秋田県秋田市千秋久保田町6-10
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秋田県は東北地方に属する県で、県庁所在地は秋田市です。代表的な銘柄米の「あきたこまち」の産地として知られ、米の生産量は新潟、北海道に次いで全国3位です。また、秋田県を代表する食や文化として、つぶしたご飯を棒に刺して焼き鍋で煮込んだ「きりたんぽ鍋」や、男鹿半島で大晦日の晩に行われる伝統行事「なまはげ」などがあります。
秋田県の2021年11月1日現在の人口は約93.6万人(推計人口)であり、47都道府県のうち39位(2021年1月1日現在)です。「秋田県人口ビジョン」によると、秋田県の人口は1956年の約135.0万人をピークに減少に転じ、1974年から1981年まで一時持ち直したものの再び減少しています。なお日本全体のピークは、2008年です(いずれも推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、秋田県は2045年には60.2万人まで減少するとされています。
2021年7月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約36.2万人で、高齢化率は38.5%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、秋田県の高齢化は全国と比べて大幅に進んでいると言えます。多くの自治体同様、今後も高齢化が進んでいくと予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における秋田県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
---|---|---|---|
男性 | 71.21歳(72.14歳) | 8.40年(8.84年) | 79.5歳(80.8歳) |
女性 | 74.53歳(74.79歳) | 11.72年(12.34年) | 86.4歳(87.0歳) |
2016年現在の秋田県の健康寿命は、男性71.21歳、女性74.53歳です。これは47都道府県のうち男性46位、女性33位であり、とくに男性は全国の中でも下位となっています。「日常生活に制限のある期間の平均」においては、男女ともに全国平均より短い数値となっています。秋田県では「第2期健康秋田21計画 中間見直し版」のなかで、県民の健康寿命を延伸することを基本目標としています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、秋田県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
秋田県※2020年 | 悪性新生物(がん)26.9% | 心疾患13.4% | 老衰9.7% | 脳血管疾患9.5% | 肺炎5.8% |
日本全体※2020年 | 悪性新生物(がん)27.6% | 心疾患15.0% | 老衰9.6% | 脳血管疾患7.5% | 肺炎5.7% |
秋田県の死因順位は日本全体と同じです。ポイント数をみると、1位のがん、2位の心疾患は日本全体よりも低い一方で、4位の脳血管疾患は2.0ポイント高い数値となっています。国民生活基礎調査の結果によれば、男性で介護が必要となった原因でもっとも多いのが脳血管疾患であることから、生活習慣病予防などの対策が重要であると言えます。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。秋田県の県庁所在地である秋田市の場合、500円クーポン券の配布や割引制度を実施しています。
種類 | 対象者 | 割引後の受診費(通常の受診費) | 検査項目 |
---|---|---|---|
胃がん | 50歳代 | 無料(1,400円) | 問診、胃部X線検査 |
子宮頸がん | 21歳、30歳代の偶数歳の女性 | 500円(集団 1,500円、個別 2,100円)※21歳の方は、500円クーポン券として配布 | 問診、視診、子宮頸部細胞診、内診(希望者のみ超音波検査) |
乳がん | 40~50歳代の偶数歳の女性 | 1,000円(医師との面談なし:40歳代 2,000円、50歳代 1,400円/面談あり:40歳代 2,500円、50歳代 2,000円) | 問診、マンモグラフィ |
大腸がん | 50歳代の偶数歳の方 | 500円(集団 800円、個別 1,600円) | 問診、便潜血検査 |
500円クーポン券を紛失した場合は、保健予防課に連絡することで再交付が可能です。
また、次の方は対象となるがん検診を無料で受診することができます。 ・生活保護受給世帯の方 ・市民税非課税の方 ・支援給付を受けている方
そのほか、保険の種類や年齢によって各がん検診が無料になる場合があります。がん検診の詳細は各市町村ページをご参照ください。
秋田県秋田市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の秋田県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 9.3% | 19.8% | 13.1% | 17.7% | 17.4% |
2016年度 | 11.6% | 14.4% | 10.3% | 18.1% | 12.9% |
