知市在住の国民健康保険被保険者(40歳以上75歳未満) 【助成額】 特定健診に含まれる項目の費用
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち高知県内の機能評価認定施設は2021年10月現在で3施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
高知県では、「日本一の健康長寿県」を目標に、壮年期死亡率の改善とそれによる健康寿命の延伸、健康格差の縮小を目指してさまざまな取り組みを行なっています。
・スマホアプリを活用したポイントプログラム 専用アプリ「高知家健康パスポート」を活用した健康ポイント事業を実施。健康診断の受診やスポーツ施設の利用、健康イベントへの参加などにより健康ポイントが付与される。ポイントをためると県内賛同施設において特典を受けられるほか、賞品が抽選で当たる、パスポートをランクアップさせてさらに上位の特典を受けられるといったメリットがある。
・高血圧対策に取り組む企業の認定 県民の高血圧対策に賛同・施策の実施を行っている企業を「高血圧対策サポーター企業」として認定する事業。認定された企業は県の公式サイトに掲載されるほか、「高血圧サポーター企業」を標榜できる。サポーター企業は、ポスターの掲示やチラシの配布、社内における勉強会の開催、企業独自の企画(高血圧予防に関係する自社製品の販売等)の展開など6つのうちいずれかの活動を行うものと規定されている。
・官民協同の減塩プロジェクト 県内の小売店や食品メーカーなどとの協働による減塩プロジェクトを行っている。減塩商品の開発や減塩メニューの紹介などを通し、消費者の食生活の改善と減塩意識の向上を目指す。参加企業は県公式サイト上に掲載される。
※本記事は2021年10月時点の情報を元に作成しています。