山口県山口市小郡下郷1773-1
山口県山口市阿知須4841番地1
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山口市は山口県の県庁所在地で、2005年に山口市・小郡町・阿知須町・秋穂町・徳地町の1市4町による合併 で新「山口市」となりました。2010年には阿東町と合併し、県内で最も広い市となっています。
2021年8月現在の人口は約19.3万人(推計人口)です。国勢調査によれば、山口市の人口は2005年をピークに減少に転じています。なお、日本全体のピークは2008年、山口県全体のピークは1985年です(いずれも推計人口)。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、山口市の人口は現状のままでは2045年には約17.8万人に減少すると推計されています。2021年7月現在における65歳以上の高齢者人口は約5.6万人で、高齢化率は29.8%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、山口市の高齢化率は全国よりも高いと言えます。多くの地方自治体同様、人口が減少しているのに対して、高齢者の人口は増加しています。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、山口市の平均寿命と健康寿命を示した表です(カッコ内は全国平均)。山口市の健康寿命は、介護保険要介護認定に基づいて要介護2〜5以外の状態として独自に算出されています。平均寿命と健康寿命との差(不健康である期間)が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
男性 | 女性 | |||||
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2010年 | 2015年 | 増減 | 2010年 | 2015年 | 増減 | |
平均寿命 | 78.9歳(79.6歳) | 81.2歳(80.8歳) | +2.3 | 86.3歳(86.3歳) | 87.1歳(87.0歳) | +0.8 |
健康寿命 | 77.6歳 | 79.9歳 | +2.3 | 83.3歳 | 84.2歳 | +0.9 |
不健康である期間 | 1.3歳 | 1.3歳 | ±0.0 | 3.0歳 | 2.9歳 | -0.1 |
2010年と2015年を比較すると、山口市の男性の平均寿命と健康寿命はともに2.3年長くなっていて、不健康である期間は変わりません。女性は、不健康である期間がわずかに減っています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、山口市と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
山口市※2018年 | 悪性新生物(がん)26.2% | 心疾患15.0% | 脳血管疾患9.7% | 老衰9.1% | 肺炎6.7% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
山口市の死因順位は全国と比較し、3位、4位が入れ替わっています。4位の老衰は全国よりも順位は低いものの、ポイント数では高くなっています。これは、日本全体よりも高齢化が進んでいるためと推測されます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
山口市が実施しているがん検診の種類と費用は下記の通りです。太字は、山口市独自の取り組みです。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 | 費用 |
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胃がん | 問診、胃部X線検査(バリウム) | 40歳以上 | 年1回 | 集団:1,700円個別:2,300円 |
胃がん | 問診、胃内視鏡検査(胃カメラ) | 50歳以上 | 2年に1回 | 個別:2,600円 |
子宮頸がん | 問診、子宮頸部細胞診 ※医師が必要と認めた方は、子宮体部細胞診も実施 | 20歳以上女性 | 2年に1回 | ●子宮頸部集団:1,200円個別:1,400円●子宮頸部+子宮体部:2,200円 |
肺がん | 胸部X線検査※50歳以上の方は問診内容により喀痰細胞診も実施 | 40歳以上 | 2年に1回 | 集団:無料※喀痰細胞診は600円 |
乳がん | マンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 | 集団:1,100円個別:1,500円 |
大腸がん | 免疫便潜血検査(二日法) | 40歳以上 | 年に1回 | 集団:300円個別:900円 |
前立腺がん | 血液検査 | 50歳以上で偶数年齢になる男性 | 2年に1回 | 個別:1,000円 |
山口市のがん検診は、基本的には厚生労働省の指針に沿っています。また、指針にはない前立腺がん検診も実施しています。
山口市のがん検診の無料クーポンは下記の通りです。
種類 | 対象者※年齢は当該年度4月1日時点で判定 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 20~40歳の5歳刻み年齢の女性 | 問診、子宮頸部細胞診(医師が必要と認めた方は子宮体部検査) |
乳がん | 40~60歳の5歳刻み年齢の女性 | マンモグラフィ |
胃がん | 40~60歳の5歳刻み年齢 | 胃部内視鏡検査(胃カメラ)または胃部X線検査(バリウム) |
大腸がん | 40~60歳の5歳刻み年齢 | 免疫便潜血検査(2日法) |
