手足がしびれる
手足がしびれるメカニズム
手足がしびれるおもな原因は、神経や血管の異常です。手足の神経は末梢神経と呼ばれていて、脊髄を経由して脳へ繋がっています。脳や脊髄の神経は中枢神経と呼ばれます。これらの神経路のどこかが圧迫されているか、炎症で侵されていると神経に異常が起きます。
また、手足の末梢神経に異常が出る場合、糖尿病の可能性もあります。糖尿病が原因で起きる神経障害を「糖尿病性神経障害」と呼びます。おもに、手足の皮膚感覚低下や四肢の筋力低下・筋萎縮などが起こります。さらに、消化器の運動にも末端神経は関わっているため、胃腸などの運動に異常が出ることもあります。
脳や脊髄の中枢神経の感覚が低下する、反応が鈍くなるなどの異常がでている場合の疾患は、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍や脊髄腫瘍があります。また、脊髄が変形した場合や脊椎間狭窄症などで神経が圧迫した場合も、手足にしびれを引き起こすことがあります。
手足がしびれる場合に考えられる病気
手足がしびれる状態が続くときは、以下のような病気の可能性があります。
脳腫瘍、脳梗塞、脳出血、脊椎間狭窄症、変形性脊椎症、糖尿病など
手足のしびれの原因究明のための検査
手足がしびれる状態が続くときは、以下の検査を行います。
血液検査
糖尿病の進行程度を測定するため、空腹時血糖や血糖値を測定します。
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頭部MRI検査
磁気を身体に当てて、体内の水分が発する共鳴電波という電波を受信して画像を形成する検査です。脳梗塞や脳出血、脳腫瘍について調べます。
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頭部MRA検査
脳の血管を特異的に検査する方法です。血管の形態異常を観察します。脳動脈瘤があればくも膜下出血のリスクが高くなり、動静脈奇形があれば脳梗塞のリスクが高くなるため注意が必要です。
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MRI検査
脳以外でもMRI検査は有効です。たとえば、脊椎間狭窄症や変形性脊椎症の場合は脊椎と椎間板の関係性をMRI検査で観察します。
この記事の監修ドクター
マーソ株式会社 顧問
虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。
2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)