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青森県青森市安田字近野160-3
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青森県は東北地方の最北部に位置し、県庁所在地は青森市です。また本州の最北端でもあり、ニューヨークや北京、ローマとほぼ同じ緯度に位置しています。本州と北海道を結ぶ世界一の海底鉄道トンネルである青函トンネルや、世界自然遺産に登録されている白神山地をはじめ、世界有数の建設物や自然を有しています。農業では、りんごとにんにくの収穫量が日本の約6割を占めて日本一です。
2021年10月1日現在の人口は約121.4万人(推計人口)です。青森県の人口は、47都道府県のうち31位(2021年1月1日現在)です。「青森県長期人口ビジョン 2020年改訂版」によると、青森県の人口は1983年をピークに全国より速いペースで減少傾向にあります。また都市部と農山漁村を比較すると、人口減少率は農山漁村地域が高いものの、将来の75歳以上人口の増加数が高いのは都市部であることが指摘されています。なお、日本全体のピークは2008年です(推計人口)。国立社会保障・人口問題研究所の2018年時点の推計によれば、今後も人口減少が続き、現状のままでは2045年には約82.4万人に減少するとされています。
2020年10月1日現在における65歳以上の高齢者人口は約41.3万人で、高齢化率は33.9%です。2020年10月の日本全体の高齢化率は28.8%であることから、青森県の高齢化率は日本全体を大きく上回っていると言えます。多くの地方自治体と同様に総人口は減少する一方で高齢者の人口は増加しており、今後も高齢化が進んでいくことが予想されます。
健康寿命とは、2000年に世界保健機関(WHO)が提唱した指標で、平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間を指します。日常生活に制限のない、自立した状態で過ごせる期間と言えます。
下記は、2016年における青森県の健康寿命と「日常生活に制限のある期間の平均」です(カッコ内は全国平均)。日常生活に制限のある期間が長くなるほど医療費や介護費がふくらみ、公費負担が増大する要因になります。
健康寿命※2016年 | 日常生活に制限のある期間の平均※2016年 | 【参考】平均寿命※2015年 | |
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男性 | 71.64歳(72.14歳) | 7.29年(8.84年) | 78.7歳(80.8歳) |
女性 | 75.14歳(74.79歳) | 10.92年(12.34年) | 86.0歳(87.0歳) |
2016年現在の青森県の健康寿命は男性71.64歳、女性75.14歳で、これは47都道府県のうち男性34位、女性20位です。「青森県長期人口ビジョン 2020年改訂版」によると、青森県の平均寿命の順位は男女とも最下位の状態が続いており、2015年においても男性が2.1歳、女性は1.0歳全国平均を下回っています。他方、「日常生活に制限のある期間の平均」は男女とも全国平均より短い結果となっています。「健康あおもり21(第2次)改訂版」では、早世の減少と健康寿命の延伸により全国との健康格差の縮小を目指すことを目標としています。
1981年以降、日本人の死因の第1位はがんです。以降、生活習慣病を主因とする疾患が上位を占めています。生活習慣病とは、生活習慣(食、運動、喫煙、飲酒等)が影響する一部のがんや心臓病(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)、糖尿病などを指します。人口動態調査によると、青森県と日本全体の死因とその割合は下記のようになっています。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
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群馬県※2019年 | 悪性新生物(がん)27.8% | 心疾患15.2% | 脳血管疾患8.7% | 老衰8.1% | 肺炎7.2% |
日本全体※2019年 | 悪性新生物(がん)27.3% | 心疾患15.0% | 老衰8.8% | 脳血管疾患7.7% | 肺炎6.9% |
青森県の死因順位は日本全体と異なり、生活習慣病の三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)が上位3位を占めています。ポイント数を見ると、脳血管疾患は1.0ポイントと三大疾病のなかでもっとも差があります。要因のひとつとして、「健康あおもり21(第2次)改訂版」では青森県民の喫煙や過度の飲酒、食生活、運動不足からくる肥満の割合が高いことが挙げられています。
日本では、厚生労働省の指針に基づき、自治体主導で実施されている「5大がん検診」と呼ばれるがん検診があり、全国各自治体とも受診率の向上を目指しています。5大がん検診は、胃がん、子宮がん(子宮頸がん)、肺がん、乳がん、大腸がんの5つの検診を指します。