前年度に胃内視鏡検査、子宮がん検診、乳がん検診を受診した方は対象外です。また、子宮体がん検診を同時実施した場合も対象外です。次の方は無料で受診できます。 ・生活保護世帯(医療依頼証兼生活保護費受給証を提示) ・中国在留邦人(中国在留邦人等支援給付等の支援決定がされている者であることを証明する本人確認証を提示)
また、次の方は自己負担金が500円(大腸集団検診は300円)でがん検診を受診することができます。 ・70歳以上の方 ・70歳未満で後期高齢者医療被保険者証を持っている方 ・すべての世帯員が市民税非課税の方
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 1.6% | 17.8% | 3.0% | 16.0% | 4.4% |
2016年度 | 3.9% | 14.3% | 2.6% | 13.7% | 4.4% |
2017年度 | 4.7% | 15.0% | 3.0% | 13.4% | 4.2% |
2018年度 | 5.0% | 14.9% | 2.7% | 13.1% | 3.9% |
2019年度 | 4.6% | 14.6% | 2.3% | 12.9% | 3.6% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
山口市のがん検診受診率は、日本全体を下回っている検診がほとんどです。日本全体との乖離が小さいのは子宮頸がん検診と乳がん検診ですが、それでも日本全体の受診率を上回る年はありません。
乳がん検診は2016年度以降、子宮頸がん検診は2018年以降、受診率が下がってきています。2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、山口市では次のような取り組みを行っています。女性対象では受診時の託児サービスの実施や休日平日夜間でのがん検診などで受診のハードルを下げるとともに、民間との連携により受診を呼びかける取り組みもあります。
・肝炎ウイルス検査の実施 肝炎ウイルスの感染による慢性肝炎や肝硬変は、肝がんの主要な原因となっている。ウイルスに感染していても数年は無症状のため、肝炎ウイルスの血液検査(B型・C型)の実施は、肝臓がんの予防につながる。対象者40歳以上、受診費1,000円(個別検診のみ)。
・9月10月は休日と平日夜間のがん検診を受け付け 県と連携した取り組みとして、9月の「がん征圧月間」、10月の「ピンクリボン月間」に合わせて、一部の医療機関で休日・平日夜間も検診を実施。休日は子宮がん検診、乳がん検診、大腸がん検診、平日夜間は乳がん検診のみ。
・明治安田生命保険相互会社と健康増進に関する連携協定を締結 顧客訪問の際にがん検診の受診を呼びかけるなどのがん対策を含む、4つの項目で連携。市民や企業に直接、働きかけて、受診率の向上を目指す。
・子宮頸がん検診・乳がん検診における託児サービス 集団検診の特定日に託児サービスを実施。
山口市では、山口市国民健康保険の加入者を対象に、人間ドック・簡易脳ドックの費用の一部が助成されます。
山口市の人間ドックの助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 40~74歳の山口市国民健康保険者 ※任意検査は年齢制限あり
【助成額】 検査費用の8割(目安:約4,500円~9,300円) ※任意検査(前立腺がん検査、子宮頸部がん検診)は別途1000円必要
【任意検査の対象】 ・前立腺がん検査:55歳以上男性 ・子宮頸がん検診:20歳以上の女性
40〜74歳の方は、特定検診と人間ドックのどちらか一方のみ受診可能です。また、人間ドックで受診した検診項目(胃がん、肺がん、大腸がん)と同じ項目のがん検診は受診不可となります。その他詳細は山口市サイトや山口市役所で確認してください。
山口市の脳ドック(簡易脳ドック)の助成内容は下記の通りです。
【助成対象者】 40~74歳の山口市国民健康保険者
【助成額】 検診費用の8割(自己負担額5,800円)
【検査項目】 MRI検査、MRA検査
その他詳細や条件は山口市サイトや山口市役所で確認してください。
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち山口市内の機能評価認定施設は2021年9月時点で2施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
山口市は、市民一人ひとりが心身ともに健やかで、障害にわたりいきいきと暮らすことをめざし、「健康都市」とすることを宣言しています。市民の健康づくりを応援するため、運動、栄養、心の3つの柱で、さまざまな取り組みを行っています。ユニークな取り組みを紹介します。
・18~39歳のヘルスチェック 若い世代に特化して、ワンコインで検診を実施。検診結果の個別説明や子連れ利用者へのサポートも行う。職場等で健診を受ける機会のない18~39歳の山口市民が対象で、受診費は500円。検査項目は身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、医師診察。
・山口市元気いきいきポイント ポイントがたまると、協力店でサービスを受けられる特典カードをもらえたり、抽選で旅行券や道の駅の商品券が当たったりする、健康マイレージ制度。ポイントを貯めるには、自分にあった目標づくりと検診・人間ドックの受診が必須。健康づくり教室や地域行事等への参加、レノファ山口FCの試合観戦などでもポイントが貯まる。
・こころの体温計 Webサイト上で手軽に行えるストレスチェッカーを公開。簡単な質問に答えて、セルフチェックできる。結果表示画面で、関連する相談窓口を紹介する。
※本記事は2021年9月時点の情報を元に作成しています。