2017年度 | 11.4% | 14.8% | 9.7% | 19.0% | 12.2% |
2018年度 | 10.3% | 14.1% | 9.1% | 17.7% | 11.8% |
2019年度 | 9.7% | 13.8% | 8.4% | 17.4% | 11.2% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
---|---|---|---|---|---|
2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
秋田県のがん検診受診率は、子宮頸がん検診を除くほとんどの検診・年度において日本全体を2〜3ポイント程度上回っています。しかしながら、すべての検診で年々受診率は低下傾向にあり、これは日本全体においても同様の傾向です。
2016年度から一部の受診率が顕著に増減している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去に国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、秋田県では次のような取り組みを行っています。無料の肝炎ウイルス検査の実施や、受動喫煙防止の取り組み、がん教育の実施などがあります。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝硬変や肝臓がんにつながるリスクがある肝炎ウイルスの検査を無料で実施。対象者は肝炎ウイルス検査を受けたことがない方。秋田県指定の医療施設または保健所で受診できる。
・受動喫煙防止の取り組み 県民の受動喫煙を防止するためにさまざまな取り組みを行っている。2020年4月から原則屋内禁煙を義務化し、その措置内容の詳細を説明する出前講座や、小規模飲食店への最大10万円の補助金の交付などを実施。また、たばこの健康影響の普及啓発セミナー「世界禁煙デー 秋田フォーラム2021」や「たばこと健康を考えるセミナー」を開催し、その動画をYouTubeなどで公開している。
・がん教育の実施 子どものころからがんを正しく理解するために、小学生から高校生を対象にがん教室を実施。がん教室では、がん専門医によるがんの話と、がん経験者による経験談の講義が行われる。また、県内の教職員を対象としたがん教育指導者研修会も実施している。
秋田県では、市町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。くわしくは各市町村のWebサイトをご参照ください。例として、秋田市、大仙市、由利本荘(ゆりほんじょう)市の人間ドック費用助成を紹介します。
●人間ドック 【対象者】 35~74歳までの秋田市国民健康保険加入者(当該年度4月現在で12ヶ月以上加入)で、国民健康保険税を完納している方 【自己負担額】 11,544~17,912円(医療施設・検診内容により異なる) 【留意事項】 ・指定医療施設のみ ・定員を超える応募があった場合は、抽選により受診者を決定 ・オプション検査は助成対象外
●人間ドック(日帰り、宿泊) 【対象者】 35~74歳までの大仙市国民健康保険加入者で、国民健康保険税を滞納していない世帯の方 【助成額】 日帰りドック:13,000円 宿泊ドック:25,000円 【留意事項】 ・同一年度内における人間ドックと特定健診の重複受診は不可 ・指定外の医療施設で受診する場合、受診後に市役所窓口で助成金支給の申請が必要
●人間ドック 【対象者】 40~75歳までの由利本荘市国民健康保険加入者、または後期高齢者医療保険加入者 【助成額】 上限8,000円 【助成条件】 ・受診は指定医療施設のみ ・同一年度内に一日人間ドックと特定健診を重複受診した場合、助成予定額の高い方のみ助成 ・オプション料金は助成対象外
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち秋田県内の機能評価認定施設は2021年12月現在で4施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
秋田県では、県民の健康づくりを推進するために、さまざまな取り組みを行っています。ウォーキングラリーの開催、フレイル予防のための運動出前講座の実施などがあります。
・「いとくdeウォーキング」の開催 冬場の運動不足の解消を促す目的として、いとく大館ショッピングセンターで健康づくりのウォーキングラリー「いとくdeウォーキング」を実施。ショッピングセンター内の4つのポイントにあるスタンプをすべて押すと、いとくドリームカードに15ポイントが付与される。実施期間は、2021年12月から3ヶ月間を予定。
・運動出前講座の実施 県民のフレイル(加齢によって心身の活力が低下した状態)を予防するため、健康運動指導士による運動に関する出前講座を無料で実施。講話と軽運動をまじえながら30~60分ほどの指導が行われる。
・「新・減塩音頭」の普及推進 県民の健康的な食事を推進するための唄「新・減塩音頭」を普及推進している。音頭の歌詞は、1番が減塩、2番が野菜・果物摂取、3番が健康寿命延伸に関する内容になっており、秋田弁も交えながら、適切な食事を呼び掛ける唄となっている。秋田県公式サイトでは、カラオケ用も含めた音源や踊り付きの動画を公開している。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。