5大がん検診は、加入している健康保険の種類に関係なく住民票のある自治体で受診することができます。検診の種類によって対象年齢や頻度は異なりますが、受診費の一部もしくは全額が公費で負担されます。ただし、企業に勤めている方などは、企業による健康診断にがん検診が含まれていることが多いため、自治体主導のがん検診受診者は国民健康保険加入者や後期高齢者医療保険加入者を含む、「勤務先などでの受診機会のない人」が中心です。
厚生労働省が示している指針は下記の通りです。全国各市区町村に対し、科学的根拠に基づいた効果が認められるがん検診を推奨しています。
種類 | 検査項目 | 対象者 | 受診間隔 |
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胃がん検診 | 問診、胃部X線検査(バリウム)または胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか | ・バリウム検査:40歳以上・胃カメラ:50歳以上 | ・バリウム検査:年1回・胃カメラ:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部細胞診および内診 | 20歳以上女性 | 2年に1回 |
肺がん検診 | 問診、胸部X線検査および喀痰検査 | 40歳以上 | 年1回 |
乳がん検診 | 問診およびマンモグラフィ | 40歳以上女性 | 2年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 | 40歳以上 | 年1回 |
これを受け、全国各市区町村は、基本的に上記に沿ってがん検診を実施しています。さらに、前立腺がん検診や子宮体がん検診などの実施、年齢の引き下げ、受診費の無料化などに取り組んでいる市区町村もあります。
市区町村によっては、がん検診の無料クーポンが配布されている場合があります。青森県の県庁所在地である青森市の場合、がん検診無料クーポンは以下の通りです。
種類 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
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子宮頸がん | 21歳女性 | 子宮頸部細胞診 |
乳がん | 41歳女性 | マンモグラフィ |
青森市では無料クーポンのほかに、無料受診者証が対象者へ送付されます。無料受診者証の内容は以下の通りです。
部位 | 対象者 | 無料になる検査項目 |
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大腸がん | 40歳 | 便潜血検査(2日法) |
子宮頸がん | 30歳女性 | 子宮頸部細胞診 |
また、次の方は無料でがん検診を受診することができます。 ・高齢者受給者証、後期高齢者医療保険証を持っている方 ・生活保護受給者など、市民税非課税世帯(世帯全員が非課税)の方
がん検診の詳細は各市区町村ページをご参照ください。
青森県青森市の健康への取り組みを見る(医療施設一覧ページへ)
下記は、2015年度から2019年度の青森県全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 17.3% | 29.8% | 18.7% | 22.1% | 23.9% |
2016年度 | 16.9% | 17.9% | 11.2% | 20.8% | 13.6% |
2017年度 | 16.7% | 18.0% | 10.8% | 20.3% | 14.5% |
2018年度 | 15.9% | 18.2% | 10.3% | 20.0% | 13.1% |
2019年度 | 15.4% | 18.3% | 9.9% | 20.0% | 12.8% |
下記は、自治体主導のがん検診における2015年度から2019年度の日本全体の受診率の推移です。
胃がん | 子宮頸がん | 肺がん | 乳がん | 大腸がん | |
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2015年度 | 6.3% | 23.3% | 11.2% | 20.0% | 13.8% |
2016年度 | 8.6% | 16.4% | 7.7% | 18.2% | 8.8% |
2017年度 | 8.4% | 16.3% | 7.4% | 17.4% | 8.4% |
2018年度 | 8.1% | 16.0% | 7.1% | 17.2% | 8.1% |
2019年度 | 7.8% | 15.7% | 6.8% | 17.0% | 7.7% |
青森県のがん検診受診率は、全検診において日本全体を上回っています。とくに胃がん検診は大きく上回っています。また、日本全体の受診率は全検診とも年々低下していますが、青森県の子宮がん検診と乳がん検診は下がらず維持しています。
日本全体のデータにおいて、2016年度から一部の受診率が顕著に低下している要因としては、地域保健・健康増進事業報告における受診率の算定法の対象者が変更されたことが考えられます。また、過去、国のがん検診推進事業として、大腸がん検診、乳がん検診では40~60歳の間で5歳おき、子宮頸がん検診では20~40歳の間で5歳おきに無料クーポンが配布されていました。しかし、2016年から大腸がん検診は事業の対象外になり、2017年から子宮頸がん検診と乳がん検診の無料クーポンは検診開始年齢(子宮頸がん検診20歳、乳がん検診40歳)のみになりました。これら無料クーポン対象外の影響が受診率低下につながっていると考えられています。このため、自治体によっては独自の無料クーポンを配布したり、キャンペーンを実施したりして、受診率向上に努めています。
がん検診の受診率向上やがん予防に向けて、青森県では次のような取り組みを行っています。
・肝炎ウイルス検査の無料実施 肝硬変や肝臓がんの発症リスクとなる肝炎ウイルスの検査を実施。対象は県内に住所を有し、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方(青森市・八戸市にお住まいの方は、各市が実施する無料検査を受診)。費用は無料。
・がん情報サポートサイト「青森県がん情報サービス」の開設 「がんと正しく向き合うために」をテーマとした、青森県のがん情報サポートサイトを開設。がんに対する基礎知識から治療に関する情報や患者の体験談など、がんに関する情報を幅広く検索することができる。
・「大腸がん検診モデル事業」の実施 学識経験者などによる「がん早期発見のための事業検討会」の結果、全国ワースト1位の増加率をもつ大腸がんの死亡率改善が必要とされた。これを受け、2017年から3年間「大腸がん検診モデル事業」を青森市と弘前市の50~59歳の住民に実施。得られた結果から、今後のがん検診受診率向上に向けての受診方法の確立などの課題の明確化につながった。
青森県では。市町村によって人間ドックの費用を補助または助成している場合があります。詳しくは各市町村のWebサイトをご参照ください。例として、青森市、八戸市、弘前市の人間ドック費用補助を紹介します。
●一日人間ドック、脳ドック 【対象者】青森市国民健康保険に加入している満18歳以上および青森市後期高齢者医療制度に加入している方 【自己負担額】上限11,000円 【助成条件】 ・市税に未納のない方 ・受診は市内の指定医療機関、検診機関のみ ・利用は年度内1回まで(一日人間ドックまたは脳ドックのいずれか)
●人間ドック 【対象者】八戸市国民健康保険に加入している30〜74歳の方 【自己負担額】 39歳以下:6,000円 40歳以上:3,000円 ※70歳以上および40・45・50歳の方は無料 【助成条件】 ・利用は年度内1回まで ・受診は公益財団法人八戸市総合健診センター
●人間ドック、脳ドック 【対象者】弘前市国民健康保険に加入している40〜74歳の方 【自己負担額】 人間ドック:4,250円 脳ドック:5,000円 【助成条件】 ・国民健康保険料の滞納が無い世帯の方 ・利用は年度内1回まで ・受診は市内の指定医療機関のみ ・人間ドックのの場合、特定健康診査を受診していないこと
「機能評価認定施設」とは、日本人間ドック学会が定めている「人間ドック健診施設機能評価」という評価基準をクリアした医療施設です。申請のあった人間ドック施設に対して日本人間ドック学会が受診者目線で審査している取り組みです。
審査項目には、「運営方針、組織の管理体制が確立しているか」や「検査の業務マニュアルは作成されているか」、「感染対策などの危機管理は徹底されているか」といった施設側の安全面に関する基準から、「受診者が快適に受診できるように配慮しているか」や「受診者のプライバシーに配慮しているか」といった受診者側に関する基準まで、多角的な評価基準があります。また、評価基準は5年ごとに改定され、更新審査が行われます。
全国で390以上の施設が認定されており、このうち青森県内の機能評価認定施設は2021年12月現在で2施設あります。
マーソでは、機能評価認定施設から人間ドックのプランを探すことができます。くわしくはこちらをご覧ください。
青森県では「早世の減少と健康寿命の延伸により全国との健康格差の縮小」の実現を目指し、さまざまな取り組みを行っています。ユニークな取り組みを紹介します。
・運動スタート応援情報誌「ハピトレ」の発行 青森県では、男女とも平均歩数が全国平均を大きく下回り、運動不足が大きな課題である。課題解決のため、運動習慣がない人へ運動開始のきっかけを与える活動として、イベント情報や有識者のインタビュー記事などが掲載された情報誌を発行している。
・「健やか力」向上推進キャラクター「マモルさん」 「最近肥満が気になり始めた働き盛りの中年男性」をイメージに制作されたキャラクター「マモルさん」。パンフレットやYouTubeなど、青森県の健康づくり啓発活動に用いられる。青森県健康福祉部がん・生活習慣病対策課に申請を出すと、キャラクターの使用許可やイベントなどで使用する着ぐるみの貸出ができる。
・女性発信!農業者・漁業者の健やか力向上事業 青森県の基幹産業である農業と漁業で働く方の高齢化が進み、農業で5割、漁業で3割以上が高齢者となっている。2019年度から県内の農協・漁協女性部と行政が連携をとり、女性部員たちが生活習慣の改善や健康づくりの推進を図る活動を実施。健康セミナーの開催や健康づくりに取り組む同業者を紹介するリーフレットの作成などを行っている。
※本記事は2021年12月時点の情報を元に作成しています。